今回はレディポジションについてお話しします。
レディポジション、いわゆる構え方は非常に大切です。
アマチュアのプレーヤーはレディポジションの大切さに気が付いていない方が非常に多いです。
精度の高い動きをする為にはそれに必要なレディポジションが存在します。
どんな動きにも必ず始まりと終わりがあります。
例えば、フォアストロークを打つ為には、ボールをヒットする為の身体の準備があり、その準備によってエネルギーが生まれ、そのエネルギーでボールをヒットします。
動きは「準備でどんなエネルギーを作るか?」によって決まります。
基本的に作ったエネルギーと動き(フォーム)はリンクしているのです。
仮に。
Aと言う準備をすると動きはA’
Bと言う準備をすると動きはB’
Cと言う準備をすると動きはC’
つまり、Aと言う準備をしているのにB’やC’の動きにする事はできないんです。
動きは電車に乗るような物です。
一度、その線に乗ってしまうと到着する駅は決まっています。
電車に乗ってしまったのにその線に無い駅に降りる事はできませんよね。
それと同じ事です。
例えば、ストロークのミスで一番多い、打点の遅れ。
アマチュアプレーヤーのほぼ9割は打点が遅れてヒットします。
その為に精度や威力がなかなか向上しません。
この多くのプレーヤーが抱える問題も同じことが言えます。
仮に。
A’の動きは打点が前になる非常に効率の良い動き。
B’の動きは打点が後になる非常に効率の悪い動き。
このように仮定してみましょう。
実はB’の動きになってしまうプレーヤーは準備の段階で既にB’の動きにリンクしたBの準備をしているのです。
その為に、早くテークバックしたり、スイングの調整などをいくら練習しても打点は前になる事はありません。
逆に言えば、Aと言う準備をすると「打点が後になるB’の動きになる事も無い」と言う事でもあるのです。
つまり、打点が遅れないようにボールをヒットするには、Aと言う準備をする事が唯一の方法だと言う事です。
となれば、打点が遅れているプレーヤーがするべき練習は現状行っているBの準備をAの準備に改善する事です。
さて、話を元に戻します。
ここで重要になるのがレディポジションです。
レディポジションや構え方にも同じ事が言えるのです。
打点が遅れないA’の動きをする為に必要な構え方があるという事なのです。
レディポジションがB’の動きにリンクした物であれば、テークバックも当然、B’にリンクした物になります。
そして、当然、ボールをヒットする動きもB’になるというわけです。
レディポジション(B)⇒テークバック(B)⇒スイング(B’)⇒インパクト(B’)
こんな感じですね。
ですから、レディポジションは非常に大切なのです。
と言っても、特別に難しい構え方をする必要はありません。
必要なポイントを押さえて、ただ、自然に立つだけです。
必要なポイントは大きく3つあります。
・ラケットの角度
・手首の角度
・ひじの位置
この3つです。
まず、ラケットの角度ですが、硬式テニスのラケットは決して軽くありません。
特に女性にとっては重く感じるでしょう。
その為に、角度が違うと、この重さが手首の角度に影響を与えます。
重さによって、手首が下に折れてしまわないようにラケットのヘッドは空を向くようにしておきます。
ラケットヘッドが地面を向くとラケットの重さで手首の角度を維持する事ができなくなります。
一度、手首が下に折れてラケットヘッドが地面の方を向いてしまうと、ラケットの重さの影響でラケットヘッドが後に引かれてしまう手打ちの状態になってしまいます。
これを避けるためには、ラケットヘッドを立てて、手首の自然な角度が維持されるようにしておく事がとても重要なのです。
次にひじの位置ですが、できるだけ直線運動のエネルギーを作る為にテークバック時、ひじはネットとは逆方向に準備する必要があります。
その為に、身体から少し離した状態になります。
テークバック時に無理なく、この状態にする為には、レディポジションではひじは身体の側面にくっついている状態ではなく、少し離しておく必要があります。
こうする事で、体幹をターンして準備した時に、自然なひじの角度を維持したまま、打球前の準備を最短時間で作る事ができます。
活字で説明すると非常に難しそうに思うかもしれませんが、動作自体はとても簡単な動作です。
小学生でも問題なく実行できる構え方です。
それよりも、今日お伝えしたかったのは動きは全てリンクしているという事です。
「終わりよければ全て良し」と言うことわざがありますが、質を高める為にはそういうわけにはいかないのです。
「どんな準備をするか?」で結果はほぼ決まっているんですね。
そういう意味でおさえるべきポイントはシンプルですが、レディポジションは非常に大切というわけです。
もしかしたら、あなたのショットが安定しない原因はレディポジションにその原因があるかもしれません。
一度、どんな状態で構えているのか、チェックしてみてはいかがでしょう?
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
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