今日もテニスの客観性についてお話ししたいと思います。
レッスン中、ある生徒さんにストロークで1球ボールを打ってもらいます。
そのボールをみんなで観察します。
そして、その後、私が聞きます。
「今どんな事が起こっていましたか?」と。
するとみんなが思った事を答えてくれます。
「右に高く飛んでいって・・・」
「あまり速くないボールが・・・」
「回転があまりかかっていないボールが・・・」
「割とゆっくりのボールが・・・」
こんな感じです。
実はこれ「客観視」についてのドリルの一つなんです。
さて、ここであなたに質問。
上記にあげた感想は客観的に観た感想でしょうか?
それとも主観的に観た感想でしょうか?
実はこれ、全て主観的に観た感想なんですね。
例えば、「右に高く」は誰が右だと思ったんでしょう?
また、高いと思ったのは誰でしょう?
それはその観た本人が思った事です。
ボール自体には右も高くもありません。
ただ、その位置に飛んだだけです。
同様にして、「あまり速くない」と感じたのは誰?
客観的には速くも遅くもなく、ただ、その速度で飛んだだけです。
いかがでしょう?
「客観的に観る」と「主観的に観る」の違いが何となくわかっていただけるでしょうか?
実はほとんどの人がこのように主観的にボールを観ているんですね。
そして、この主観的な観方がセルフトークの原因にもなります。
だから、ラリー中にこのような事が頭に浮かんでしまうわけです。
「あ!右に飛んだ!」
「あ!速いボールが来た!」
「あ!真ん中を外れた!」
こんな感じ。
セルフトークは集中の世界に入れない一番大きな原因です。
セルフトークしないと自然とどんどん集中力は高まっていきます。
ちなみに先ほどのドリルを実践すると「客観的に観る」事と「主観的に観る」事の違いが分かるようになります。
そうするとどんな事が起こるか?
自然と「だまって」ボールを観るようになります。
すると集中力が高まります。
結果、ターゲット練習をすると驚くほど、ボールが安定します。
同じ位置にしかボールが飛ばなくなります。
不思議なほど、同じ位置に飛んでいきます。
その後ラリーをします。
当然、ミスが激減します。
当たり前ですよね。
ボールのコントロールが急激に良くなっているわけですから。
客観的にボールを観るコツを掴むとこんな効果がでてきます。
客観的な世界と主観的な世界は本当に驚くほどの違いが出てくるんです。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
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