今日のテーマは「増やすな、捨てろ」です。
これは伝説の武道家「ブルースリー」の名言です。
彼は色々な格言を残していますが、
その中の一つに「増やすな、捨てろ」と言う物があります。
「日々何かを増やすよりも、日々何かを減らす事が重要だ。本質的でない物はそぎ落とせ」
と言っています。
これはテニスでも全く同じ事が言えます。
一般的にはテニスは習えば、習うほど、覚えるべき物がどんどん増えていきます。
ラケット面の使い方。
グリップ。
スイングの方法。
身体の使い方。
・・・・・
言い出したらキリがありませんが、とにかく、いろんな方法論がアドバイスされます。
そして、真面目な方ほど、これらのアドバイスを一つ一つ覚えていこうと練習されます。
ですが、それは大きな勘違いです。
上達すると言う事はブルースリーが言うように、無駄を省く作業です。
足りない物を補う作業ではありません。
方や省く作業。
方や補う作業。
全く方向性が違う作業です。
これを間違えるとテニスはとても難しくなります。
テニスは出来るだけシンプルに練習する方が早く上達します。
これにはちゃんと理由があります。
脳と身体には自動修正機能が備わっているからです。
これは本能的な能力です。
誰にも備わっています。
この機能によって、私達は誰に教わるわけでもなく言葉を話すようになります。
また、誰に教わるわけでもなく、歩き始めます。
もちろん、最初は話す事も歩く事も無駄が多く、不安定です。
ところが、経験を繰り返しているうちにだんだん、安定して、効率的になります。
これが人間本来の成長の仕方です。
そう考えるとテニスは少し違うような気がしませんか?
本来は最初は不安定で不効率でも、そのまま続けていれば、自然と無駄が省かれます。
ところが、上手く出来ないと、上手く出来る為の方法を「補う事で上手くなる」とされます。
どう考えても不自然です。
不安定で不効率な段階は何も間違っているわけではありません。
正しいけれど、無駄を含んでいるだけです。
ですから、そのまま、続けていると段々無駄が省かれていきます。
これが上達する過程です。
「増やすな、捨てろ」はその過程を表した格言というわけです。
とても大切な事なので、もう一度お話しします。
テニスはシンプルな方が早く上達します。
何も付加する必要はありません。
ただ、ボールに集中すれば良いだけです。
これがテニスが最も早く上達する秘訣です。
コメント