さて、今日のテーマは「心と動き」です。
一般的にテニスの指導と言えば正しいフォームを覚える事が必要だと考えられています。
正しいフォーム
↓
反復練習
↓
記憶
↓
上達
こんな風に考えているわけですね。
でも、実はこれは勘違いです。
この考えには人にとって最も大切な事が抜け落ちています。
それは「心」です。
人には「心」が存在し、その「心」がその人の言動の源になっています。
心が動くから身体が動くんです。
考えれば、当たり前の事です。
ところが、先ほどの「正しいフォーム⇒上達」と言う考え方には全く「心」が含まれていません。
これでは、ロボットと同じです。
ロボットは膨大な量のデータを蓄積しそのデータによって、制御され、動きが生まれます。
つまり、簡単に言えば、記憶されたデータで動いているだけです。
逆に言えば、データにない動きは出来ません。
ところが、人間はそうではありません。
心の動きがそのまま身体の動きに直結します。
例えば。
とてもお腹が減っています。
テーブルを見ると大好きなお菓子が置いてあります。
その時、身体はどうなるか?
気が付くとお菓子を手に取り、食べています(笑)
この時、身体の動きなど全く意識しません。
ほぼ、自動的に動き、お菓子を口に運んでくれます。
ロボットではこんな事は起こりません。
予め入力されたデータ通りにしか動かないからです。
ところが、人間は違います。
心が動くと身体はそれに従って自動的に動いてくれます。
これが人間の身体のそもそもの仕組みです。
江戸時代の武術の教えにこんな言葉があります。
「身体は内なる気に応じて、動き 気は心の向かう所に応ずる」
「心の発動がそのまま技となり、形となる」
今のテニスとは真逆の考えです。
心の動き ⇒ 身体の動き ⇒ 技
こんな感じです。
ありがたい事に私はテニスレッスンを始めて35年を過ぎました。
私も最初はこの事に全く気付きませんでした。
でも、今は違います。
明らかに今のテニスの指導には問題があります。
人間はロボットではありません。
記憶で上達する事はありません。
むしろ弊害の方が大きいです。
記憶に頼ると言う事は蓄積されたデータでしか動けない
つまり、データ以外の事は出来ないという事になります。
まさにロボットと同じです。
人間はロボットではありません。
もっと素晴らしい能力を備えています。
その能力を磨く事が人間らしくテニスをすると言う事です。
その方が何倍も早く、上達し、何倍も楽しくプレーできます。
どうか、あなたはロボットにならないでください。
正しいフォームを覚える練習とはロボットになる事なのです。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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