テニスのイップス

テニスのイップスの症状

イップスは様々なスポーツで見られますが、テニスもイップスで悩むプレーヤーが多いスポーツです。
テニスにはフォアハンドストローク、バックハンドストローク、サーブ、フォアボレー、バックボレー、スマッシュの7つのショットがあります。
7つのショットのそれぞれでイップスになる方はおられますが、中でも特に多いのはフォアハンドストロークとサーブです。
また、球出しのイップスで悩む方も多いです。
逆にバックハンドストロークのイップスで悩む方は比較的少ないです。
テニスのイップスも他のスポーツ同様、自分の腕や身体がどう動いているのかがわからなくなり、ボールがとんでもない方向に飛んだり身体が固まって動かなくなります。

テニスのイップスの原因

先ほどもお話ししましたが、テニスのイップスで圧倒的に多いショットはフォアハンドストロークとサーブです。
逆にバックハンドストロークやバックボレー、スマッシュはイップスで悩むプレーヤーが比較的少ないショットです。
不思議な事に同じテニスでありながら、イップスの発症率は全く違います。

では、なぜ、フォアハンドストロークとサーブでイップスに陥ってしまうプレーヤーが多いのか?
これにはいくつかの理由が考えられます。
・練習量が多い
・情報量が多い
・使用頻度が多い
私が考える理由はこの3つです。
次の項で、私が「この3つがイップスを引き起こす原因になっている」と推察する理由をそれぞれまとめてみたいと思います。

練習量が多い

フォアハンドストロークとサーブはテニスの中でも最も良く練習するショットです。
良く練習するショットと言う事はそれだけ、自分にとって必要性の高いショットとも言えます。
また、それだけに「上手くなりたい」と言う気持ちが大きいショットでもあります。
ただ、「上手くなりたい」と言う気持ちは往々にして強いこだわりになる可能性があります。
その為に実際の練習では、頭で考え、いろいろ試行錯誤をします。
そして、頭で身体をコントロールしようとします。
その結果、本来身体をコントロールする役割をもっている潜在意識(身体や感覚)ではなく、顕在意識(頭や意識)で正しいフォームや理想のフォームを身につけようとします。
この過程がイップスに陥りやすい状態を作ります。

情報量が多い

先ほどもお話ししたようにフォアハンドストロークとサーブは必要性の高いショットなので、「上達したい」と言う思いが強くなりやすいショットです。
その為に、フォアハンドストロークとサーブに関する情報が自然と頭に入ってきます。
例えば、グリップやラケットの面の使い方や手首、肘、肩、股関節などの身体の動かし方など、とても細かい情報をキャッチします。
そして、これらが知識となって、頭の中に蓄積されます。
頭の中に数多くの細かい知識は、当然、練習する時に活用しようとします。
そして、その知識通りのテクニックを身につけようとします。
ですが、頭の知識が多ければ多いほど、頭で身体をコントロールしようとするので、イップスになる可能性は高まります。
キャッチした情報が「正しいか?」それとも「正しくないか?」は関係がありません。
正しい情報の積み重ねであったとしても、あくまでも、情報であり、感覚を通しての経験ではありません。
その為に、イップスに陥る原因になるのです。

使用頻度が多い

これは「練習量が多い」とも関係しますが、テニスの試合ではサーブとフォアハンドストロークは最も使用頻度が多いショットです。
その為にどうしても「上達したい」と言う思いが強くなるショットです。
また、それと同時にプレッシャーがかかるショットでもあります。
プレッシャーはボールへの集中力を低下させる最も大きい要素です。
誰もがプレッシャーがかかると「結果」に意識が向きやすくなります。
ボールへの集中力が低下し、結果に意識が向くと感覚にはズレが生じ、「ここ一番の大事な時」にとんでもないミスをします。
これがトラウマになり、イップスに陥るきっかけになる事が少なくありません。
もちろん、使用頻度が少ないショットであってもプレッシャーを感じる事に違いはありません。
ただ、プレッシャーを感じた後に起こる事が現象が全く違います。
使用頻度が低いショットの場合は自分自身にもそれほど、こだわりがない場合が多く、大きなトラウマになる事が案外少ない傾向があります。
表現はあまりよくありませんが、自分自身でもミスする事をある程度認めているので、「それほど大きなダメージにならない」
こんな心理が働いているように思います。

