錦織圭プロのフォアハンドグリップ

テクニック解説
この記事は約4分で読めます。

今回は錦織圭プロのフォアハンドストロークのグリップについて少し解説してみたいと思います。

錦織プロはフォアハンドストロークをいわゆるウエスタングリップと呼ばれるグリップで打っています。
ウエスタングリップは腕の回内運動が使いやすく、また、インパクト時に手首の角度が自然と後ろから支える角度になるのが特徴です。
その為に、自然に強くボールを捕らえる事ができ、回転量も多くなります。
*ウエスタングリップを超えて厚く握ると逆にボールは厚く捕らえるのが難しくなる。

錦織プロが強烈なスピンのかかった威力のあるフォアハンドが打てるのはこのグリップによる恩恵も大きいです。

ただ、一般的にはウエスタングリップで握るとラケットのヘッドが落ちてしまう事が多々あります。
こうなると腕の力でスイングする事になり、回転の量は多くなっても、力強いボールを打つ事はできません。
これはグリップが厚いアマチュアのプレーヤーに良く見られる弊害です。
ところが、錦織プロのテークバックを見ると見事にラケットは立っています。
流石にウエスタングリップで起こりがちな問題はやはり見受けられません。

これは腕やラケットを後ろに引いて準備するのと腕を引かず、身体をターンさせて準備する違いです。
錦織プロは腕やラケットはほとんど後ろに動かしません。
その代わりに身体をターンさせて準備します。
ラケットはレディポジションと同じような状態を維持して、準備します。
その為に、グリップが厚くても、ラケットヘッドが下がらないような状態を維持してテークバックを完了する事が出来ます。

ちなみに錦織プロはトップ選手の中でも割とグリップを厚く握っている選手です。
一時期は暑く握る選手が多かったのですが、最近はウエスタングリップよりも薄く握る選手が増えています。

これはグリップが厚いと肘が曲がった状態でインパクトする事になるからです。
それに対し、少し薄めに握ると肘を伸ばしてインパクトする事が出来ます。

いわゆる、ストレートアームの打法とダブルベントの打法の違いですね。
フェデラーやナダルは腕を伸ばし切った状態でヒットします。
それに対して、錦織プロやジョコビッチは肘を曲げた状態でヒットします。
これがストレートアームとダブルベントの違いです。

実はグリップは厚いと肘が曲がった状態でインパクトを迎える事になります。
理由はストレートアームのように腕を伸ばした状態ではラケット面が極端に下を向いてしまい、ボールをしっかりと捕らえる事が出来ないからです。
逆にグリップを少し薄く握ると腕を伸ばした状態でラケット面がボールをしっかりと捕えてくれる角度になります。

フェデラーはグリップがあまり厚くない事は良く知られていますが、実はナダルのグリップもそれほど、厚くありません。
強烈なスピンのかかったボールを打つので勘違いされているのかもしれませんね。
いずれにしても、グリップは厚くなると肘が曲がり、ダブルベントの打法になります。
その為に、打点はストレートアームの打法ほど前にはなりません。

グリップは厚くなると自然と回転量が増えます。
ですが、その代わりに、フラット気味の威力のあるボールは逆に打ちにくくなります。
前への推進力が回転に変えられてしまうからです。
ですから、よりオールラウンドのプレーを目指すなら、グリップはあまり厚くない方が良いのです。

そういう意味では錦織プロのグリップは少し、回転量を重視したグリップと言えますね。
ただ、錦織プロはより、身体をしっかりと動かす事でウエスタングリップの弊害になりがちな部分をしっかりと改善されています。
それがあの回転と推進力のバランスが取れた強烈なフォアハンドが打てる理由です。

アマチュアのプレーヤーが錦織プロのグリップを真似る時はグリップだけではなく、テークバックの仕方もしっかりと観察しないと逆に威力の無い、フォアハンドになってしまう可能性もあるので注意が必要です。

ちなみに最新のフォアハンドストロークを学ぶにはこちらの動画がお勧めです。
良かったら参考にしてみてください。

⇒ Feeling Tennis ザ・ムービー フォアハンドストローク セット

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました