今回は「テニスの試合で感じる不安を取り除くには?」についてお話します。
誰もが試合中に不安を感じる事はあると思います。
「勝つか?負けるか?」
「入るか?入らないか?」
「打てるか?打てないか?」
「取れるか?取れないか?」
・・・・・・
とにかく、いろんな不安が出てくる可能性があります。
また不安はプレッシャーに変わる可能性もあります。
試合中に起こる不安な感情は基本的には良い物ではありません。
実際に不安に襲われるとほとんどの場合、パフォーマンスは低くなると思います。
では、どうして、不安な感情が湧いてくるのでしょう?
また、どうしたら、不安な感情をコントロールする事ができるのでしょう?
その為にはまず「不安とは一体どういう物なのか」を知る事が大切です。
実は不安は期待の裏返しなんです。
例えば、「ダブルフォールトしたらどうしよう・・」と言う不安は深層心理では「サーブが入って欲しい」と言う期待があります。
「次のポイントが取れなかったらどうしよう・・」と言う不安はどこかで、「次のポイントは何とか取りたい」と言う期待があります。
このように不安と期待は常に表裏一体で存在する物なんですね。
この事は逆の事を考えるとよく分かると思います。
全く期待していない事には不安な感情は起こりません。
例えば、もし、錦織選手とテニスをする事があったとしたら、「次のポイント取れなかったらどうしょう・・・」なんて不安は出てこないのです。
理由は最初から、ポイントが取れると期待していないからです。
なので、不安なく、思い切ってプレーできたりします。
逆に自分と同じぐらいのレベルのプレーヤーと試合をしたほうがよっぽどいろんな不安が湧いてきます。
まず、ここで知っておくべき事は「不安は自信が出来たら無くなる物ではない」と言う事です。
一般的には「自信を持てれば、不安にならない」と思われている方が多いですが、実はそうではないんですね。
期待が大きければ、必ずその分不安も大きくなるのです。
これはテニスのレベルがいくら上がっても同じ事です。
例えば、自転車を考えてみましょう。
自転車に乗れるようになった人は自転車に乗る事を不安に思わないでしょう。
これは、自転車に乗るのが上手になったから、不安がなくなったのではないのです。
自転車に乗る事を期待しなくなったから、不安な感情が湧いてこないだけなんです。
では、なぜ、期待しなくなったのか?
それは乗る事自体が当たり前になってしまったからです。
その為に、期待がなくなった、それと同時に不安もなくなった。
さきほど言ったように不安と期待は表裏一体ですから。
さて、話をテニスに戻します。
実はテニスも基本的には一緒です。
不安な感情が湧いてくる時には必ず、何らかの期待を持っています。
となれば、どうすれば不安な感情をコントロールする事ができるか?
答えは「結果に期待しない事」です。
結果に期待をしている限りはどんなにテニスが上手になっても不安な感情は湧いてきます。
でも、結果に期待せずに、「ただ、精一杯プレーするだけ」
こんな心理状態になれると不安は出てこなくなります。
何度も言いますが、これはテニスのレベルに関係がないのです。
例えば、今日始めてラケットを持ったからと言って、不安になるとは限らないのです。
全くした事がないテニスであっても、結果に期待せず「ただ、精一杯プレーするだけ」という心理状態なら、不安は出てきません。
逆に何十年テニスをしていても、結果に期待すると不安は必ず生まれてきます。
もし、あなたが不安な感情をなかなかコントロールできないとしたら、それは、何かを期待しているからなのです。
その期待を一度手放してみてください。
そして、「結果は別にして、精一杯プレーする」事を大切にしてみてください。
きっと、不安な感情はかなり軽減されるはずです。
試合になるといつも不安になるプレーヤーは「いつも結果に期待する」癖がついているんです。
逆に試合でも不安なくプレーできるプレーヤーは「結果に期待せず、精一杯する」癖がついているんですね。
この2つが両者の違いです。
決して、テニスのレベルではないのです。
この事は良く知っておいてほしいと思います。
一般的には「不安」を消すには「もっと練習して上手くならないと・・」
こんな風に思われている方が多いようです。
ですが、残念ながら、いくら上手になっても不安はなくなりません。
間違った努力では望む結果を手に入れる事はできません。
不安に関しても同じですね。
本日のお話は以上です。
いつも長文およみいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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