フォアハンドストロークのイップス

フォアハンドストロークはバックハンドストロークに比べ、腕や手首の動きに融通が利きます。
これは身体の前面の比較的力が入りやすい筋肉を使うからです。
ですが、その判明、どうしても頭でスイング操作やラケット操作をしがちです。
これがイップスになりやすい状態を作ります。
本来は腕やラケットなどの末端でスイングするのではなく、身体の中心で作られたエネルギーを末端に伝える自然なスイングをする必要があります。
ところが、フォアハンドストロークはどうしても、腕力がそれを邪魔しがちです。
また、腕力がある事で頭で無理やりボールをコントロールできてしまいます。
それがイップスの原因にも繋がります。

フォアハンドストロークのイップスの症状

フォアハンドストロークのイップスにはいくつかの多い症状があります。
1.インパクトの直前、直後にラケット面が大きく動いてしまいボールがどこに飛んで行くか、わからない。
2.ボールをを打とうとすると腕がどう動いているか、わからなくなり、ボールがどこに飛んで行くか分からない
3.フォアハンドを打とうとするとグリップに力が入らない

大きく分けると大体上記の三つのケースが非常に多いです。
一概には言えませんが、1から3にかけて症状が酷くなっているケースが非常に多いです。

つまり、最初はインパクトの直前直後ででラケットの面が急激に変わり、ボールが乱れ始めます。
そのうちに、今度は自分のイメージしている通りに腕が動かなくなり始め、そして、次は「腕がどのように動いているのか?」も分からなくなります。
それでも、何とか、無理に練習をし、ボールは何とか、コントロールできるようになっても、今度は腕やグリップに力が入らない感覚になる事があります。

ちなみにこの「腕に力が入らない」状態のイップスは一番、厄介です。
バックハンドやサービスを打とうとしても特に何も違和感を感じないのに、「フォアハンドを打とう」とグリップを握った途端に腕やグリップに力が入らなくなります。
酷い場合には実際にラケットを握らなくても、頭の中でフォアハンドをイメージするだけで腕や身体に力が入らないケースもあります。

フォアハンドストロークのイップスの原因

フォアハンドストロークのイップスになる原因で非常に多いケースはボールの距離感と正しいスイングとが乖離する場合です。
中でも多いのがショートラリーやショートボールを練習する事がきっかけになるケースです。
基本的に理想的なスイングをするとプレーヤーは力を入れてスイングしていないのにボールには大きなエネルギーが伝わるので、ボールは良く飛んで行きます。
ところが、ボールの距離は短くしようとします。
この時に無理にボールを飛ばないように操作をすると正しいスイングとボールとの距離感が乖離していきます。
これが私の経験上、最も多いケースです。

次に多いのがボールが高く飛んで行くのを無理にボールを低く打とうとするケースです。
最初はラケット面を操作する事で無理にボールをコントロールしているだけですが、段々、自分でもスイング中のラケット面が分からなくなります。
そして、深刻な状態に陥るケースです。

また、比較的、上級者に多いのが「もっと良いスイング」を追い求めて、イップスになるケースです。
この場合は、自分のスイングを頭で分析し、より良いスイングを身につける為に、頭で身体の動きを意識しながら練習する事でイップスに陥ってしまいます。
場合によっては、スイングの癖を矯正しようとした結果、イップスに陥る事もあります。

サーブのイップス

フォアハンドストロークと並んでイップスに陥りやすいのはサーブです。
実は私もサーブのイップスに陥りました。
その時はまさか、自分がイップスになるなんて想像もしていませんでしたので本当に驚きました。
突然、自分の身体が全く言う事を聞いてくれなくなるあの感覚は本当に恐怖です。
実際に体験した事がなければ、あの恐ろしさは分からないと思います。
ただ、幸い、私はイップスの症状が出た後にすぐにイップスの為の対処をしたので、深刻な症状に進行する事はなく、今は全く完治していますし、イップスの症状が出る事はありません。

サーブはフォアハンドストロークと同様、使用頻度が高く、また、重要性の高いショットなので、イップスに陥る方はとても多いです。
また、サーブは試合では必ず、必要になるショットなので、一度サーブでイップスに陥ってしまうと、とても厄介です。
試合が出来なくなるケースも少なくありません。
その為に、最悪の場合、テニスを止めてしまう方もおられます。

