手打ちにならない身体の使い方

テクニック解説
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今回のテーマは「手打ちにならない身体の使い方」です。

ボールには「強いボール」「弱いボール」「重いボール」「軽いボール」「速いボール」「遅いボール」など、いろんな質のボールがあります。

当然、プレーヤーは威力があるボールを身につけたいと思っています。
ところが、ここで知っておかなければいけない事があります。

それは?

「速いボール」=「強いボール」ではないという事。
また、
「速いボール」=「重いボール」でもない事です。

つまり、速くても軽いボール、または弱いボールがあると言う事です。
速くても弱いボールはラケットの面やタイミングを合わせると容易に返球することができます。

ところが、速くは見えないのに実際に打とうとすると、ボールが重かったり、ラケットが弾かれたりするボールがあるのです。

もちろん、感覚的な事なので、物理的に実証することは難しいと思います。
ですが、プレーヤーとしては必ず、感じることです。

では、どうしてこのような違いが生まれてくるのか?
なぜ、速く見えるのに軽くて打ちやすいボールになってしまうのか?

実はボールの質の違いはボールに与えるエネルギーの質の違いから生まれてきます。

例えば、手首を主に作り出したエネルギー。
腕を主に作り出したエネルギー。
肩を主に作り出したエネルギー。
・・・・

これらは全て質が違うエネルギーです。
極端に言うと、これら3つのエネルギーでそれぞれ、時速80kmのボールを打ったとしましょう。

見た目は同じ速度です。
ですが、ボールの質は違います。

手首で作り出したエネルギーのボールが一番、弱く軽いボールになります。
つまり、身体の中心に近い部位で作り出したエネルギーでボールをヒットしたほうがより強いボールが打てるということなんですね。

よく「手打ち」と表現される事がありますよね。
それと良く似ていると思ってもらっても良いと思います。

特に難しい事ではありません。
身体で作ったエネルギーを肩や腕、手首はただ伝えるだけ。

極端に言えば、腕は振る必要がありません。
と言うより、腕を振れば振るほど、ボールの質は低くなり、またボールのコントロールも悪くなります。

ところが、身体で作ったエネルギーを腕が自然にボールに伝える事ができると、ラケットの上にボールが乗る時間が非常に長くなり、ボールの質が上がり、またコントロールも非常に良くなります。

ボールには自然に回転がかかり、弾道が少し高くなります。
ところがしっかりとボールはコート上にバウンドし、そして、相手の方に伸びていくボールになります。
にも関わらず、自分は力を入れて打っている感覚がありません。

自分では力を入れているつもりはないのに、ボールが勝手に狙った所に飛んで、そして、バウンド後は伸びる。
こんな感じです。

これは先程も紹介したように身体の中心で作ったエネルギーを伝える為に起こる事です。

ちなみにテレビに出てくるような世界のトップ選手達のプレーを見ていると非常に楽そうに見えませんか?
力んで力いっぱい打っているようには見えませんよね。

ところが実際に飛んでいるボールは唸りをあげて相手の方へ迫っていきます。
これも基本的には同じです。

彼らは身体のある一部(アマチュアに多いのは腕)を過度に使ってボールを打っていません。
体全体がそれぞれの役割を果たしながらヒットしているんですね。

例えばそれはオーケストラをイメージするとわかりやすいと思います。
バイオリンやクラリネット、チェロやパーカッションなど、いろんな楽器が一緒に演奏します。

この時一番大切な事は全体の協調です。
美しいハーモニーを奏でるためにはどれか一つの楽器が表に出すぎてはいけないんですね。

その為に指揮者が非常に大切なわるワケですが。

実はテニスのスイングも同じです。
身体全体の動きが協調し合っている必要があります。
どこかの部位が必要以上に出力してはいけないんですね。

ボールの質を上げる事はテニスの上達には非常に大切な事です。

ボールの質を上げるのは筋力や体力ではありません。
逆に筋力や体力に頼ると年齢と共に必ず、パフォーマンスの質は低下します。

そうではなく、身体全体を自然に使い、無理なく、大きなパワーを生み出す技術。
これを磨く事でこれからもまだまだテニスは上達する事ができるのです。

本日は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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