自分の内なる声に耳を傾ける

今回のテーマは「内なる声」です。
今年、フィーリングテニスでは積極的にテクニックについてご紹介しています。

今まで、フィーリングテニスでは、テクニックについてはあまり積極的にご紹介してきませんでした。
理由はテクニックに重きを置くと、本質を見失う事がとても多いからです。

ですが、テクニックが要らないわけではありません。
レベルアップの為には非常に大切である事も事実です。

そこで、今回はテクニックを積極的に磨きながら、本質を見失わない為のポイントについてお話したいと思います。
それが「内なる声」です。

例えば、よりレベルの高いフォアハンドストロークの打ち方を身に着けようとしたしましょう。
この時、ポイントになるのは「どんな打ち方がよりレベルアップするか?」と言う事です。

このポイントは誰もが同じです。
ところが、このポイントを身に付ける為の過程は人によって違います。

中でも一番大きな違いは「自分の中に答えを探そうとする」のか?
それとも「自分の外に答えを探そうとする」とか?

この違いがとても大きな差を生み出します。

例えば、宝物を探す時、前者は自分の家の中に宝物がある前提で家の中をくまなく探そうとする事です。
それに対して、後者は自分の家の中ではなく、外に宝物がある前提で外に探しに行きます。
当然、その時、家の中を探す事はしません。

実はテクニックは前者のような物です。
自分の身体は「どのように動けば、より効率的に、そして精度高く動けるか?」を知っています。

ただ、練習の量が足りないと、自分が知っている事に気が付く事ができません。
ですが、練習の量が増え、感覚が磨かれてくると自分自身で「この方が心地よい」」または「この方が素早く動ける」などの感覚に気が付く事ができます。

本来は誰から教わる事も無く、自分で答えを見つける事ができるんですね。
つまり、答えは既に自分の中に備わっているんです。
ただ、その宝物を見つける為には自分の家の中をくまなく隅々まで探さないと見つける事はできないんです。

ところが、間違えると「自分は答えを知らない。だから、知っている人に聞いて、それを身に付ける必要がある」と思ってしまうのです。
これが私が「自分の外に答えを探そうとする」と言っている意味です。

このような人は自分の家の中をくまなく探そうとはしません。
その代わりに、自分の身体の感覚を頼りにするのでなく、正しい答えや理想の答えを頼りにします。

残念ながら、このように答えを自分の外に探そうとしているといつまでも、自分の感覚は磨かれず、新しい発見に気が付く事ができないんです。

では、どうすれば、「自分の中に答えが備わっている」事に気が付けるか?
それが「内なる声」に耳を傾ける事です。

「内なる声」とはフィーリングと言っても良いと思います。

ボールを打てば、必ず、何らかのフィーリングを感じると思います。
ボールの重さの場合もあれば、自分の身体の詰まり具合や軽さ、ぎこちなさ、スムーズさ、など。

いろいろな感覚を感じるはずです。
この感覚の違いを私は「内なる声」と言っています。

この内なる声は非常に小さく、繊細です。
ですから、他に雑音があると聞き取る事ができません。

雑音とは、自分の意識です。
自分が何か他の事に気を取られていては、この小さな内なる声を聞き取る事ができないんですね。

例えば、自分の腕に親指を当てて、脈拍を測ってみてください。
指先に集中する事で脈を打っている事を感じる事ができると思います。

では、同じ事をテレビを見ながらするとどうなるか?
脈拍と言う内なる声は聞き取る事が出来なくなります。

テニスに必要な内なる声を聞き取る事はこれと非常によく似ています。

正しい打ち方や、理想の打ち方に気を取られ過ぎると、自分の身体の中から発信している微妙な違和感や、フィーリングを感じる事が出来なくなります。
その為にいつまでも、自分の身体に合った、よりレベルの高い動きに気が付く事ができないんですね。

大切な事なので、もう一度言います。

正しい打ち方や理想の打ち方は自分の身体が既に知っています。
ただ、練習の量が足りないとそれに気が付く事ができないだけです。

では、なぜ、私は打ち方の指導をするのか?
それは、私のお伝えした事をそのまま身につけて欲しいのではなく、おおまかな地図をお渡ししているだけなんです。

家の中をくまなく隅々まで探すのはとても大変です。
ですから、「家の中のこの辺りにきっと宝物があるよ」と言っているだけなんですね。

このおおまかな地図を参考にして、そのあたりを探すのはプレーヤー自身です。
プレーヤー自身が内なる声を頼りにし、探さないと宝物を見つける事ができないんです。

正しい打ち方や、理想の打ち方に気を取られて、そればかりを身に付けようと練習していては自分の身体の内なる声を聞き取る事ができません。
ですから、結局、いつまでも「どう動けば良いのか?」が分からないんです。

ある程度のおおまかな地図がわかったら、後は心や頭を静かにさせて、自分の身体のフィーリングや違和感を感じ取ってみてください。
そんな練習を繰り返しているとだんだん、自分の身体の感覚がとても良くわかるようになります。

そうすれば、「どんな風に動けば、心地よく、素早く、それでいて、精度高く動けるか」がわかってきます。
頼りになるのは自分の「内なる声」です。

それ以外にテクニックを上達させる方法はありません。

本日のお話は以上です。
いつも長文およみいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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