サーブのイップスの症状

サーブのイップスで最も多いのはスイング中の腕の動きのタイミングがボールに合わず、ボールがとんでもない所に飛んで行くケースです。
スイング自体に大きな問題はないのですが、特に腕の回内運動のタイミングがボールに合わない為に、ボールがどこに飛んで行くか、分からなくなります。
相手コートのフェンスまで飛んで行ったり、逆に自分のコートにワンバウンドしたりします。
私の場合もこのケースでした。
また、このケースととてもよく似たケースにスイングの力の加減が全くできなくなるケースがあります。
緩いボールを打とうとしているのに、とんでもなく、大きく飛んで行ったり、逆にしっかりと打とうとしているのに、「力が伝わらず、死んだボールになったりします。

それ以外ではスイングの動きに問題が現れるケースがあります。
腕がスムーズに動かずに、途中で止まったり、また、ロボットのようなギクシャクした動きになったりします。
いずれにしても、身体が自分のイメージに反して、勝手に動く(止まる)ので、とても厄介です。

サーブのイップスの原因

サーブのイップスの原因には大きく二つあります。
一つはスイングとボールのコントロールの感覚にギャップが生まれたケースです。
そして、もう一つはスイングのイメージとスイング自体にギャップが生まれるケースです。

前者はボールをコントロールする感覚を練習する事なく、理想のスイングを練習する事でイップスに陥るケースです。
例えば、エネルギー効率の良い、理想のスイングを意識して練習するとします。
そうすると、ボールは勢いよく飛んで行くのが自然な状態です。
そして、サービスエリアにコントロールする事が難しくなります。
にも関わらず、ボールだけを無理にコントロールしようとするとスイングとボールコントロールにギャップが生まれます。

本来ボールのスピードや勢い、距離をコントロールする為には、スイングのエネルギーの大きさも変える必要があります。
ところが、理想のスイングだけを練習するとボールへ与えるエネルギーを変える事ができなくなります。
にも関わらず、ボールを無理にコントロールしようとするわけですから、ここに大きなギャップが生まれます。
これがイップスを引き起こします。

後者は自分の身体の動きを感じる事無く、頭で無理に身体をコントロールしようと練習した場合に起こりやすいイップスです。
私達の身体は本来、顕在意識ではなく、潜在意識によってコントロールされるべきものです。
つまり、頭でいくら無理に命令しても、身体はその通りに動かす事はできません。
逆に無理に命令すれば、するほど、身体の動きと頭の中のイメージにギャップが生まれます。
これがイップスを引き起こします。
身体の動きをイメージ通りに動かすにはまずは、命令するのではなく、「感じる」事が必要です。
理想の動きを「発信」するのではなく「今、どのように動いているか?」を「受信」するわけです。
自分の身体を感じる感覚が磨かれるとやがて、頭の中で描くイメージと実際の動きが一致するようになります。
この方法を使えば、イップスになる事無く身体の動きをレベルアップさせる事ができます。

トスのイップス

サーブを打つ為には、自分でトスを上げて打つ事が必要ですが、実はトスのイップスで悩んでいる方も非常に多いです。
サーブの精度や威力はトス次第で大きく変わります。
トスが良ければ、サーブは威力のあるボールを安定して打つ事ができますが、逆にスイング自体が良くてもトスが悪ければ、サーブは不安定になります。
その為に、トスを正確に安定してコントロールする事はとても大切な事です。

ですが、それだけに、トスのイップスに陥る方が多いのです。
トスを安定してコントロールするには左の手のひらや指先の微妙な感覚が必要になります。
また、左腕だけではなく、サーブを打つ為の全身の運動と左腕の運動が連動する必要があります。
この感覚を身につける過程でトスのイップスに陥るのです。

トスのイップスの症状

トスのイップスで最も多い症状は左手の指さきの感覚を失うケースです。
左手の指にボールが引っかかり、上手く、手から離れてくれない症状に陥ります。

それ以外では、左腕の動き自体に問題が起こるケースがあります。
例えば、肘が急に曲がって動いたり、逆に腕が固まって、動かなくなったりします。
いずれにしても、打ちやすい場所にボールを上げようと意識すれば、するほど、ボールをとんでもない所に投げてしまいます。

