今日のテーマは「捜索と観察」です。
さて、この二つは一体何が違うのでしょう?
意識状態で考えてみましょう。
捜索は現在?過去?未来?
どれに当たりますか?
また、
観察は現在?過去?未来?
どれに当たりますか?
答えは捜索は未来です。
それに対して観察は現在です。
捜索を使った例文を考えてみてください。
「財布を捜す」
「コンビニを捜す」
「〇〇さんを捜す」
これって捜す対象が明確ですよね。
そして、その対象が未来見つかる事が前提になっています。
逆に言えば、その対象以外は気にしていません。
例えば、財布を捜している時は財布以外には目もくれません。
コンビニを捜している時はコンビニ以外には目もくれません。
これは意識が未来に向いているからです。
では、それに対して観察はどうでしょう?
観察には捜索のような明確な対象がありません。
いつ、どんな事が起こるか、分からないのです。
つまり、未来を全く予想しない状態が観察と言えるわけです。
そして、未来を予想しないので意識は現在にとどまれるのです。
では、テニスをしている時はどうでしょう?
何か正しい答えを捜してはいませんか?
「どうすれば上手く打てるんだろう??」
「どこに打てば、良いんだろう?」
「どこを守れば、良いんだろう?」
こんな状態は捜索しているのがお分かりになるでしょうか?
観察ではありませんね。
つまり、意識状態は未来に飛んでいます。
その為に、目の前で起こっている事に気づけないのです。
前回、「記憶と気付き」についてお話しました。
テニスは記憶ではなく、気づきが大切です。
ですが、捜索していると気づきは生まれません。
気づきは観察して初めて生まれる物です。
何故なら、気づく為には意識を「今」に留めておく必要があるからです。
今に集中する事で、今まで気づく事が出来なかった事に気付く事ができます。
そして、その気づきがもう一段階上のレベルに引き上げてくれます。
テニスが伸び悩んでいる方はいつも何かを探しています。
「良い打ち方」
「言いグリップ」
「良いボール」
「良い配球」
「良い展開」
・・・・・
言い出せばきりがありません。
ただ、いずれにしても何かを捜していると意識は未来に飛び、必要な情報をキャッチする事ができません。
その為に、テニスが止まってしまうのです。
同じ話の繰り返しになりますが、テニスが上達するには新しい「気づき」が必要です。
「あ!なるほど!こうすれば良いんだ!」
こんな気づきは記憶からは生まれません。
また、同様にして、捜索からも生まれないのです。
気づきは観察から生まれる物です。
今に集中するからこそ、気づけるのです。
気づきのテニスには「捜索」ではなく「観察」が必要です。
次回の練習では、ぜひ、「捜索」は止めて「観察」してみてください。
一つでも二つでも新しい何か気づく事ができれば、それは確実にあなたのテニスをレベルアップしてくれますよ。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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