フォアハンドの左手の使い方

テクニック解説
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今回はフォアハンドの時の左手(利き手でない腕)の使い方についてお話ししたいと思います。
実はこの左手の使い方は非常に大切です。
一般的には。
・バランスを取るために使う
・肩を入れる為に使う
などと言われますが、残念ながら、そうではありません。

もちろん、これらが間違いと言うわけではありません。
確かにそのような役割もしているかもしれませんが、それでは不十分なのです。

では、まず、いくつか画像をご覧ください。

フォアハンドストロークを武器とする世界のトップ選手4人です。
さて、彼らの左手の使い方を観察すると何か気が付く事がありませんか?

それは左手の位置が非常に高い事です。
一番低いのはナダルで他の選手は頭の高さまで左手が上がっています。

どうして、彼らはこれほど高い位置に左腕を上げるのか?
ちゃんと理由があります。

ちなみにバランスが目的ではないのは分かると思います。
例えば、サーフィンやスノーボードはバランスが非常に大切になりますが、これらのスポーツでは腕をこれほど高く上げる事はありません。
何故なら、これほど高く上げると逆にバランスはとりにくくなるからです。

理由はこの高さに上げる事で左肩、肩甲骨から広背筋を伸ばす事が出来るからです。

左肩甲骨や広背筋がしっかりと伸ばされるとスイングの為の捻り戻しのエネルギーが大きくなります。
ところが、左手の高さによって、この部分のハリに違いが出てきます。
結論から言うと左手を上に上げた方がより、しっかりとストレッチされるのです。

この違いは実際に試してみていただくとすぐに分かると思います。
左手の中指の先を第三者に持ってもらって、テークバックする時の方向に引っ張ってもらってください。
この時に。
1.頭の高さで引っ張ってもらう
2.肩の高さを引っ張ってもらう
3.腰の高さで引っ張ってもらう

この3種類を体験してみてください。
明らかに肩から背中にかけてのハリの一体感が違う事がわかると思います。

もちろん、一番一体感があるのが1.の頭の高さです。
彼らが一見、不自然なほど、高い位置に左手を上げてテークバックする理由は、より大きな捻りのエネルギーを作る為に、この部分を身体に一体化させてストレッチしたいからです。
つまり、バランスを取る為でも、肩を入れる為でもないのです。

この部分をしっかりと伸ばす事が出来るとスイングでより大きな捻り戻しのエネルギーを使う事ができます。
基本練習で、この部分のハリを感じるようなテークバックを練習してみてください。
上手く連動させる事ができれば、力を使わずに、より威力のあるボールが打てるようになりますよ。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

コメント

  1. TK より:

    目に鱗です。チョンヒョンが凄く左手を高く上げるなあと思っていました。

    サーブや片手スライスには自分なりに応用できそうに思えるのですが、両手バックハンドへの応用はいかがでしょうか?

    • wp_feel より:

      TKさん
      いつも応援ありがとうございます。
      さて、両手バックハンドについてですが、この場合はグリップを両手で持つので、右肩甲骨と左肩甲骨のバランスが必要になります。
      その為に、フォアの時と同じような感覚にはなりません。
      詳細は次回、詳しく紹介します。

      • TK より:

        ありがとうございます。
        広背筋にどう関係あるのか(または、無いのか)興味津々です。ナダルのあの背中の筋肉がどう役立っているのか…などと考えてしまいます。
        楽しみにしています!

  2. wp_feel より:

    杉浦様
    いつも応援ありがとうございます。
    さて、ご質問の低いボールについてですが、基本的には肩甲骨、広背筋の使い方は同じと考えて良いと思います。
    ただ、低いボールは骨盤の前傾姿勢が強くなるので、第三者が見ると「腕を高く上げている」ようには見えません。
    せっかく、ご質問いただいたので、低いボールの打ち方について解説してみましたので、良かったら参考にしてみてください。

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