今日のテーマは「阿吽の呼吸」
ダブルスはやりようによっては「1+1=2」ではなく、それ以上にする事が出来ます。
それがダブルスの楽しみであり醍醐味とも言えます。
ただ、逆に「1+1=0.1」になる事もあります。
お互いが噛み合わず良いところが全く活かせない状態ですね。
では、なぜ、「0.1」になってしまうのか?
また、どうすれば、「2以上」にする事が出来るか?
いくつかの要素がありますが中でも特に大きいのが「イメージの共有」です。
簡単に言えば、頭に「どんなイメージが湧いているのか?」という事です。
攻める時であれ、守る時であれプレーヤーには必ず何らかのイメージが湧いています。このイメージに基づき、プレーヤーはプレーします。
つまり「阿吽の呼吸」でプレーできるペアは「このイメージが同じ」という事です。
それぞれの頭の中で同じような事をイメージしているのでお互いにズレがなくプレーできるわけですね。
ところが、プレーがチグハグになるペアはこのイメージがバラバラです。
その為に
「え!そこに打つの?」
「え!そこを守らないの?」
と言う事が頻繁に起こるのです。
では、なぜ、ペアのイメージが共有できないのか?
一般的には
「戦術を覚えていない」
「ポジショニングを覚えていない」
「配球や展開を覚えていない」
こんな風に考えられがちです。
ですが、本当は違います。
何故なら、その生徒さん達に聞いてみるとちゃんと、同じイメージを持っているからです。
つまり、プレーしていない時は同じイメージを持てるのに実際にプレーすると、同じイメージを共有できないわけです。
では、なぜ、頭では分かっているのに実際にプレーするとチグハグになるのか?
答えは状況の把握力の違いです。
簡単に言えば今、起こっている出来事がどれぐらい分かっているか?
この違いです。
A:ボールを打つ事に興味を持っているプレーヤー
B:相手の状況に興味を持っているプレーヤー
C:全体を把握する事に興味を持っているプレーヤー
みんなそれぞれ、一生懸命プレーしています。
ですが、それぞれが把握している情報は全く違います。
それぞれのプレーヤーのレベルも違いますしね。
そもそも把握している事が違えば対応の方法も変わるのは当然です。
この違いが配球、展開、ポジショニング・・・・
あらゆるところで現れます。
それがチグハグしたペアのプレーと言うわけです。
逆にある状況を同じレベルで把握しているとしましょう。
そうすれば、それに対応するアイデアは大きく変わる事はありません。
もちろん、個人の個性や好みがありますから二人が全く同じアイデアを沸かせることはないでしょう。
でも、それは許容範囲であり逆にそれが発想の豊かさに繋がります。
そして、意外性のあるプレーへと進化します。
ですから、閃くアイデア自体を同じにする必要はありません。
ですが、把握している状況が違うのは非常に不味いです。
お互いが「とてもプレーしにくい」ダブルスになります。
ダブルスが苦手なプレーヤーは往々にしてこの傾向が強いです。
もし、「阿吽の呼吸でダブルスを楽しみたい」と言う方は、まずは状況把握にもっと興味を持ってみてください。
ボールを打つ事に意識が囚われると状況を把握する事は出来なくなります。
逆に言えば、ボールを打つ事自体に意識を奪われないようにする必要があるという事です。
テクニックに主体を置いて練習しているとこの力は中々養われません。
少し極端な表現ですがボールは適当に打ってください。
そうする事で新しい経験をする事が出来ます。そして、それが、状況の把握力に繋がっていきます。
ぜひ、試してみてくださいね。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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