テニスに必要な感覚とは?

イメージと感覚
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今日は人間の感覚について少しお話しますね。
テニスって感覚でプレーするので感覚が優れていないといけません。

そのためにも自分の感覚について知る事は非常に大切です。
では、まず最初に知って欲しい事です。

それは人間の感覚は十人十色全く違う物だと言うことです。
例えばAという現象をa,b,cの三人が見たとしましょう。

この三人はみんな違うAを見ています。
この意味はお分かりになりますか?

別にA’A’’A’’’の三つをそれぞれが見たという意味ではありませんよ。
ただ一つのAを三人で見たのです。

でも、実はそれぞれは違う物を見ている事になるのです。

この理由は人間は五感と言うフィルターを通して物を見る(感じる)からです。
目は物を見ていません。

目は単に光の信号をキャッチするだけ。
その信号を脳に送ります、そして、脳でその物を認識します。

これが五感というフィルターを通して物を見るという意味です。
という事は三人のフィルター(感覚)がそれぞれ違うので違う物を見ているというわけです。

何となくでもそれぞれが全く違う物をみている意味は解っていただけましたか?

さて、では次です。
先ほどは物を見ることを例えてみましたが、実はこれは目だけではなく、
人間の五感は全て同じ事が言えます。

つまり、同じ場面にいてもみんな感じている事は全く違うものだと言う事ですね。
となればテニスはどうか?

そうです、プレー中に感じる物はみんなバラバラと言う事です。
実はこれがテニスのプレーに現れます。

ちなみに私は始めて指導する時に間違いなく聞く事があります。
それは「ボールを観ていますか?」です。

するとほぼ全ての方は「はい見ています」と答えてくれます。
でも、実は違うんですね。

私が質問している「観ていますか?」という意味はどんなフィルターを通して感じているか?
という意味なんですね。

例えばフィルターが曇っていたり、目詰まりしていたりすると全く違う事を感じている事になります。

実はこれがパフォーマンスの違いに現れるというわけです。
つまり、何が言いたいか?

「観えている」「聴こえている」「感じている」「解っている」とは思わないほうが良いと言う事です。
もっと言えば自分のフィルターはある意味信用しないほうが良いと言う事です。

もちろん、フィルターの性能や能力について言っているわけではありません。
人間はちょっとした意識の持ちようでフィルターは曇ったり、詰まったりする事があるからです。

これは自然なことです。
ですから、この事を知っておく事が非常に大切。

でないと、自分は観ている(観えている)、聴いている(聴こえている)解ろうとしている(解っている)
と思ってしまいがちです。

そうならないようにしたいものです。

ちなみに自分のフィルターが曇っている事に気づくことができるとどうなるか?

例えば先ほどの「ボールを観ていますか?」という質問に対して、こんな方がいます。
「コーチ、私、今までボール観てませんでした(観えていませんでした)」
と後で気づく方がいます。

これは素晴らしい気付きです。
自分のフィルターが曇っていた事に気がついたわけです。

実はテニスが上達する時にはこのような気付きが生まれます。
そして、それは自分の感覚のフィルターが綺麗に澄んでいる状態からのみ生まれる物です。

いかがですか?
フィルターの大切さ、わかっていただけましたか?

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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