トスのイップスの原因

トスのイップスは無理に打ちやすい場所にボールを上げようとして、左腕、または左掌や指を意識して練習するとなりやすくなります。
打ちやすいトスを上げる為には場所だけではなく、トスの高さが重要になります。
その為には腕や指先などの非常に微妙な感覚が必要になります。
ところが、焦って、「正しいトスの上げ方」を意識して練習すると微妙な感覚を身につける事ができずに、脳内の左腕、掌、指のイメージと実際の動きが乖離し始めます。
その結果、トスを上げるほうの腕の動きが全く分からなくなります。

また、試合中にトスを何度も上げなおす事は、ペアや相手選手を待たせる事になり、とても大きなプレッシャーになります。
そのプレッシャーが余計に強いマイナスイメージを植え付け、それがトスのイップスに陥るきっかけになる事も非常に多いです。

フォアボレーのイップス

サーブやフォアハンドストロークと比べると比較的少ないと思われているボレーのイップスですが、実はフォアボレーでイップスになっている方は案外多いです。
一番の理由はフォアボレーは腕力でラケット操作ができてしまう事です。
これはフォアボレーだけではなく、サーブやフォアハンドストロークにも共通ですが、身体の前面の筋肉を使うので、自然な運動連鎖を使わなくても、無理やりラケットを操作する事が出来てしまいます。
その為に、正しい感覚で身体を使わず、頭で無理やりボールをコントロールしようとする事からイップスに陥りやすくなります。
逆にバックボレーの場合は腕力や筋力に頼る事ができないので、イップスに陥る確率は非常に低いです。
この事からも、イップスは単に精神的な事が原因ではなく、技術的な要因が大きく影響している事が分かります。

フォアボレーのイップスの症状

フォアボレーのイップスで最も多い症状はインパクトの直前、直後でラケット面が大きく動き、ボールを捕らえる事ができずにボールがどこに飛んで行くか、分からなくなる物です。
酷いケースでは真上にボールが飛んでいく事や逆に自分のコートにボールが飛んでいく事もあります。
ラケット面の動きとしてはボールを叩くように被さるケースもありますし、逆にラケット面が上に向いてボールの下を潜り抜けてしまうようなインパクトになる事もあります。
いずれにしても、手首の動きが非常に大きくなるのが特徴です。

フォアボレーのイップスの原因

先ほどもお話ししたようにフォアボレーのイップスでは手首が非常に大きく動くのが一番の特徴です。
これはボールをコントロールしようとして、無理にラケット面を操作した事が一番の原因です。
ボレーの技術が未熟な場合、ボールが飛びすぎて、アウトをしてしまう場合がとても多いですが、この原因はラケット面の向きだけではなく、打点や力の加減など複合的な物です。
その為に、ボレーのコントロールを身につけるには、まず、インパクトでボールを捕まえる感覚を身につける必要があります。
ボールを捕まえる事が出来なければ、どんなラケット操作をしてもボールはイメージしたところに飛ばす事ができません。
ところが、この感覚を身につける前に、頭で無理にラケット面を操作する事を繰り返すとやがて手首の動きと脳のイメージが乖離し始めます。
そうすると、自分の手首がどのように動いているのかが分からなくなって、手首が勝手に動いてしまうようになります。
これがフォアボレーでイップスに陥る時の一番大きな原因です。

球出しのイップス

実は球出しのイップスで悩まれている方も多いです。
相手に安定して同じボールを送る必要がある球出しは実は簡単ではありません。
それなりに練習が必要です。
テニスコーチになる為には球出しのテストがあるほどです。
球出しのイップスに陥る多いケースは、例えばサークルなどで球出しの練習をした事がない方がいきなり球出しをしようとすると上手くボールがコントロールできずにパニックになります。
そして、無理にボールをコントロールしようとしているうちにイップスが発症するケースが非常に多いです。

球出しのイップスの症状

球出しのイップスになると他のイップスと同じようにボールをコントロールする感覚を突然失います。
やはり多いのは手首がかえったり、逆に開いたり、とにかく、自分の意思に反して、勝手に動いてしまうケースです。
また、腕に力が入らないようになるケースもあります。
もちろん、ボールは自分の思った所に打つ事ができずに、とんでもない所に飛んでいく事になります。

