フェデラーと王選手の共通点

テクニック解説
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先日ご紹介させていただいた王貞治氏の動画はもうご覧になりましたか?
今日はその動画の一部を解説したいと思います。

この動画と一緒にご覧いただけるとわかりやすいと思います。

真髄・打つ 王貞治

この動画の中で王氏は非常にたくさんのヒントを紹介してくれていますが、まず、一番最初に知っていただきたいのはこの動画の33分からの部分です。

彼はここでスイング軌道について解説してくれていますが、「バットのスイングは円ではなく、U字型で動く」と言っています。

これは回転運動で打つのではなく、直線運動で打つ事を言っているのですね。
その為に、彼は「手は回すのではない」
「手はこれ以上伸びないところまで伸ばすだけで良い」」と表現しています。

実際に王氏の打撃フォームはインパクト後、綺麗に一直線に伸びます。
これはまさに回転運動のエネルギーを使っているのではなく、直線運動のエネルギーでボールを飛ばしてから出来る事です。

実はテニスも全く同じ事が言えます。
一般的には運動連鎖による回転運動でボールを飛ばすように指導されると思います。

ですから。
「テークバックでは横を向く」
「ラケットを早く引く」
「グリップエンドからボールに向かう」

こんなアドバイスをされるんですね。
この3つのアドバイスは3種の神器のようなアドバイスです。

必ず誰もが一度は聞いた事があると思います。
ですが、残念ながら、このアドバイスを実行すると回転運動になるので正確に強くボールを打つ事はできません。

回転して、腕をしならせ、グリップエンドからラケットを振る動作は速くはなりますが、非常に弱い状態になるので相手のボールが強くなると身体が崩されて、ボールがイメージと違うところに飛んでいきます。

例えば、釣竿をイメージしてみてください。
釣竿は柔らかく、しなりが強いので速く降る事は簡単です。
ところが、釣竿でテニスボールを打ったらどうなるか?

当たり前の事ですが、速くても弱いのでタイミングよくインパクトしても、テニスボールは打ち返す事ができません。
実は回転運動で腕をしならせて打つ打ち方は釣竿を同じ事が起こるんですね。

つまり、回転運動でラケットにエネルギーを加える技術には限界があるという事なのです。
その為に、「緩いボールや球出しの練習ボールなら上手くコントロールできるが相手のボールが速くなると打ち返せない」と言う事が起こるのです。

ところが、直線運動でボールを打つ事ができると王氏が言っているように「相手のボールのエネルギーを利用できる」のです。

直線運動でラケットを使い、自分の身体が強い状態でボールを捕らえる事ができれば相手からのエネルギーを利用する事で自分は少ないエネルギーで効果的なボールを打つ事ができます。

その技術が最も優れているのがフェデラーでしょう。
フェデラーのフォアハンドを見ると腕が「これ以上伸びない」と言うところまで伸びています。

まさに王氏と全く同じですね。
回転運動を利用したスイングだとエネルギーの向きや打点の関係から、「腕を伸ばそう」と思っても伸ばす事ができないんですね。

この事からフェデラーも王氏と同じように直線運動でボールを打っている事がわかります。
それが、あれほど、優雅でありながら、精度、パワー、スピードを実現している理由です。

さて、話は広がってしまいましたが、今回紹介した動画の33分ぐらいから、そのあたりの部分が解説されています。
スイングの軌道についてはテニスと全く同じイメージなので、ぜひ、参考にしてみて欲しいと思います。

スイングは円を描くのではなく、U字型に移動します。
そうする事で、精度、パワー、スピードの全てを手に入れるスイングになりますよ。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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