フォアハンドは手首を固定する?

今回はフォアハンドの手首の使い方についてお話ししたいと思います。
よく「フォアハンドの手首は固定するのか?」と言う議論がされます。
そして、「手首は固定するほうが良い」「手首は使った方がより良いボールが打てる」と両方の意見が出てきます。

これは一体どういう事なのか?
実はどちらも半分正しく、半分間違っています。
理由は手首の固定に焦点を当てて話をするからです。

確かにトップ選手たちの手首は固定されているように見えます。
実際にスイング中、不必要な動きをしません。

ですが、必要な動きはあります。
決して、完全に動かないように固定しているわけではありません。

つまり、良い塩梅で手首が使われているのです。
にも関わらず、「固定するか?」「固定しないか?」の2択で話をするから勘違いする事になるわけです。

では、トップ選手の動きを観察してみましょう。

出典:Novak Djokovic in Super Slow Motion | Forehand #1 | Western & Southern Open 2014

出典:Roger Federer Forehand In Super Slow Motion – 2013 Cincinnati Open

ジョコビッチとフェデラーのインパクトの瞬間です。
二人の手首を見ると多少の違いはありますが、両者とも、いわゆる「背屈」と言う状態で固定されているように見えます。
また、テークバックで既にインパクトと同じような角度が作られています。
これだけを見るとテークバックで背屈の形を作って固定させてヒットさせているように思うかもしれません。

ですが、テークバックから、インパクト、フォロースルーと追いかけて観察してみてください。
決して、手首は固定されているわけではありません。
テークバックからインパクトに向かってはほんの少しですが、背屈の角度がきつくなり、しなるような動きがあります。
また、逆にインパクト後はプロネーションと同時に手首が少し解放されていき、背屈の角度が緩やかになります。
そして、この動きはスイングスピードが上がるにつれて顕著に表れます。
これは両者に共通です。
つまり、この動きが付加される事でボールにスピードを与えている事は間違いがありません。

この事から考えると「手首を固定する」と決めつけるのは危険です。
確かにボールは安定するかもしれませんが、スピードアップをするのが難しくなるでしょう。

では、逆に「手首を使う」練習をすれば良いのでしょうか?
いいえ、これも間違いです。
理由は彼らは手首を固定する意識も、手首を使う意識も無いからです。
身体に任せてスイングすると自然と良い塩梅で手首の背屈が起こるのです。

私はフォアハンドの指導する時にその生徒さんのレディポジションを必ずチェックします。
特にグリップと手首の角度です。

そして、次にレディポジション~テークバックの動きをチェックします。
実はこの二つに問題がなければ、手首は自動的に「良い塩梅」で使われます。
スイング中、手首に問題が出て来るプレーヤーは必ず、この二つに既に問題が現れています。
逆に言えば、ここを改善すれば、手首は特に意識しなくても改善します。

と言うよりも、手首を意識すればするほど難しくなります。
固定するとボールが飛ばなくなって、使おうとすると面が不安定になってボールを捕まえる事が出来なくなるからです。

では、どうすれば良いのか?
まず、正しいグリップでラケットを握る事。
正しいグリップとは手首を操作しなくても自然と背屈した状態で握るグリップです。
つまり、本来はこの時点で手首の背屈は意識しなくても良いのです。

ところが、レディポジション~テークバックの間にラケットヘッドや手でテークバックするプレーヤーはこの背屈が崩れてしまいます。
ちなみにジョコビッチ、フェデラーのテークバックの動きを観察してみてください。
彼らはレディポジションの手首の状態が維持されたまま準備が完了するのが分かるはずです。
実はここに一番大きな違いがあります。

ラケットヘッドや手でテークバックするのではなく、体幹を動かして準備します。
そうすると、特に意識しなくても、手首はレディポジションのまま維持されて準備されます。

そして、スイングでは準備した体幹を動かす事でボールに向かって行きます。
すると自然と維持された手首がスイングのスピードによって、適度にしなってボールに向かいます。
これはリラックスした状態だから起こる事です。
固定してしまうとこの動きが現れません。

そして、インパクト後も適度に解放されて、ボールに押しを加えます。
これも固定せずにリラックスしているから自然に起こる動きです。
意識して手首を使って、ボールにエネルギーを加えているのではないのです。

スイングは、手首や腕、またはラケットでエネルギーを加える物ではありません。
あくまでも体幹が作ったエネルギーをボールに伝える事が大切です。
手首は体幹で作ったエネルギーを自然に伝える為にリラックスして状態である必要があるのです。

これが安定して強いボールを打つ為に必要な手首の使い方です。
つまり、手首は固定するわけでも、使うわけでも、どちらでもありません。

正しいグリップと正しいレディポジションが出来ていれば後は体幹を使い、手首は特に意識しない。
これを練習する事が手首の問題を解決する一番効果的な方法です。

最新のフォアハンドストロークを身につけたい方はこちらの動画も参考にしてみてください。
正しい体幹の使い方が分かると思います。

⇒ Feeling Tennis ザ・ムービー フォアハンドストローク セット

良かったら参考にしてみてください。
本日のお話は以上です。

いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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