今日のテーマは「強さと武器」です。
では、早速お話しを始めていきます。
試合経験を積んでいるのに中々試合に強くなれない人にはいくつかの傾向があります。
その一つが「強い武器を持てば、試合に勝てる」と思っている事です。
・威力のあるフォアハンドストロークが打てれば、強くなれる
・ネットプレーが上手くなれば、強くなれる
・ファーストサーブが良くなれば強くなれる
・・・・・・
このように「個々のショットの精度と威力が増せば、強くなれる」と思っています。
ですが、これは大きな勘違いです。
ただ威力のあるショットが打てれば、試合に勝てる程、試合は簡単ではありません。
確かに個々のショットのレベルが高くなれば、強くなる可能性は高まります。
それは、間違いがありません。
ですが、それだけで強くなれるわけではないのです。
それ以上に大切な事があります。
それは個々の武器の使い方です。
具体的には戦略や戦術、またはメンタルパワーだったりします。
例えば、将棋やオセロゲームを考えてみましょう。
武器はお互い同じです。
同じ駒を使って、相手と勝負します。
当然、武器の強さによる違いが発生しません。
そこで求められるのは武器の使い方のみです。
いつ、どんな局面でどの駒を動かすのか？
また、不安やプレッシャーがかかった局面で冷静に状況を把握し、対処する事が出来るか？
そんな違いが勝負の行方を決めていきます。
当たり前の事ですよね。
先ほども言ったように将棋やオセロゲームは基本的に武器が同じです。
ですから、とても分かりやすいです。
ですが、テニスはそうではありません。
体力や体格も影響し、それぞれのプレーヤーは全く違う武器を持つ事になります。
その為に、どうしても「武器の強さ＝試合の強さ」と勘違いしがちです。
ですが、そうではないんです。
何故なら、戦術や戦略によって、相手の武器を打ち消す事も出来るからです。
つまり、いわゆる威力のあるショットは必ずしも、いつも同じように機能するとは限らないわけです。
このあたりが「テニスは知的ゲーム」と言われる理由であり、また、テニスの奥の深さ、楽しさの一つでもあります。
もちろん、だからと言って「個々のショットのレベルを高める必要が無い」と言っているわけではないんですよ。
個々のショットの精度、威力が増せば、それは間違いなく強くなる可能性を高めてくれます。
ですから、基本練習はとても重要になります。
ですが、だからと言って、ショットの精度、威力に頼っていては試合は強くはなれません。
自分の弱点があるプレーヤーに対しては武器に変わる事があります。
また逆に自分の強みがあるプレーヤーに対しては弱点になる事もあります。
例えば。
速くて、伸びのあるショットを返球するのは得意でも、緩くて、伸びのないショットを返球するのが苦手なプレーヤーがいます。
低いボールを返球するのは得意でも、高いボールを返球するのが苦手なプレーヤーもいます。
ストロークを返球するのは得意でも、ネットプレーは苦手なプレーヤーもいます。
このように、テニスのショットは絶対的な評価が存在するわけではなく、全て相対的な物です。
つまり、相手によって、与える影響が常に変化すると言うわけです。
この事を考えると、武器以上に大切な事は武器の使い方と言う事になります。
ところが、この事に気づけないと強い武器を身につける練習に終始してしまいます。
これは非常に危険です。
技術は上達しているのに「試合では勝てない」と言う矛盾が起こります。
本来は技術が高まれば、試合に勝つ可能性も高まるはずです。
にもかかわらず、試合では強さを発揮できない。
その理由の一つが「武器の使い方」を練習していない事です。
「試合の強さ」を手に入れたい方はぜひ、武器の使い方に着目して練習をしてみてください。
今まで、気づけなかったヒントが見つかるはずです。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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