テニスに必要な目の話

今回はテニスに必要な目の話です。
当たり前の事ですが、テニスではボールを観る事はとても大切な事です。

これは誰もが知っている事だと思います。
ですが、その観方はプレーヤーによって違います。

レベルの高いプレーヤーほど、良い観方をしています。
そして、発展途上のプレーヤーほど、観方に伸び代があります。

では、どんな観方が良いのか?
今日はそのヒントについてお話したいと思います。

まず、ラリー中のボールが移動する状態を便宜上、4つに分けます。

1.自分が打って相手に到達するまでのボール
2.相手のインパクト
3.相手が打って自分に到達するまでのボール
4.自分のインパクト

テニスのラリーはこの4つの瞬間が繰り返されています。

もちろん、1番の理想は1~4までの間、意識が途切れる事なく、観察し続けている状態です。
ところが、なかなかそういう状態にはなれない物です。

では、レベルの高いプレーヤーと発展途上のプレーヤーではどんな違いがあるのか?

実はレベルの高いプレーヤーほど、1の優先順位が一番高く、4に向かって優先順位が下がっていきます。
逆に発展途上のプレーヤーほど、4の優先順位が一番高く、1に向かって優先順位が下がっていきます。

レベルの高いプレーヤーは自分が打ったボールにしっかりとフォーカスされています。
その結果、2,3,4と自動的にボールを観察する事になります。

ところが、発展途上のプレーヤーは4の状態のボールを良く観ようとします。
もちろん、4の状態を観ようとする事自体が悪いわけではありません。

ですが、「1,2,3を疎かにして、4だけを観る」
または、「1,2を疎かにして3,4だけを観る」
こんな状態ではボールとのタイミングは取れないんです。

ボールとのタイミングを合わせる為には実は1が一番重要で、2,3,4と優先順位は下がるのです。
少し極端な言い方をすれば、1の時にしっかりとボールに集中し観ていれば、2,3,4は特に意識して観なくても良いんです。
体全体が自動的にボールに同調します。
もちろん、目もボールを自動的に追いかけます。
その為に自然とボールとのタイミングが合うようになります。

ところが、発展途上のプレーヤーほど、この優先順位が逆になり、4,3,2,1となります。
つまり、自分がボールを打つ時はボールを観ようとしますが、それ以外はボールに集中するのではなく、別の事に意識が囚われてしまうのです。
それは「自分の打ったボールの行方や結果」だったり、「相手がどこに打ってくるか」だったりします。
少し極端な言い方をすれば、ボールを打つ時だけボールに集中しようとするんです。

残念ながら、これではボールとのタイミングが取れないのでいくらボールを観てもボールは上手くヒットできないんです。
このようなプレーヤーは「ボールは観えているのに上手く打てない」なんて事が頻繁に起こります。

ボールを正確にヒットする為に、一番大切な事はボールとのタイミングです。
少し乱暴な言い方をすれば、タイミングさえ合わせる事ができれば、インパクトでボールを観る必要はないんです。

例えば、世界のトッププレーヤーたちはオーバー200kmのサービスをクリーンヒットします。
その時、インパクトでボールが観えているか?
多分、観えていないと思います。
実際に画像などでも、ボールを観ていない画像が良くあります。

ですが、それはあまり大きな問題ではないんですね。
もちろん、「インパクトはボールを観なくても良い」と言っている訳ではないんですよ。
「優先順位を変えれば、自然とインパクトでも良い状態になる」と言っているんです。

ボールが上手くヒットできないと誰もがインパクトが気になります。
気になれば、意識はその瞬間に留まります。

その結果、本来、一番大切な1のボールに乗り遅れるんです。
そして、優先順位が4,3,2,1となるわけです。
こうなると悪循環の始まりです。

調子が悪くなれば、なるほど、この傾向が強くなります。
逆に、この優先順位を1,2,3,4に変える事ができれば、調子は良くなっていきます。

「最近、あまり調子が良くないな・・」と感じている方は次回の練習で試してみてください。
きっと何かヒントを掴むと思いますよ。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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