上手くなりたければ、意識するのではなく、認識する

今回のテーマは「認識と意識」です。
一見似ているこの2つ、その意味は全く違います。

ちなみに上達する人は「認識」しますが、上達が止まる人は「意識」します。
今日はこの違いについてお話したいと思います。

例えば、毎日通り慣れた道で、ある日、突然、「今まで気がつかなかったお店に気づく」
こんな経験は誰にでもあると思います。
このお店は今日突然できたわけではなく、過去からそこに存在し、また、自分も必ずそのお店が目に入っていたにも関わらず、今日は初めてその事に気がついたわけです。
これはそのお店を「認識」したわけですね。
それに対して「意識する」とは「意識して行動する」や「相手を意識してしまう」のように使います。

では、この2つの1番大きな違いは?

認識:情報をインプットする
意識:情報(知識)をアウトプットする

こんな風に言えると思います。
では、テニスをする時にこの「認識」と「意識」はどうなるのか?

上達が止まってしまう人は正しい事を「意識」して練習します。
例えば、コーチに言われたラケットの使い方を「意識」し、それが身につくように練習します。
または、プロの分解写真を見て、それと同じように体を使うよう「意識」して練習します。

もし、それが上手くできない場合は「意識」して練習するのが足りないと感じます。
また、コーチからも「意識して練習しているうちにできるようになりますよ」と言われます。

ですが、残念ながら、実はこのような練習をしても上達する事はありません。
理由は簡単、意識している為に、認識していないからです。

先ほどご紹介したように認識はインプット、意識はアウトプットです。
つまり、アウトプットしているかぎりはインプットを同時にする事はできません。

例えば、先ほどの突然、お店に気がついたのは何故か?
何もアウトプットしていなかったからです。
頭の中で何か考え事(アウトプット)をしていたら、その前を何回通り過ぎても気付く事はないでしょ?
これと同じですね。

ですから、何かを意識して練習する事は上達に結びつくわけではないのです。
それよりも大切な事は自分の体にどんな事が起こっているのか?
または自分の周りでどんな事が起こっているのか?
「認識」する事が大切なのです。

例えば、上手くボールが打てないショットがあるとしましょう。
この時、ほとんどの人は正しい打ち方を「意識」しています。
でも、これじゃ駄目なんです。

正しくなくても良いので、自分の体がその瞬間、瞬間でどんな動きをしているのか?
「認識」する事が大切です。

また、自分のラケットはその瞬間、瞬間どのような動きをしているのか?
「認識」する事が大切です。

また、インパクトの瞬間はボールがどのように当たっているのか?
「認識」する事が大切なのです。

これらの事を認識する事は現実をインプットする事になります。
そして、その情報は自動的に修正されます。

人の脳は自分が持っているイメージに近づいていくように自己修正能力を持っているのです。
これは自動で働いてくれます。
また、どんな人にも備わっている自然な能力です。

ですから、「意識」して練習するのではなく、ただ、「認識」すれば良いのです。
そうすれば、必要な情報を蓄積されると「なるほど!こうすれば良いんだ!」と自分自身で閃きます。
これが自己修正能力が働き始めた瞬間です。

上達する為にはこの「閃き」がとても大切です。
例えば、単純なストロークラリーの練習を10分間しただけでも「認識」して練習している人はいろいろな発見があります。

ところが、正しいストロークを「意識」して練習している人は「意識」した事が出来たか?
それとも出来なかったか?
この程度の事しかわからないわけです。

これでは、大きな差が付くのは当たり前の事ですね。
練習は「正しい事を身に付ける事」ではなく、「新しい発見があるか?」
これが1番大切なのです。

新しい発見があると楽しいですし、実際に新しい情報がインプットされているわけですから
当然、上達もしているわけです。

さて、いかがでしょう?
「認識」と「意識」の違いは何となくでもわかっていただけたでしょうか?

次回の練習は「意識」するのは止めて、自分に何が起こっているのか?
「認識」する練習をしてみてください。

きっと新しい発見があって、楽しくプレーする事ができると思いますよ。

いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です