今回も指導者、コーチへの方へ向けての記事です。
テニスコーチをしていると必ず、一度は「試合で中々勝てないんです・・・」と言う生徒さんの悩みを相談されると思います。
私も非常に多くの方から相談を受けてきました。
ですが、正直な所、このような悩みを解決してあげれるようになったのは本当に最近の事です。
以前の私はアドバイスをしてあげる事はできても、結果を出させてあげる事ができませんでした。
理由はテクニックに関するアドバイスに偏っていたからだと、今は思っています。
テニスは常に未完成のテクニックのままで試合をします。
これは自分だけではなく、相手も同じです。
ですから、テクニックが完璧で試合をする事など無いのです。
増してや、アマチュアの試合は基本的にカテゴリーが分かれていますので、ほぼ、同じレベルの相手と試合をするわけです。
となれば、試合の結果を大きく左右するのはメンタルとフィジカルと言う事になります。
特にメンタル面の差が試合では非常に大きな差を生み出します。
ところが、昔の私はメンタルタフネスを改善する具体的な方法を知らなかったのです。
その為に、テニスのテクニックは向上しても、それが中々試合の結果に繋がらなかったわけです。
ただ、今はその問題も大きく改善する事ができます。
その一番の違いは集中力の使い方を指導できるようになってきたことです。
試合で必要な集中力の使い方を指導する事で生徒さんの試合の結果は見違えるように良くなります。
「試合に中々勝てない・・・」と悩む生徒さんには、ぜひ、集中力の使い方を指導してあげて欲しいと思います。
試合に強くなる為に、まず、クリアするべき段階は「相手が負ける」
この体験をさせてあげる事です。
自分が勝つのではなく、「相手が負ける」わけです。
結果は同じでも、この感覚は全く違う物です。
試合で中々勝てない生徒さんに共通している事は「勝つ事」を目的にする為に、ボールへの集中力が低い事です。
その為に、普段なら出来る事でもミスが増えます。
それが試合で勝てない最も大きな原因です。
つまり、「自分が勝つ」事を意識すると結果的には負けてしまうのです。
ところが、「自分が勝つ」事を少し、横に置いて「ただ純粋にボールに集中する」事ができるとイージーなミスが減ります。
そして、普段通りのプレーに近づける事ができます。
その状態が相手の集中力よりも高ければ、相手の方が先にミスをする事になります。
その結果、試合は優位に運ぶことができます。
ところが、この時、試合をしている生徒さんは「勝つ事」ではなく「ただボールに集中する」意識でプレーしているわけです。
つまり、「勝とうとしていない」感覚に近くなります。
にも、関わらず、相手が勝手にミスをしてくれるので、結果的に「勝った」と言う感覚になります。
つまり、「自分が勝ったのではなく、相手が負けた」と感じるわけです。
実はこの感覚が試合で強くなる為に最初に身につける必要がある感覚です。
多くの生徒さんは「勝とう」と意識する事でいつか「勝てる」と勘違いしています。
ですが、残念ながら、「勝とう」と意識して勝てるのは相当実力差がある場合のみです。
実力が同じレベルの場合は「勝とう」と意識する事はボールへの集中力を阻害します。
その為に、空回り、つまり、ミスが増えるプレーになります。
これが試合で実力を発揮できない一番大きな原因です。
もちろん「勝ちたい」と言うモチベーションはとても大切です。
「勝ちたい」と言うエネルギーが無ければ、ボールに集中する事もできません。
問題は「勝ちたい」と言うエネルギーのまま、試合をする事です。
試合に強くなるにはこの「勝ちたい」と言うエネルギーを「ボールへの集中力」に変換する事が必要になります。
この変換するコツを指導してあげて欲しいのです。
必ず、「試合で中々勝てない・・・」と言う生徒さんの悩みを解決してあげれると思います。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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