崩れてしまった調子を元に戻すには?

今回のテーマは「崩れてしまった調子を元に戻すには?」です。

先日、こんな質問をいただきましたので、まずはこちらをご覧ください。

「戸村様

セカンドサーブのアドバイスありがとうございました。
おかげさまで、セカンドサーブのイメージがつきました。

で、昨日は絶好調でした。
反応もいいし、どんなボールもはずす気がしない。
ゾーンに近い状態だったと思います。

ところが、今日は、絶不調。
期待をしていたわけではないのですが、なぜか反応が悪い。
少しずつ歯車が噛み合わなくなったみたいです。

途中で気がついて、ボールを観ることだけに集中。
バウンド、ヒット、バウンド、ヒット、と音に集中。
どちらもやりましたが、うまくいきませんでした。

ボールを観ようとするのですが、見えていない部分が多かったです。
今日は4戦の練習試合で、久しぶりのペア練で楽しみにしていました。
下位トーに行くか、上位トーにいくかのゲームでは、初めてサーブで緊張しました。
結局、今まで負けたことのない相手に、4-3で負けて、下位トーにいき、その後は全勝ちしましたが、
内容は集中力を欠いたものになってしまいました。

私のミスで、ペアも集中がなくなっているのが、一番辛かったです。
これが実力だと、受けいれるべきなんですが、なんか、ほんとに頭の中が真っ白になったみたいで、ここまで絶不調ははじめてです。
不調の時は、以前にもあるのですが、いつもその日一日不調が続きます。

試合の時に、不調が来たとき、好調を求めるのではなく、ニュートラルを目指せ、とあったとおもうのですが、そのニュートラルが分かっていないかもしれません。
具体的にどうすれば、いいですか。

ちょっとパニックになりました。
勝ち負けより、自分が集中できたかどうかで、楽しさが変わってきますね。
こんな集中力を欠いた試合はしたくないです。
切れてしまった集中力を戻す方法はありませんか?
よろしくお願いします。」

あなたにもこんな経験があるかもしれません。
調子が悪い時のテニスって本当に辛いですよね。

さて、それでは、このご質問に私はどう答えたか?
こちらが私の感じた事です。

「こんにちは!
セカンドサーブ、ヒントが見つかって良かったです。

さて、それでは、今回のご質問です。

まず、結論から言いますね。
「切れてしまった集中を取り戻す事に興味を持っている事自体が問題」です。

集中状態は集中しようと意識した時点で逆に下がっていきます。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、集中とはこういう物です。

集中状態を求めれば、求めるほど逃げていきます。
陽炎のような物です。

集中できるか?できないか?
調子が上がるか?上がらないか?
上手くでできるか?できないか?
勝てるか?負けるか?
・・・・・

こういう物が気になっている状態は集中状態にはなかなか入れません。
集中の世界は現在進行形の世界です。
どんな結果に関わらず、ただ、自分の注意力を対象(テニスボール)に向け続けるだけです。

ところが、上記のような状態は意識が未来、または過去に旅している状態です。
ですから、集中の世界に入れないんです。
そうして考えると今回の不調の原因は「自分のテニスの調子」に意識が向いてしまっている事ですね。

集中の世界に入るには方法はありません。
方法論を探せば探すほど、意識が介入し、逆に集中力が下がります。

好きな映画に没頭する時に方法はあるでしょうか?
好きな音楽に没頭する時に方法はあるでしょうか?
好きな異性のお話に没頭する時に方法はあるでしょうか?

方法はないですよね。
ただ、リラックスし、心を開放し、楽しむだけです。

そうすれば自然と集中力は高まってきます。

テニスには調子の波は必ずあるものです。
どんなに大きな波であろうとそれを認める事が大きなポイントです。

調子の波を整えようとすればするほど、逆に波は大きくなります。
例えば、たらいの水が波打っているのを沈めようとして手で水を抑えるとどうなりますか?
余計に水面は波打ちます。
これと一緒ですね。

調子が悪い状態を調子を良くしようとあれこれ意識すればするほど、調子の波は大きくなります。
調子の波を気にしないことです。

決して簡単な事ではありませんが、調子の波がある事自体を楽しめたら、最高です。
皮肉な事にそんな状態になれば自然と調子の波はなくなります。

レベルの高い選手たちが調子に波がないのは、調子を上げる事を知っているわけではないのです。
調子その物を気にしていないのです。
その結果、自然と調子に波がなくなっているだけです。

逆に一流選手でも自分の調子を気にしすぎると、簡単にスランプに陥ります。
スランプに陥っている選手ほど、自分の調子に過敏に反応します。

では、まとめます。
以上の事を踏まえて。

「テニスは結果にこだわらず、ただ、楽しんでいる状態が最強」です。

以上が私の答えです。

禅問答のようで、答えになっていないと感じる方もおられるかもしれませんが、でも、それが集中の世界です。

逆にこの世界を受け入れずに、方法論を探す事は残念な結果しか生みません。
「分かる事」や「知る事」と「体験する事」や「身につく事」は全く違う次元の事です。

集中の世界とはまさに「体験」の世界です。
体験は分かる必要も知る必要もないんです。

逆に分かったり、知ったりすれば、純粋に体験できない事の方が多いんです。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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