テニスのフォームは胸椎と肩甲骨の使い方で決まる

テクニック解説
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今日は「上半身の使い方」についてお話しします。

実はテニスの全てのショットにおいて、基本的な上半身の使い方は同じです。

ストローク、サーブ、ボレー、スマッシュ。
これらは全て、同じ使い方をします。

もちろん「同じ振り方をする」と言う意味ではありません。
打点も打つ方向も違いますから、フォームや打ち方は同じではありません。

ですが、體の使い方には法則性があり「その法則は全てのショットに成り立つ」と言う意味です。

そして、その法則に従って、動くとレベルの高い技術を身に付ける事が出来ると言うわけです。

では、それはどんな法則か?

ポイントは二つあります。

1.胸椎の動きで腕の動きの方向が決まる
2.脇(肩甲骨)の使い方でラケットの扱いが決まる

この二つです。

では、詳細を少しご説明します。

1.胸椎の動きで腕の動きの方向が決まる

本来、腕の動きは胸椎の動きと連動しています。
胸椎を胸の向いている方向に出せば、胸が開き、腕は背中側に動きます。
逆に、胸椎を背中の向いている方向に出せば、胸が閉じて、腕は胸側に動きます。

つまり、フォアハンド(ボレー、ストローク)、サーブ、スマッシュの場合は胸椎を背中側に出す。
そして、バックハンド(ボレー、ストローク)の場合は胸椎を胸側に出す。

こうする事で、腕は自然と打球方向に動きます。
この胸椎と連動した腕の動きは、骨の繋がりが良く、筋肉を最小限しか使いません。
その為に、リラックスしているにも関わらず、強くて再現性が高いです。
つまり「力を入れずに、威力のあるボールが安定して打てる」と言う事です。

2.脇(肩甲骨)の使い方でラケットの扱いが決まる

「脇を締める」「脇が開く」
一度はこんな言葉を聞いた事があると思います。
脇の使い方はテニスでは非常に重要です。

ですが、脇の使い方を勘違いしている方が非常に多いです。

「脇を締める」「脇が開く」とは脇のあたりの空間を指しているのではありません。
本来の脇の使い方は肩甲骨との関係を指しています。

肩の高さで手のひらを空に向けると肩甲骨が締まりながら立つ、いわゆる「立甲」に近い状態になります。
この状態を「脇を締まる」と言います。
逆に手のひらが下を向くと、肩甲骨が開きます。
この状態を「脇が開く」と言います。

ですから、脇の部分の空間がたくさん広がっていても、肩甲骨が手のひらが空を向いている状態になっていれば、それは脇が締まっているのです。
逆に體の側面に腕がくっついて、空間が全くない状態でも、肩甲骨が開いていれば、それは「脇が開いている」と言う状態になります。

実はこの脇の状態でラケットの扱いが変わります。
フォアハンドの場合、脇が開くと、ラケット面が地面を向きます。
逆に脇を締めるとラケット面が地面と垂直に近づきます。

バックハンドの場合はこの逆です。
脇が開くとラケット面が空に向き、脇が締まるとラケット面が地面と垂直に近づきます。

さて、この二つの法則に従い、ショットをするとどうなるか?

例えば、フォアハンドストロークでは。

まず、テークバックで脇を開きます。
この時、胸椎は背中側に位置します。
少し、背中が丸まった状態です。

次に、胸椎を胸側に動かします。
こうする事で、胸が広がり、脇が締まります。
この時、下を向いていたラケット面は立って、地面と垂直に近づくので、ボールを捕らえる事ができます。

次の瞬間、胸椎は背中側に移動し、胸が締まる動きによって、腕は打球方向に自然と振られる事になります。

これがフォアハンドストロークのスイングのメカニズムです。

これと同じように、他のショットにも胸椎と脇(肩甲骨)の法則に従ったメカニズムが存在します。

それぞれのショットは打点や打球方向が違います。
その為に、見た目の動きは全く違う物です。

ですが、骨格の使い方は皆、同じです。
この法則に従わない動きはエネルギーが小さく、再現性を失います。
その為に「レベルの高い技術にはなり得ない」と言う事です。

この法則はレベルアップには欠かせない法則なので、ぜひ、覚えておいて欲しいと思います。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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