今回は「進化と感情」についてお話します。
少し前にプライベートレッスンを受講していただいた方の感想をご紹介しました。
「なかなかネットに詰める事ができない」
「居心地が悪くネットから離れてしまう」
こんな悩みをお持ちだった方が2回のレッスンでネット前が好きになり、ネットから離れることなく、積極的にネットプレーができるようになったということでした。
この感想について、いくつかご質問をいただいたのでそれについてシェアしたいと思います。
まず、結論から言いますね。
「人が進化、成長するには感情レベルで変化する必要がある」という事です。
頭(理屈や思考)でいくら「変わろう」「上手くなろう」と思っても非常に難しいです。
昔から言いますよね。
「好きこそ物の上手なれ」と。
人間って非常に複雑に思いますが、分かってしまえば実はとてもシンプル。
そして、また、非常に正確です。
ですから、原理原則に則って進めば、同じ結果が出ます。
例えば下記を見てください。
「好き⇒積極的」
「嫌い⇒消極的」
「簡単(出来る)⇒好き」
「難しい(出来ない)⇒嫌い(好きでない)」
「楽しい⇒好き⇒出来る(身につく)」
「楽しくない⇒嫌い(好きでない)⇒なかなか出来ない」
これらは深層心理が関係し、ほぼ、自動的にこうなります。
これはテニスに限らずどんな事にでも言えることです。
ですから、テニスもこの図式に当てはめて練習する事が一番の早道です。
逆に言えば、この図式に当てはまらない事は効率の悪い努力を必要とすると言う事でもあります。
では、どうすればこの図式に当てはめる事ができるか?
オンコートの練習でどんな事を具体的にやれば良いのか?
ここに上達のヒントがあるわけです。
少し、話は広がってしまいますが、従来のテニスの指導ではなぜ、なかなか上達する事ができないか?
その理由は実はとても簡単です。
その理由とは頭(理屈や思考)でテニスを上達しようとするからです。
感情レベルではありません。
正しい打ち方や振り方、理想的な打点や面・・・・・
これらを学んで楽しくなりますか??
また、好きになるでしょうか??
一般的にはならないと思います。
「おお!なるほど!」とは思うでしょう。
頭の知的欲求を満たす事はできます。
ですが、「好き」「楽しい」という感情には程遠いです。
これが従来の方法の一番の問題点です。
指導者を含め、テニスのプレーヤーは「分かる=上達」ではないという事に気が付く必要があります。
でないとこれからもテニスはなかなか上達することはありません。
さて、それでは、どうすれば、人の原理原則に則って練習することができるか?
例えば、私は指導している時、プレーヤーがミスをすると頻繁に
「忘れましょう!」
「それもOK!」
「落ち着いて!」
「深呼吸しよう!」
こんなキーワードを使います。
このキーワードだけを見たら、何も指導していないように見えませんか?
「OK!OK! そんな事もあるから、忘れて、落ち着いてプレーしよう!」
これを連呼しているだけ。
別にテニスコーチでなくても指導できます(笑)
通常であれば、「正しい」ミスの原因を指導されてその原因が無くなるように練習すると思います。
20年前の私もそうでした。
でも、先ほどの人の原理原則に則って考えるなら、どちらがより早く上達するでしょう?
どちらが感情レベルに変化をもたらし、どちらが思考レベルに変化をもたらすでしょう?
「ミス(嫌なこと)を忘れて、思いっきりプレーする」
「ミスの原因を理解し、それを解消するように意識してプレーする」
この両者どちらが楽しそうですか?
「得意な練習に時間を割く」
「苦手な練習に時間を割く」
この両者はどちらが好きになりますか?
多分、ほとんどの方が前者だと思います。
でも、多くの人はこう考えます。
「と言っても、ミスの原因が分からなければ上達しないでしょ??」
「と言っても、苦手を解消しないと上達しないでしょ??」
このように考えている方がほとんどです。
正確な数字はわかりませんが、私の感覚的には80%以上の方がこう考えるでしょう。
ですから、急激に上達出来る人はほんのひと握りなのです。
さて、フィーリングテニスのDVDをお持ちの方は今一度、この観点でDVDをご覧ください。
必ず次の練習では今までと違う感覚でプレーできるはずです。
そんな風にあの、DVDは作られています。
思考レベルではなく、感情レベルで変わる為のアドバイスを数多く紹介しています。
DVDに出演している方がプレーしている時に私がどんなアドバイスをしているか?
もう一度良く観察してみてください。
そして、そのアドバイスをそのままあなたに置き換えて見てください。
次の練習ではきっと何か新しいヒントを掴むと思いますよ。
また、その時に感じた感想などをいただけると非常に嬉しいです。
それでは、本日は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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