失敗と直面する勇気

テニスの上達の為に
この記事は約5分で読めます。

今日のテーマは「失敗と直面する勇気」です。

私はテニスコーチを始めて、今年で36年目になります。
この36年の間、私が変わらず、興味を持ち続けている事は「人はなぜ、上達するスピードが違うのか?」と言う事です。

私はこの理由や原因にとても興味を持っています。
そして、研究し続けています。

何故なら、この理由や原因が分かれば、誰もがもっと簡単に上達する事が出来ると信じているからです。

私達、人間が備えている能力は基本的に同じです。
誰もが同じDNAを持っていますし、同じ機能を備えています。

ですが、同じドリルを同じ時間練習しても、その練習効果は人によって様々です。
グングン上達する人もいれば、そうでない人もいます。

では、なぜ、そんな差が生まれて来るのか?
それは、備えている能力を上手く引き出している人と、そうでない人の違いです。

一般的には素質や才能などと言われる事がよく言われますが、そんな物は存在しません。
それらは全て後天的な物で、結果論です。

本当の理由は能力の引き出し方に違いがあるからです。

例えば、今や誰もが持っているスマートフォン。
備わっている機能は同じでも「その機能を使いこなせるかどうか?」は使う個人によって違いますよね。
それと同じです。
「人間が備えている機能を使いこなせるかどうか?」もやはり個人によって違うと言うわけです。

35年間、この事を研究していると段々色んな事が分かってきました。
グングン上達する人には傾向があります。
そして、逆に伸び悩む人にも傾向があります。

そのうちの一つが「失敗とどう向き合うか?」です。
実は伸び悩む人ほど、失敗を避ける傾向があります。

例えば。
「ミスしないようにプレーする」
「上手く出来るようにプレーする」
「良い結果を出そうと努力する」

こんな感じで練習している人は伸び悩む傾向が強いです。

もしかしたら、「???これが伸び悩みの原因???」と思うかもしれません。
一般的には、こんな感じで練習する方が「早く上達する」と思われていますからね。

ですが、現実は逆です。
失敗を避ければ、避ける程、上達は遠のきます。

テニスは失敗から学ぶほか方法がありません。
失敗の中に新しい気づきや発見があります。

何故なら、テニスは経験が全てだからです。
経験を伴わない知識は何の役にも立ちません。

例えば「トムヤムクン」と言うスープを味わった経験がない人がどれだけたくさんの知識を使い、頭で考えたところで、その味が分かるはずがありません。
実際に口にして初めて、その味を知る事が出来ます。

テニスも同じです。
実際にボールを打って初めて、その感触やフィーリングを感じる事が出来ます。
この感触やフィーリングこそが自分のイメージ通りにプレーする為に最も大切な情報です。

ところが「出来るだけ失敗を避けよう」とする人は実際に経験する前に、色々考えて、良い結果が出るように努力します。
その為に、素直に現実を体験する事が出来ません。

残念ながら、これでは、新しい気づきや発見を得る事が出来なくなります。
その結果、同じ失敗を繰り返してしまうと言う悪循環に陥ります。

皮肉な物です。
「良い結果を出す為の努力」が同じ失敗を繰り返してしまう原因になるとは。

常々お話ししていますが、物事には必ず原因と結果の法則が成り立っています。
本当の原因が分かれば、結果は瞬時に変わります。

逆に原因が分からなければ、どんなに努力しても結果は変わりません。
つまり、努力なんかするよりも冷静に現実を直視し、その原因を突き詰めた方がよっぽど早く上達できると言うわけです。

その過程で必要な物が「失敗」です。
失敗をするからこそ、その本当の原因に気づく事が出来るのです。

ところが、何も考えず、素直に失敗する事は口で言うほど簡単な事じゃありません。
誰でも、出来れば、失敗したくありませんし、ついつい失敗を避けようとしてしまう物です。

では、どうして、失敗を避けようとするのか?
伸び悩みを解消するにはこの事としっかり向き合う必要があります。

そこには自分でも中々気づく事が出来ない自分の本音が隠れている事が少なくありません。
例えば。

・上手く見られたい自分
・プライドの高い自分
・過剰な完璧主義の自分
・勝ち負けに拘りすぎる自分
・弱みを見せる事が出来ない自分
・・・・・・

ここに挙げた物は一例ですが、実は失敗を避けようとする心理の裏側にはこんな本音が隠れている事がほとんどです。
そして、これらがテニスの壁を作っていると言っても良いでしょう。

つまり、伸び悩みを解消するにはこんな自分と向き合う必要があると言うわけです。
ただ、その為には少なからず、勇気が必要です。

誰でも、本当の自分と向き合う事は怖い物です。
その恐怖を乗り越えるには勇気が必要になります。

それが「失敗と直面する勇気」と言うわけです。

ちなみに、失敗と直面する勇気が持てない人は?

・失敗を避ける
・失敗に言い訳をする
・失敗を受け容れない

これらを繰り返します。
残念ながら、こんな状態ではいくら一生懸命練習してもテニスに新しい閃きは起こりません。

ちなみに「失敗と直面する勇気」を失った時がその方のテニスの限界と言う事になります。
その方はもう、それ以上、上達する事はないでしょう。

大切な事は「ただ無心でプレーする」「ただ素直にプレーする」事です。
人間の機能から見ると、人の成長に限界はありません。

ただ、それは「失敗と直面する勇気があれば」と言う条件が付きます。

あなたにはぜひ、いつまでも失敗と直面する勇気を持ち続けて欲しいと思います。
そして、どこまでも上達し続けて欲しいと願っています。

そのために、少しでもお役に立てれば、本当に嬉しく思います。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました