今回のテーマはテニスに必要な「観察力」と「洞察力」です。
物の本で調べると。
観察力は「細かく観察して、細かな物事によく気付く事」
洞察力は「物事を観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜く事」
こんな風に書かれていました。
この2つの力はテニスが上達するにはとても大切な力です。
特に試合ではこれらの力が劣っていると勝つ事はとても難しいです。
逆に言えば、テニスの技術が劣っていても、これらの力が備わっていれば試合を優位に運ぶ事ができます。
ちなみにこの両者の中でも特に必要な力は洞察力です。
では、この両者の違いは?
観察力は「目に見える物(事)に気づく事」
それに対し、洞察力は「目に見えない物(事)に気づく事」です。
以前にもお話しましたが、ジャンケンで絶対負けない方法は?
それは後出しジャンケンです。
相手の出す物がわかっていれば絶対に負ける事はありません。
つまり、勝負は相手の意図が事前に分かっていれば負ける事がないのです。
では、相手の意図は見えるのか?
いいえ、見る事はできません。
ですから、洞察力が非常に大切になるのです。
相手は意図を持つと必ず何らかのヒントを発します。
それは「いつでどこでどのように現れるか?」はわかりません。
ですが、必ず何らかの言動で意図を発信します。
そのヒントを感じる事ができれば、相手の意図を事前にキャッチする事ができます。
その為に必要な力が洞察力というわけですね。
洞察力が優れていると相手のちょっとした変化から相手が意図している事を読み取る事ができます。
その結果、自分のほうが有利に試合を運ぶ事をできるのです。
では、どうすれば、洞察力を鍛える事ができるのか?
まずは観察力を鍛える事が必要です。
洞察力は目に見えない物を推察する事が必要ですが、ヤマカンや当てずっぽうではありません。
あくまでも過去の結果に基づく推察である必要があります。
その為に、まずは現実を精度高く把握する事が大切です。
ちょっとした違いや変化に気が付く事が大切なんですね。
ですが、ただ、小さい事に気が付くだけでは観察力止まりです。
大切な事はこれを洞察力に繋げる事。
その為には注意深く観察し、気がついた事を歴史として捉える必要があります。
つまり、時系列として積み上げないといけないわけです。
例えば。
Aと言う事に気がついた ⇒ Bが起こった。
では、将来、Aが起こったら?
Bが起こる可能性があるわけです。
その時に時系列で捉えていると、Aに気がついた時点で「Bが起こるかも?」
と予測が成り立ちます。
この予測が当たる可能性が高い人は「洞察力が高い」と言えるわけですね。
つまり、洞察力の優れている人は、注意深く観察し、そこから気がついた事を時系列で整理できている人と言えます。
時系列で整理されている人にとっては、「Bが起こるかも?」と予測する事は何も難しい事ではありません。
ごくごく当たり前の事です。
ところが、洞察力が足りない人にとっては「どうしてそんな事が分かるの??」
と言う事になります。
さて、テニスに話を戻します。
相手の配球が何となくでも分かる人は上記で説明した事をしているのです。
逆に「相手の配球が分からない」
「自分の配球が読まれる」
こんな人は観察、洞察ができていないからなんですね。
ですから、まずは観察、そして、そこから洞察に繋げる練習をする必要があります。
観察力が伸びて、洞察力に繋がるとだんだん相手の配球や考えている事、戦略、戦術がわかるようになります。
そして、自分のほうが相手よりも洞察力が長けるようになると試合はとても優位に進める事ができるようになります。
テニスはボールを打つ技術も非常に大切ですが、実はこのような観察力や洞察力のほうが何倍も必要なスポーツなんです。
ぜひ、洞察力を伸ばすような練習をしてくださいね。
相手の事が読めるようになるとテニスの試合はもっと楽しくなりますよ。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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