怪我からの復帰後、今年驚異的な強さを発揮しているフェデラー。
残念ながら2017年の全仏オープンは欠場しています。
と言うより、クレーの大会すべてをスキップしています。
フェデラーはこの理由を「自身の選手生命を長く維持する為」とはっきり言っています。
私個人はこの判断は非常に賢明な判断だと思っています。
あれほどの選手ですから、できるだけ長くそのプレーを見たいと思いますしね。
ただ、正直な気持ちは「全仏でのフェデラーも見たかったなぁ」と思っています。
ちなみに2017年の全仏オープンに出ていたら、「優勝する事ができたか?」
やはり気になるところです。
フェデラーは過去に2009年に一度だけ、全仏でも優勝しています。
この時の決勝の相手はナダルではありません。
フェデラーはこの年以外は決勝でナダルに当たり、ことごとくやられています。
当時のフェデラーはナダルが苦手という事もあったのでしょうが、クレーでのナダルの強さは半端なかったですからね。
では、2017年、もし、今の調子で全仏に出たらどうなっていたか?
私はやはり難しいと思います。
理由は今年の彼のアドバンテージが全仏ではほとんど機能しなくなるからです。
フェデラーが怪我からの復帰後、驚異的な強さを発揮している一番の理由は展開力のテンポが以前以上にめちゃめちゃ速くなっているからです。
ポジション、タイミング、そして、ボールのスピード、回転など、とにかく、プレーの展開を速める為の全てのレベルがスピードアップしています。
その為に他の選手がそのテンポに対応できないでいるのです。
これはフェデラーが1つのポイントに出来るだけ、体力を使わないように意図している事も関係しているでしょう。
また、彼にはそれができる武器もたくさん持ち合わせていますからね。
いずれにしても、今年の彼の強さはそのテンポの速さです。
ところが、残念ながら、全仏ではこのテンポの速さは大きなアドバンテージになりません。
レッドクレーのコートはボールの勢いを吸収してしまうので、相手には時間が出来てしまいます。
また、ボールのバウンドもイレギュラーに弾むことも多々あるので、無理にテンポを速める事は自分のミスに繋がります。
その事を考えると、フェデラーが「圧倒的に有利」とは言えないわけです。
それよりも、やはり、ナダルが圧倒的に有利になります。
彼はこのような遅いコートでの勝ち方を熟知しているからです。
今年、ジョコビッチ、マレーが完全に調子を落としています。
となれば、なおさら、ナダルが優勝する可能性は非常に高いと思います。
ですが、本当はフェデラー、ナダルの決勝を見て見たかったですけどね。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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