ズベレフのバックハンド

今回はズベレフのバックハンドについて考えてみましょう。
ズベレフは現在20歳。
未来のチャンピオンと期待される若手NO1の選手です。
先日行われたイタリア国際では決勝でジョコビッチを破り、若干二十歳にして、マスターズ初制覇を果たしました。
また、ツアーファイナルのランキングでは現在、5位に着けています。
この勢いでは今年は最終的に8人の枠の中に入りそうです。

彼の強さの一番の特徴は非常に力強いストローク。
中でもバックハンドの威力は抜群です。

今回はそのバックハンドを見てみましょう。

実は彼のバックハンドはテークバックに非常に大きな特徴があります。
レディポジションからテークバックに入る動きでは、腕やラケットを引くのではなく、下半身を含めた身体のターンから始まります。
これはトップ選手に共通の動きです。
トップ選手は腕やラケットを引くのではなく、状態はレディポジションの状態を維持し、身体全体が横を向きエネルギーを作る準備をします。

ですが、ここから、ズベレフ選手には一つ大きな特徴が現れます。
それは両方の拳の位置が左の腰のほうへ移動するにも関わらず、ラケットヘッドが残っている事です。
その為に、ラケットヘッドは天井よりもネット方向に向かった状態が出来ます。

その状態から体幹が前に戻り始めます。
それに伴い、グリップの位置が移動する事で、ラケットヘッドがネットと反対方向に向ます。
この状態でも体幹の動きは止まりませんから、そこから、グリップエンドが引っ張られ、ラケットヘッドも一気に打球方向に振りぬかれていきます。

ズベレフのバックハンドで最も特徴的なのがテークバック時にラケットヘッドがネット方向を向いている事です。
では、なぜ、彼はこのような使い方をするのか?
また、ラケットヘッドがネットの方向を向く事にどんな効果があるのか?

実はラケットヘッドは立った状態からスイングに入る方がより強いエネルギーを持つ事になります。
それはラケットヘッドが地面に向かって行く位置エネルギーを利用する事が出来るからです。
テークバック時でラケットが寝てしまっているとそれを立てる為には自分の筋力を使う必要があります。
ところが、ラケットヘッドが立っていると、グリップを少し引っ張るだけでラケット自体の重みで勝手に地面に向かってくれます。
そして、そのエネルギーは止まる事無く、前方(または上方)に向かってくれます。
その為に、筋力だけではないエネルギーを使う事が出来ます。
ズベレフようにラケットヘッドがネット方向に向かっているとそのエネルギーをより大きなものにできます。
その分、威力を増す事が出来ます。
彼のバックハンドの強さの秘訣はこのテークバックにあると言っても良いでしょう。
今後はこのようなテークバックをする選手が増えると予想されます。

ただ、このテークバックには一つ、デメリットもあります。
それはテークバックからインパクトまでのスイングプレーンが少し長くなります。
その為に、タイミングには注意が必要です。
簡単に言えば、「エネルギーは大きくなる分、振り遅れる可能性がある」と言う事です。
タイミングだけの事を考えるとジョコビッチのようにラケットヘッドが立った状態を横にセットした方が簡単です。
ただ、横にセットする分、エネルギーと言う点では小さくなります。
これは「どちらが良い」と言う問題ではなく「より強いエネルギーを求めるか?」それとも「より正確性を求めるか?」と言う違いだと考えるべきですね。

そういう意味ではズベレフのバックハンドは「より強いエネルギーを必要として、その精度を高める技術を習得した」と言う事が言えると思います。

タイミングさえ取る事が出来れば、このようにラケットヘッドを残してテークバックする事でより強いエネルギーを作り出す事ができるのは間違いがないので、「もう少しパワーが欲しい」と言う方は参考にしてみるのも良いと思いますよ。

以上、今回はズベレフのバックハンドの特徴についてでした。

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