試合中のペアへの声掛けやアドバイス

先日ある生徒さんから試合中のペアへの声掛けについて質問をいただきました。

「ミスが増え始めたペアにどんなアドバイスをしたら良いのか分からない・・」
こんなご質問でした。

確かに、試合中の声掛けやアドバイスはとても大切です。
何も声かけないと、段々雰囲気も悪くなってきますし、逆に声かけやアドバイスが不味いと余計に調子が下がる事もあります。
それぐらい、試合中の声掛けやアドバイスの影響は非常に大きいです。

さて、では、試合中は一体どんな声掛けやアドバイスが良いのか?
今日はこの事についてお話ししたいと思います。

では、まず、結論です。
実は声掛けやアドバイスはどんな内容でも構いません。
ですが、一つだけ条件があります。
この条件さえ、クリアしていれば、話す内容はどんな事でも構わないのです。

実は多くの生徒さんはこの事を勘違いしています。
話す内容に「良い内容」と「悪い内容」が存在すると考えているんですね。

ですが、これは勘違いです。
先ほども言ったように話す内容自体に「良い」「悪い」は無いんです。

では、唯一の条件とは何か?
それは、相手の意識を現在進行形に引き戻す事です。
意識が過去や未来に飛んでしまうのではなく、現在に戻ってくるような声掛けやアドバイスなら、どんな内容でも構わないのです。
逆に言えば、どんなに正しい内容でも、意識が過去や未来に飛んでしまうような声掛けやアドバイスはNGと言うわけです。

ミスが増える一番の原因はボールへの集中力が下がっている事です。
この状態からボールへの集中力が高まれば、ミスは自然と無くなっていきます。

では、どうして、ボールへの集中力が下がってしまっているのか?
それは意識が現在ではなく、過去や未来に飛んでしまっているからです。

例えば。
「先ほどのポイントが気になっている」
「打つコースが気になる」
「打ち方やフォームが気になる」
「展開や配球が気になる」
・・・・

これらは全て、意識が過去や未来に飛んでいる事が原因です。
その結果、現在のボールに集中する事が出来なくなっているわけです。
この状態を現在進行形の意識に引き戻してあげるのが良い声掛けやアドバイスの条件です。

では、こんなアドバイスはどうでしょうか?
「今のは無理してストレートへ打たないで、クロスに安全に打った方が良いね」

確かに、無理にストレートを狙う事で、ミスしているかもしれません。
つまり、アドバイス自体は正しい可能性が高いです。

ですが、問題はこのアドバイスを聞いたペアの意識が過去や未来に飛ぶのか?
それとも、現在に戻って来るのか?
ここが大切なポイントになります。

仮にペアが打つコースや展開に迷いがあり、「どうしよう・・」と不安になっているなら、このアドバイスをされる事でスッキリして現在に意識が戻って来るかもしれません。
その場合はとても良いアドバイスという事になります。

ところが、このアドバイスをされる事で逆に「今後がストレートに打たないでクロスに打たないと・・・」と思ったらどうでしょう?
これは意識が未来に飛んでしまうので、今後は余計にミスが増えるでしょう。
つまり、適切でないアドバイスという事になります。

このようにアドバイスする内容自体が正しい場合でも相手の意識状態が過去や未来に飛んでしまうと適切でないアドバイスになるわけです。
これが「話す内容は関係がない」と言う意味です。

では、こんなアドバイスはどうでしょう?
「OK,OK,気にしないでもう一度ボールに集中しよう」
「OK,OK,終わった事は忘れて、次のボールに集中しよう」

このようなアドバイスは多くの場合、過去や未来に飛んでしまった意識を現在に引き戻してくれます。
ですから、とても有効な声掛けやアドバイスになる可能性が高いです。
もちろん、このようなアドバイスでも相手がこれを聞く事で逆に悩んでしまったら、NGです。
ですが、一般的には非常に高い確率で相手の意識は現在に戻ろうとします。

逆に一般的に余計に調子が悪くなるのは「技術的なアドバイス」「展開や配球に関するアドバイス」です。
これらのアドバイスは多くの場合、意識が過去や未来に飛ぶ事になり、調子は余計に悪くなるケースが非常に多いです。

ここで大切な事は「アドバイスする内容が良いか?悪いか?」は関係が無いという事です。
いくら正しい内容であっても、意識状態によって調子の波は変化するという事ですね。

テニスの調子はボールへの集中力によって生まれます。
ボールへの集中力が下がれば、ミスが増え、ボールへの集中力が高まれば、パフォーマンスが高くなります。

そして、ボールへの集中力は現在、過去、未来の意識状態の違いで生まれてきます。
その為に、ペアへの声掛けやアドバイスは意識状態を「現在」に引き戻してあげる事が最も大切な事になるわけです。

声掛けやアドバイス次第でボールへの集中力は大きく変わります。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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