なぜ、振り遅れてしまうのか?

テニスの上達の為に
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今日は「振り遅れ」をテーマにお話ししたいと思います。

テニスのミスのほぼ全てがタイミングが遅れる事です。
早すぎてミスをする事はほとんどありません。

仮に「早すぎた」と感じる事があっても、実はそれは「後れを取り戻そう」として、焦った為に逆に早くなり過ぎたケースがほとんどです。

例えば、朝、8時に出社しないといけないのに、家を出るのが遅れて、慌てて走ったら「いつもより少し早く着いた」
これと同じような感じです。

ですから、本当は早すぎるのではなく「遅れた」事が原因なんです。

いずれにしても、テニスは遅れると間違いなくミスの可能性が急激に上がります。
これはプレーヤーの全てが知っている事です。

ところが、現実はやはり遅れてしまう事がしばしば出てきます。

では、なぜ、遅れてはいけない事を知っていながら、遅れてしまうのか?
そこにはやはり原因があります。

大きな原因は二つ。

一つはボールとの時間が遅れているケース。
そして、もう一つは動き自体に問題があるケース。

ボールとの時間が遅れているのはいわゆるタイミングが合っていないと言う事です。
ボールは常に移動し続けています。
そして、また、ラケットも常に移動し続けています。

移動し続けているラケットとボール、この二つをコンタクトさせるわけですから、時間的なタイミングが非常に重要です。
この瞬間がズレると、テニスは上手くボールをコントロール出来ません。

では、なぜ、時間を合わせる事が出来ないのか?
一番の原因はボールを「観ていない」からです。

多くの人はボールを「見ている」のです。

「見る」と「観る」
この違いがタイミングを狂わせます。

どちらも「みる」と読み、目の機能を表しています。

ところが、見るは見学、つまり、何気なく見ている状態。
それに対し、観るは観察、つまり、注意力を向けて、集中して観ている状態。

当然、得られる情報の質が変わります。

その情報の質の違いが微妙なタイミングに後れを生じさせます。
良いプレーヤーは常に質の高い情報をキャッチします。
その為に、時間的な誤差が少なくなるんです。

さて、次はもう一つのケース。
それは、動き自体に問題があるケースです。

これは時間的な問題ではなく、フォーム自体に問題あって、詰まって、振りぬけないケースです。
この場合は、どんなに時間があっても、やっぱり詰まって、気持ちよく打てません。

例えば、手出しの簡単なボールを打っているのに、気持ちよく振りぬけない人。
こういう方のほとんどは時間ではなく、動きに問題あります。

ですから、いくら早くテークバックしても。
ボールを良く観ても。
やっぱり振り遅れて、詰まって打ちます。

このケースは複数の問題点が絡まり合っているので、一言で説明するのは非常に難しいです。
更に、人によって、全く違うので、実際に打っているのを見ないと詳細な説明は出来ません。

そこでここでは「あくまでも多いケース」としてお話しします。

私の経験上、最も多いケースは腕の動きによるエネルギーでボールを飛ばそうとしている方。
この方の多くは「詰まった状態」でボールをヒットします。

本来、ボールは「中心から末端」へ伝わるエネルギーでヒットする必要があります。
ところが、腕で作ったエネルギーでボールを飛ばそうとする方は、この原理原則から外れます。

末端で作ったエネルギーの向きは「中心から末端(外)」ではなく、「外から中」に向かいます。
そうすると、腕は遠心力がかかった外向きのスイングにならず、内向きのスイングになります。

ところが、内向きのスイングは體の中心に向かうので、必ず、體が邪魔になります。
腕と體がぶつかるように動く事になります。

当然、気持ちよく振りぬく事が出来ずに「いつも詰まった状態でボールとコンタクトする」と言うわけです。

この場合、見た目の印象としては振り遅れて詰まっているように見えます。
ですが、時間が遅れているわけではありません。
本当の原因は體の動きにあります。

これを勘違いしているケースが非常に多いです。
そして、残念な事に、これを勘違いしている限り、気持ちよく打てるようにはなりません。

先ほどもお話ししたように、本当の原因は體の動きにあるわけです。
ですから、いくらテークバックを早く準備して、早くボールを捕らえに行こうとしても、結局詰まるんです。

時間に問題があれば、時間を変えれば、結果は変わります。
ですが、體の動きに問題があるわけですから、體の動きに注目しないと問題は解消しないのは自然な事です。

ちなみに、本来のスイングである「外向きのスイング」と間違ったスイングである「内向きのスイング」
この両者の違いを見極めるポイントはエネルギーの向きです。

単純にフォームを見ても、その違いには気付けません。
いわゆる「打ち方」「振り方」を見ても非常に分かりにくいです。

そのスイングのエネルギーは外向きにかかっているのか?
それとも内向きにかかっているのか?

これを「見る」または「感じる」事が出来ると実はこの両者が全くの別物である事が分かります。

言葉でご説明する事が難しく、とても、もどかしいですが、いずれにしても、スイングのエネルギーには「外向き」と「内向き」があり、「内向き」のスイングになると「詰まって気持ちよく振りぬけない」と言う事です。
この事については、またの機会に、詳細なご説明をしたいと思います。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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