今日のテーマは「ルーティンのメリット、デメリット」です。
人の行動には大きく3つの側面があります。
一つ目は何らかの意図や目的があって意識的に行動しているケース。
二つ目は最初は意図や目的を自覚しながら行動していたが、同じ行動を繰り返すうちに、癖になり、無意識に行動しているケース。
三つめは自分でも意図や目的に気付かずに行動しているケース。
つまり、人の行動のほとんど全てには、必ず何らかの意図や目的があります。
ただし、その意図や目的を必ずしも自覚しているわけではありません。
その多くは意図や目的を自覚せずに行動しています。
ただ、先ほどもお話ししたように、基本的には必ず意図や目的が隠れているので、必ず優先順位があります。
無意識のルーティンと言っても良いかもしれません。
このルーティンにはメリットとデメリットがあります。
メリットは無意識に同じ事を繰り返す事でメンタル的に安定する事です。
ナダルのルーティンは非常に有名ですね。
彼のコートチェンジの時の行動はいつも同じです。
必ず優先順位を守って、同じ事をします。
彼のように、意図的に常に同じルーティンを実践する事でメンタルが安定し、集中力が高まる効果があります。
ところが、その一方で、無自覚で行っているルーティンには大きなデメリットがあります。
それは優先順位を変えれないという事です。
そのルーティンが状況に合っているなら特に問題はありません。
ところが、そのルーティンが状況に合わなくなった時、逆にそのリーティンによって状況が悪くなると言う矛盾が起こります。
例えば。
「相手はバックハンドが苦手である」
その為に「バックハンドを狙う」と言う戦術を実行するとしましょう。
相手のバックハンドが弱点だと気づき、「意図的に相手のバックハンドを狙ってプレーする」
これは非常に良い状況を作ります。
だからと言って、いつもバックハンドを狙う練習を繰り返すとどうなるか?
意図が無くなり、無意識のうちにいつもバックハンドを狙って打つようになります。
この状態で左利きの相手に当たるとどうなるでしょう?
またはバックハンドが得意な相手に当たるとどうなるでしょう?
答えは明らかです。
このルーティンの為に、逆に状況が悪くなってしまいます。
このようにルーティンにはメリットとデメリットがあります。
これらの特徴を知りつつ、うまく使いこなす事が必要です。
私が「戦術を覚えてはいけない」と言うのはその為です。
闇雲に戦術や配球、展開を覚えようとしている方は非常に危険です。
そういう方は「この時はこうする、どうする」を頭に入れて、それを実行しようとします。
残念ながら、そんな物は状況が変われば、全く使い物になりません。
確かに、相手も同じようなレベルであれば、それなりに競った試合になるかもしれません。
ですが、状況を把握できる相手に当たったら、覚えた戦術、配球、展開が原因で状況が悪くなります。
相手に読まれてしまうわけですから、当然と言えば、当然です。
大切な事は状況を把握する事。
そして、その状況に応じてルーティンを変化させる柔軟性を持つ事です。
そうしなければ、かえって、状況を悪化させます。
話を少し変えます。
先日もお話ししましたが、今、世の中の状況が大きく変化しています。
この状況で無自覚のルーティンでそのまま行動する事は非常に危険です。
自分でも気づかないうちに行動しているルーティンによって、最悪の状況を引き起こす可能性があります。
今一度、自分の行動を客観的に把握する必要があると私は思っています。
対戦相手が変わったのです。
当然、相手の出方に応じて、こちらのルーティンを変える必要があると言う事です。
今までの相手と同じルーティンでは立ち行かなくなる可能性があります。
一度、状況が悪くなると挽回するのは大変です。
「備えあれば患いなし」
相手の出方に対応し、早めに手を打つのが得策です。
試合が強いプレーヤーはそうして試合をしています。
くれぐれも先手を打たれないようにしましょう。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただき本当にありがとうございます。
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