テニスに必要なボールの見方

今回のテーマは「ボールの見方」です。

「ボールの見方なんて一緒でしょ?違いがあるの?」
こんな風に思うかもしれませんが、実はテニスが上達する為にはボールの見方は非常に大切なんです。

ボールを打つ為には正確にボールの情報をキャッチする必要があります。
それにはボールの見方が大きく関係するからです。

ちなみに、先日のプライベートレッスンではこんな事が起こりました。

「コーチ、ボールが止まって見えます」
「こんなの初めてです!」

こんな感じ。
そうなんです、実はボールって本当に止まっているように感じる見え方があるんです。

こんな見え方をしている時は、自然とボールとのタイミングが合って、自動的に良いショットが打てます。
また、ボールを速く感じないので、自分の動きも良く、今まで届かなかったようなボールに追いつけたりします。

とにかく、普通の時と違った感覚でプレーできます。
もちろん、パフォーマンスは非常に高いです。

事実、この方もこの日、非常に素晴らしいプレーをしていました。
では、「ボールが止まって見える」とはどういう事か?

もちろん、本当にボールが止まる訳はありませんから、「ボールが止まっているように感じる」というわけなのです。
なぜ、こんな事が起こるのか?

それは自分の意識がボールのみに集中する事ができると、目がボールの動きから離れなくなるからです。
そうすると視界の中心に常にボールがある状態になります。

その状態を体験して頂くために、今から紹介することを試してみてください。

1.左の手で拳をつくってください。
2.その拳を両目の視界の中心に置いてください。
3.その拳をゆっくりと左右に動かしてください。
4.拳の動きと合わせて首を動かしながら常に拳が視界の中心に位置するようにしてください。

さて、いかがでしょう?
この時、あなたの視界はどんな感じになっていますか?

上手く実験できると拳は左右に動いているにも関わらず、止まっているように見えると思います。

その代わりに拳の向こう側の景色は左右に流れて見えなくなっていると思います。
よくわからない方はもう一度実験してみてください。

いかがです?
そうなっているでしょ?

実はテニスのプレー中でもボールへの集中力が高まってくると、これと同じような感覚になります。

ですから、本当にボールのスピード感を感じないで止まっているように見えるんです。
この方はこの体験を初めてしたそうです。

テニスの一番の難しさは動いているボールに対して、正確にタイミングを合わせることです。
ですから、動く必要がない場所に手頃なスピードのボールが来たらボールをコントロールしやすいわけです。

ところが、「自分から遠い」「ボールが速い」「ボールが変化する」・・・
こういう場合はボールをコントロールすることが急激に難しくなります。

逆に言えば、このような場合でも正確にタイミングを合わせることができるようになるとテニスは急激に上達する事ができるわけです。

では、どうすればタイミングを正確に合わせることができるか?
その答えがこの視界なのです。

考えてみてください。
「ボールが止まっている」場合と「ボールが動いている」場合。

どちらがタイミングを合わせやすいか?
当然、止まっているほうが合わせやすいですよね。

ですから、このような状態になる事ができれば、テニスは自動的に上手くなっていきます。
ところが、通常はなかなかこのような状態にはなりません。

私達は日常生活している時は、さきほどの拳のように動いている物に焦点を合わせる事はしません。
そうではなく、視界が止まっていて、動いている物が流れていきます。

「ボールが止まり、周りの景色が流れる」
「周りの景色が止まり、ボールが流れる」

ほとんどの場合、後者のような視界で生活をしています。
ですが、残念ながら、これでは、ボールの動きにタイミングを合わせることができないんですね。

逆に前者の状態でプレーすることができれば「良く分からないけど、上手くプレーができる」
こんな状態になります。

ただ、このような状態になると非常に多くの人が「不安」を感じるようです。
「ボールは止まって見えるけど、自分がどこに立って、何をしているかわからない・・」
こんな事を感じるんですね。

また、車酔いに似たような気分の悪さを感じる人もいます。
周りの景色が常に流れているので、酔っちゃうんです。

なので、この不安や心地悪さを解消する為に、後者の視界でプレーしてしまう事が非常に多いんです。

でも、それではテニスのパフォーマンスは上がりません。
前者の視界に慣れるようにして欲しいのです。

確かに最初は不安かもしれませんが、いつもそのような状態でプレーしていると慣れてしまって、不安も感じなくなります。
また、逆にそのようにボールだけに没頭している時のほうが心地よくプレーできるようになります。

そうすれば、テニスは自動的に上達します。

実は以前は私自身も視界にこのような違いがある事は知りませんでした。

だって、「他人さんの視界がどんな風になっているか?」なんて、見ることもできませんし、説明して貰う事も難しいですよね。
と言うより、そもそも「視界がみんな違う」なんて事にも気づいていませんでした。
「みんな同じように見ている(見えている)」と思い込んでいたんです。

ですが、感覚的な違いを検証し続けていると実は「プレー中の視界はみんな違う」
という事に気がついたんですね。

そうして、視界をコントロールしてもらうとテニスは急激に上達できるという事にも気がついたというわけです。

ですから、もしあなたがこの視界の違いにまだ気がついていないなら?
ぜひ、次回の練習で実践してみてください。

きっと楽しくプレーできると思います。

ただし、「視界を止めよう」としちゃダメですよ。

何も考えず、ただ、ボールの動きだけを目で追い続けてください。
ふと気づくとボールが止まり、周りの景色が流れている状態になっているはずです。

後は感じるままでプレーする。
そうすれば、普段自分が望んでいるプレーが自動的に出てきます。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

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