予定調和を崩す

テニスの上達の為に
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今日のテーマは「予定調和を崩す」です。
先日、「心を折る」をテーマにお話ししましたが、その続編だとお考え下さい。

前回は自分はリスクを冒さなくても、相手の心を折る事で「自滅を誘う事が出来る」とお話ししました。
そして、「最上の勝ち方とはそんな勝ち方だ」とお伝えしました。

では、どうすれば、相手の心を折る事が出来るか?
今回はその補足説明です。

相手の心を折るには、当然相手にダメージを与える必要があります。
では、どうすれば、ダメージを与える事が出来るか?

前回は
「綺麗にポイントを取ってもダメージは大きくない」
「堅実に返球し、相手のミスを誘うとダメージが大きい」
こんな話をしたと思います。

そこで、今回の補足説明です。

相手の心を折る為にはまず、相手の集中力を下げる必要があります。
その為に有効なのが「考えさせる事」「迷わせる事」です。

こうして相手が頭を使えば使うほど、落ち着きを無くし、ボールへの集中力は下がります。
この状態に引きこめば、アンフォーストエラーが増え始めます。
そして、最後に「心が折れる」わけです。

つまり、まず、最初は「考えさせる事」または「迷わせる事」にポイントがあります。
では、どうすれば、相手は考えてくれるか?または、迷ってくれるか?

ここで今日のテーマです。

実はプレーヤーは無意識のうちに次に起こる事を予想しています。
それは、過去の経験から自然と湧いてくるイメージのような物です。
そして、その予想通りの事が起こる事を予定調和と言います。

先ほども言ったように全てのプレーヤーは無意識のうちにこの予定調和を持っています。

実は相手に「考えさせる」「迷わせる」為にはこの予定調和を崩す必要があります。
簡単に言えば、相手の想定外の事を起こすと言う事です。

想定外の事が起きれば、相手はその時「え!」「あ!」となります。
この時、相手の予定調和が崩れたわけです。

例えば。
「追いつかないだろうと思っていたボールに追いつく」
「取れないだろうと思っていたボールを返球する」
「思いもよらないところに返球する」
「予想以上に速いボールを返球する」

これらは全て相手の想定を裏切るプレーです。
この時、相手は「!!」となります。

こんな事が何回か続けて起こると次に考え始めます。
そして、迷いが生じます。

そうなると、頭が働き始めるので、集中力が低下します。
ボールへの集中力が低下するとアンフォーストエラーが出始めます。
そして、調子が落ちてきます。
調子が落ちた状態が続くと「心が折れる」となるわけです。

これが相手の心が折れるまでの一つの流れです。

このように、相手の心を折る為には想定外の事を起こす事が重要なポイントになります。
相手の想定外の事であれば、どんなプレーでも構いません。

ですが、ただ一つ、注意するべき事があります。
それは、相手の想定外の事を起こす為に「自分がリスクを冒してはいけない」という事です。

例えば。
「思いもよらないところに返球する」
「予想以上に速いボールを返球する」
このようなプレーが続けば、もちろん、相手の予定調和を崩す事が出来ます。

ですが、自分がミスをする可能性も高まってしまいます。
すると、「良いプレーもするけど、ミスもある」状態になります。

この状態は相手の集中力が上がり、余計に食らいついてきます。
つまり、非常に危険な状態になります。

それに対し、
「追いつかないだろうと思っていたボールに追いつく」
「取れないだろうと思っていたボールを返球する」

こんなプレーは自分にリスクはありません。
それでいて、相手の予定調和を崩し、考えるきっかけを作る事が出来ます。

あなたも逆の立場の経験を幾度となくしていると思います。
返ってこないと思っていたボールが返球されて、次のチャンスボールをミスしてしまったことが。

この状態を繰り返して、起こすわけです。
こうする事が相手の心を折る為の入り口になります。

これが相手の予定調和を崩す意味です。

前回は「堅実に返球する事でミスを誘う」とお話ししましたが、いくら堅実に返球しても相手がそれを想定している場合。
つまり、そのプレーが予定調和である場合は相手は「え!」「あ!」とはなりません。

となれば、当然、相手の集中力が下がる事も心が折れる事もありません。
ただ、自分たちのプレーが消極的になって、ジリ貧になるだけです。

「堅実に返球する」だけではなく、「相手の想定を上回るぐらいの堅実さ」が必要だと言う事です。

こうする事で、相手の集中力を下げ、心を折る事が出来ます。

ちなみに錦織選手はジョコビッチと対戦するとほとんどの場合、自滅に追い込まれてしまいます。
これは、ジョコビッチに予定調和を崩されている結果です。

ジョコビッチと対戦すると錦織選手が想定している以上の守備力を発揮するので、錦織選手はどうしても自滅させられてしまう訳です。

その為に、錦織選手はジョコビッチが想定している以上のハイパフォーマンスを発揮しようとプレーしているようです。
ですが、結果はご覧の通り、一時的には上回る時間帯があっても、結局、錦織選手のミスが増えて、自滅してしまっています。

さて、テニスのレベルは変わってもこの図式は誰にでも当てはまるものです。
もちろん、あなたにも同じ事が言えます。

まずは、守備力を磨いて、「相手の予定調和を崩す」
そうする事で、「相手の心を折る」プレーを身につける事が出来ます。

ぜひ、参考にしてみてください。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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