球出しのイップスの原因

イップスは脳内のイメージと筋肉活動にギャップが生まれている状態です。
本来、身体はイメージと感覚が結びついて動くものです。
ところが、無理に頭で身体をコントロールしようとするとイメージと筋肉活動が乖離し始めます。
それがイップスに陥る直接的な原因です。
これは球出しイップスにも同じ事が言えます。
ただ、球出しイップスの場合は他のイップスとは少し違う原因もあります。
それは、球出しが上手くできないと「相手に悪い」または「ミスすると恥ずかしい」のような心理的なプレッシャーです。
これが間接的原因となっているケースが非常に多いです。
自分自身で「ミスをしてはいけない」と言うプレッシャーをかけてしまうわけです。
その結果、感覚ではなく、頭で無理にボールをコントロールしようとします。
この状態を続けると手が急に勝手に動いてしまう状態に陥ります。
これが球出しイップスの原因です。

テニスのイップスの治し方

テニスのイップスを治す為に、最も大切な事はボールへの集中力を上げる事です。
イップスに陥る直接的な原因は脳内のイメージと筋肉活動の乖離ですが、それが起こってしまう理由は頭で身体を動かそうとする思考によるものです。
本来、身体は頭で命令して動かすものではありません。
対象に集中する事で、イメージが湧き、感覚を使い、自動的に動いてくれるのです。
その為に、トップ選手ほど、自分がどのように動いているのかを意識していません。
身体に任せているのです。
このような状態になる為に、最も大切な事はボールへ集中する事です。
人の意識は基本的に一つの事にしか、集中する事ができません。
その為に、ボールに集中すると、他の事を意識したり、考えたりする事ができなくなります。
実はこの状態でプレーする事がイップスを治すには絶対条件です。
一般的にはイップスは精神的な事が原因だと思われていますが、そうではありません。
もちろん、精神的な事が関係はしています。
ですが、根本的な原因ではないので、治す事は非常に難しいです。
イップスを治すには「ボールに集中し、脳内のイメージと筋肉活動の乖離を埋める事」
これが必要です。

フォアハンドのイップスの治し方

テニスのイップスで最も多いのがフォアハンドイップスです。
フォアハンドがイップスに陥りやすい原因はフォアハンドは身体の前面の筋肉を使う為に、腕や手首などの動きに融通が利きやすく、頭で身体に命令しやすいからです。
その為に、理想のフォームや正しいフォームを意識して、身体をコントロールしようとします。
ところが、ボールをコントロールする為には感覚(打球感の強さや回転に必要は触覚など)が必要です。
この感覚とフォームがバラバラになる為に、イップスが起こります。
つまり、フォアハンドイップスを治すにはこの二つを繋いでやる必要があるのです。
その為に、最も効果的な方法はボールの打球感を感じる事です。
振り方や打ち方には意識を向けず、ただ、ボールに集中し、ボールをヒットします。
この時にラケットを通して伝わる打球感を注意深く、感じるようにします。
強さは?
振動は?
音は?
このような物を、ただ、感じます。

食事をしている時にお料理の味を味わう感覚に似ているかもしれません。
人の意識は基本的に一つの事にしか向ける事ができません。
その為にフォームや打ち方は一切忘れる事が大切です。
ある意味、適当にボールを打ちます。
ただ、その代わりに、ボールをヒットした瞬間にラケットとボールとの間で起こっている事をしっかりと感じ取ります。
これを続けているとだんだん、感覚でボールをコントロールできるようになります。
感覚でボールがコントロールできるとフォームや打ち方が気にならなくなり、イップスは自然と出なくなります。

フォアハンドのイップスにおすすめの練習

フォアハンドイップスを治す為のおすすめの練習はボールをヒットした時のインパクトの感触を味わう練習です。
フォアハンドイップスでは、ショートボールやショートラリーなどの緩いショットを打つ時に陥るケースが非常に多いですが、
このような場合には特にこの練習方法がおすすめです。

まずは目安となる的を複数置きます。
コートを5等分した位置にそれぞれ一つ、合計5つ置くと良いでしょう。
ただし、この的はあくまでも、打った時の感触と飛んでいくボールの距離を照らし合わせる為の的です。
狙ってボールをコントロールする為の物ではない事をしっかりと理解していください。

