今日は「心を折る」をテーマにお話ししたいと思います。
本当に困った事が起こるとよく「心が折れた」と言いますよね。
凹んで、立ち直るのに時間がかかる状態です。
では、心が折れた後はどうなるか?
集中力を失って、少なからず、自暴自棄になります。
当然、何をやっても高いパフォーマンスは望めません。
さて、話をテニスに戻します。
テニスで最上の勝ち方とは?
それは相手の自滅を誘うような勝ち方です。
自分が最高のパフォーマンスを発揮して、「捻り潰すように勝つ事が最高」だと思うかもしれません。
ですが、実はそうではありません。
自分が最高のプレーを発揮し続ける事には常に高いリスクが伴います。
また、高いパフォーマンスを発揮する事で隙が生まれる事もあります。
いずれにしても、最高の勝ち方は相手が自滅してくれる事です。
そうすれば、自分はリスクを冒す事もありません。
また、確実に勝利を手にする事が出来ます。
では、どうすれば、相手は自滅してくれるか?
ここで今日のテーマを思い出してください。
相手の「心を折る」んです。
そうすれば、相手は集中力を失って、自暴自棄になります。
こうなれば、自滅への道、まっしぐらです。
もしかしたら、逆の立場をあなたも経験しているんではないでしょうか?
普段のプレーが全くできずに、心が折れて、自滅してしまったことが。
ですが、本来、自分がこうなるのは最も不味い負け方です。
そうではなく、相手をこの状態に引きこむ事が大切です。
では、どうすれば、相手の心を折る事が出来るか?
実はここを勘違いしている方が非常に多いです。
相手の心を折るのに最も有効なのはこちらから何もしない事です。
間違えると、相手が手も足も出ないような最高のプレーをしようとします。
ですが、実はこれでは心は折れないんです。
あまりに綺麗にポイントを取ると相手は納得してしまいます。
ですから、ダメージが少ないんです。
もちろん、全くミスなく最高のプレーをし続ける事が出来れば、相手の心は折れます。
と言うより、途中で諦めるでしょう。
ですが、そんな事は余程の実力差がない限り不可能です。
「手も足も出ないポイントもあるけど、ミスもしてくれる」
これでは、逆に相手が食らいついてきます。
ですから、綺麗にポイントを取っても実は相手の心は折れないんです。
ところが、こちらから、特別に攻める事もせず、堅実に返球し、相手のミスを誘うとどうなるか?
これが続き始めると、相手が色々考え始めます。
そして、段々集中力が下がり始めます。
もちろん、プレーへの情熱やエネルギーも下がり始めます。
それでも、同じように堅実に返球し、相手のミスを誘っていると?
どこかで相手の心が折れます。
後は自滅を待つだけです。
自分はリスクを冒さず、相手が自滅してくれる。
最高の勝ち方とはこういう勝ち方です。
ところが、勘違いするとレベルの高いプレーを連発して、相手をねじ伏せる試合が最高だと考えている人がいます。
残念ながら、これは大きな勘違いです。
実は実力伯仲の勝負には勝者はいません。
敗者がいるだけです。
その結果、勝者が決まるだけです。
勝負強いプレーヤーとは自分から負けないプレーヤーを言います。
そうなる為には、相手の心を折る事を想定して試合するべきです。
そして、それは、同時に「自分の心が相手よりも先に折れない」事を意味します。
「自分の心は折れず、相手の心を折る」
この心構えを持って試合に臨むだけで内容は大きく変わります。
得てして、試合が中々勝てない人はレベルの高いパフォーマンスを発揮して相手に勝とうとします。
ですが、実はこれが試合に強くなれない理由です。
先ほども言ったようにほとんどの試合はどちらかの自滅で勝負が決まります。
つまり、どちらかの心が折れるから勝負が決まるのです。
では、自分の心が先に折れなければ?
そうです、試合に勝つ確率が大幅に上がると言う事です。
テニスの調子やパフォーマンスだけで勝負してはいけません。
それでは、いつまでも不安定な試合しか出来ないんです。
「自分の心は折れずに相手の心を折る」
そんな試合をイメージして練習、試合に臨んでみてください。
結果はすぐに変わるはずです。
この意識改革には即効性があります。
ぜひ、参考にしてみてください。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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