次に簡単なボールをヒットします。
最初は補助の人に手出しでボールを出してもらうのが良いでしょう。
あなたはそのボールに集中し、ヒットします。
この時、どこかの的を狙う必要はありません。
ただ、ボールを打ちます。
そうして、インパクト時の打球感を味わいます。

特に打った時の衝撃の強さには最新の注意を払ってください。
そして、飛んでいくボールを良く観察します。
これを繰り返します。
そうして、しばらく繰り返していると、打球感の強さと飛んでいくボールの距離が繋がり始めます。
「なるほど、インパクトでこんな感触の時、ボールはこれぐらい飛ぶのか」
と言う事が分かり始めるわけです。
これが分かり始めると、特に狙わなくても、同じ打球感の時に、いつも同じところにボールが飛び始めます。
この感覚が掴めたら次に進みます。

次は一つ手前の的を使います。
先ほどの強さに比べてどれぐらいの強さで当たれば、一つ手前の的に当たるかをイメージします。
そして、ボールを打ちます。
また、同様にボールの打球感を味わいます。
この時に、的を狙わないように注意します。
大切な事は「ボールをコントロールしよう」と意識しない事です。
この意識があると、イップスの症状が出て来るはずです。

ボールをコントロールする意識を忘れて、ただ、スパッと振りぬきます。
そして、打球感を味わいます。
最初と同様、インパクト時の強さを味わい、飛んでいくボールの距離を観察します。
これを繰り返してください。
しばらくすると、やはり同様に飛んでいくボールの距離が分かってくるはずです。

後はこれと同じように、的を変えながら、練習を繰り返していきます。
こうする事で、フォームや打ち方ではなく、感覚でボールをコントロールする事ができるようになります。
感覚でボールをコントロールするコツが掴めるとイップスは自然と出なくなります。

サーブのイップスの治し方

実は私もサーブのイップスを体験しています。
私の場合は生徒さんの練習になるように遅いサーブを打とうとすると、突然、ボールがとんでもない方向に飛んでいくようになってしまったのです。
自分の身体が、自分の意思に関わらず、勝手に動いてしまうその時の恐怖は今でもはっきりと覚えています。
ですから、イップスに陥ってしまった方の辛い気持ちはよく分かるのです。

さて、話を元に戻しますが、サーブのイップスの治し方についてです。
まず、最も大切な事は他のショットと同様、動きではなく、感覚でボールをコントロールする事です。
その為の絶対条件がボールに集中する事です。

私の場合もそうでしたが、イップスを発症する時は結果ばかりに意識が向いて、ボールには全く集中できていないのです。
さらに不味いのは頭で身体を使おうとするので、身体を不自然に使ってしまう事です。
私の場合は、スイングが速くならないように無理にゆっくりと腕を振るように意識してサーブを打っていた事です。

こういう経験を繰り返してしまうと、脳内のイメージと筋肉活動が段々乖離していきます。
すると、ある瞬間から、身体が自分の意思とは違う動きをし始めてしまうのです。
これがイップスです。

では、具体的にどうすればイップスを治す事ができるか?
最も大切な事はボールへの集中力を高める練習を繰り返す事です。
フォームや振り方、そして、ボールのコントロールなどの結果を気にしないで、ただ、ボールだけに集中する練習をします。

もちろん、最初は不自然な動きや違和感を感じます。
ですが、ボールへの集中力が高まって来ると、色々な事が気にならなくなってきます。
そうすると脳内のイメージと筋肉活動とが一致するようになってきます。

その為のポイントはとにかく、頭で身体を動かそうとしない事です。
どんな不自然な動きになっても、気にしないで、ただ、その動きを見守ります。
そうすると段々、動きが自然で滑らかな物に徐々にですが変わっていきます。
とにかく、焦らない事です。
焦るとどうしても、頭が身体に命令し、身体は緊張し、動きが硬くなります。
そして、イメージとの乖離も改善されません。

焦り始めたら、深い深呼吸を何度も繰り返し、落ち着いた状態になったら、トスのボールのケバケバや回転が観えるまで、しっかりと注視します。
そしてこの状態でボールをヒットします。
ボールへの集中力が下がると、ケバケバや回転が観えずに黄色い物体をヒットしてしまいます。
これでは、イップスを改善する事は難しく、また、逆にイップスの記憶を蓄積してしまいます。
焦らず、ボールに集中する練習を繰り返してください。

サーブのイップスにおすすめの練習

やはり、基本的にはボールをコントロールする為に必要な感覚を練習するのが最も効果的です。
ただ、いきなりボールをコントロールしようとすると余計にイップスの症状は酷くなると思います。
そこで、まず、一番最初にする事はボールのコントロールを全く気にする事なく、自由にボールを飛ばす事です。
ボールはどこに飛んでいくかは分からないが「腕や手首はスムーズに動いた」
こんな状態でボールをヒットする事が第一段階です。
その為には、大きく二つのポイントがあります。
まず、一つ目はボールをコントロールしようとしない事
そして、もう一つは身体の動きではなく、ボールに集中する事。

この二つがとても大切です。
特に二つ目のボールへの集中力を上げる事ができないと腕や手首の動きがスムーズになる事はありません。
そもそも、イップスに陥った原因はフォームや打ち方ばかりを練習した事です。
つまり、「身体の動かし方を意識する=イップス」
このような仕組みができています。
ですから、身体の動きは全く忘れる事がとても大切です。
とは言う物の、身体を動かす時に動かし方を意識しないと言う事は簡単ではありません。
そこで、自分の意識をボールだけに集めるようにします。

そうする事で、身体は頭で命令される事なく、本来のメカニズムに従って動き出します。
ボールへの集中力が高まれば、高まるほど、腕や手首は自然に動くようになります。
まずは、この状態になる事が大切です。
この状態が継続して出来るようになったら、次の段階で、インパクトの瞬間のボールの感触を味わう練習に移ります。
この練習で最も大切な事は、ボールを感じる事です。
自分がボールをコントロールしようとするのではなく、ただ打ちます。
そして、その時の感触を味わいます。
ただ、これを繰り返します。
そうするとだんだんどんな感触の時に、どこにどんなボールが飛んでいくのかが分かり始めます。
ここで、焦るとイップスの症状に逆戻りします。
とにかく、焦らず、ただ、ボールの感触を味わいます。
ここが、一番のキモです。

トスのイップスの治し方

サーブのイップスと共に多いのがトスのイップスです。
トスがイップスになってしまう原因のほとんどが安定したトスをあげようとしてトスの上げ方、左手の使い方を意識して練習した事です。
ある時、左手が自分の意思に反し、勝手に動いて、コントロールできなくなります。
もちろん、ボールもどこに飛んでいくか、分からず、安定したトスを上げるどころではなくなります。
トスのイップスを治す為に最も大切なポイントはまず、左手でボールを投げてコントロールする感覚を身につける事です。
この感覚を身につける事無く、いきなり安定したトスを上げようと頑張りすぎるとイップスに陥る可能性が高くなります。
特に女性の場合は幼少期の頃にボールに親しむ経験がない場合が少なくありません。
その場合は左手でボールをコントロールする事は決して簡単な事ではありません。
にも関わらず、いきなり正しいトスの上げ方などを練習すると身体とイメージは乖離していくわけです。
ちなみにトスのイップスは非常に治りにくいイップスの一つです。
さて、ではどのようにしてトスのイップスを治すかについてですが、「トス」と言う言葉にはイップスのイメージが結びついているので、「トス」と言う言葉ではない言葉で左手でボールを上手くコントロールできる別回路を作っていきます。
この回路が上手く出来たら、結果的にトスは自然に上手く上がるようになります。

トスのイップスにおすすめの練習

トスのイップスを治す一番効果的な練習はまずは左手でボールをコントロールする感覚を磨く事です。
トスのイップスに陥ってしまう方のほとんどがそもそも左手でボールを扱う事になれていなかった人です。
その為に、まずは左手でボールをコントロールよく扱えるように練習する事が必要です。
それには、一点集中法によるトレーニングがとても効果的です。
私達の意識は一つの事にしか向ける事ができません。
その為に、身体を動かす事を意識すると身体を感じる事ができますが、身体以外の物に意識を向けると身体は感じる事ができません。
この特性を活かして、ボールをコントロールする目標地点に意識を集めます。
すると身体の動きが気にならず、自然な身体の使い方ができます。
そして、この時、身体は自動的にボールをコントロールしてくれます。
この状態に入る事がイップスを治すにはとても効果的なのです。
この一点集中法を使い、左手でボールをコントロールする感覚を身につける、これがトスのイップスを治すには最も効果的な練習方法です。

【参考】
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