今日のテーマは「フォーカスする対象の違い」です。
私達の身体はフォーカスする対象が変わると感覚が全く変わります。
その為に、フォーカスする対象を間違うと、テニスは中々上達する事が出来ません。
とても分かりやすい例が「ボールを飛ばす」と「ラケットを振る」の違いです。
実はこの二つの動作は他人が見るとその違いに気付く事は非常に難しいです。
実際に下記の二つを試してみてください。
一つは「ボールを飛ばす」イメージでボールを打ってください。
そして、もう一つは「ラケットを振る」イメージでボールを打ってください。
この二つの動作を見ても他人からはほとんど同じに見えます。
ですが、実はこの二つの動作は全く違う物です。
前者は意識がボールにフォーカスされていますが、後者は意識がラケットにフォーカスされています。
その為に、身体の感覚は前者はボールを感じ、後者はラケットを感じます。
当然、その結果も変わってきます。
ところが、残念な事にこの違いに気が付いていないテニスコーチ、テニスプレーヤーがたくさんいます。
その為に、遠回りをします。
非常に多いケースは、上手くボールがコントロールできない時に「どうすれば、ボールをコントロール出来るだろう?」と考えてしまうケースです。
「ラケットの面の角度が悪いのだろうか?」
「打点が悪いのだろうか?」
「足の踏み込みが悪いのだろうか?」
「手首や肘の使い方が悪いのだろうか?」
・・・・・・
無数の原因を想像する事が出来ます。
一般的にはこのように原因を考察し、改善する事は上達する為には必要な事だと考えられています。
そして、それが常識となっています。
ですが、実はそれは勘違いです。
原因を考察する時点で既に意識のフォーカスはボールから逸れて、ラケットや身体の動きに移っています。
そうなると、先ほどお話ししたように、ボールを感じる事は出来ずにラケットや身体ばかりを感じる事になります。
一見するとそうする事でボールのコントロールは良くなるように思うかもしれません。
ですが、そうではないのです。
大人と子供は「上達する速度が違う」とよく言われます。
一般的には子供達のほうが上達するのが早いです。
では、なぜ、子供たちの方が早く上達する事が出来るのでしょう?
大人の方が体力もあり、考える能力も優れています。
にも関わらず、子供たちのほうが早いのです。
こうして考えると不思議に思いませんか?
ですが、実はここに上達のヒントがあります。
子供達はあまり原因を考察しません。
それよりも素直に目標を達成する事に興味を持ちます。
例えば、的当ての練習をすると。
大人たちは「どうすれば当たるか?」を考え、練習します。
ところが、子供たちは「ただ、的に当てたい」
これだけで練習します。
つまり、大人たちはフォーカスする対象をボールからラケットや身体に変え、子供たちは変えないと言う事です。
実はこれが子供達のほうが早く上達する大きな要因の一つです。
ちなみに、子供であっても、フォーカスする対象を代えれば上達に時間がかかります。
また、大人であっても、フォーカスする対象を代えなければ、早く上達する事ができると言うわけです。
さて、あなたはどうでしょう?
原因を考察して練習していませんか?
もし、そんなところがあるなら大きなチャンスです。
その考察を止めて、いつもボールにフォーカスして練習してみてください。
例え、ミスをしても、気にしないで、そのまま、ボールにフォーカスしたまま練習を続けてください。
不思議と身体がボールをコントロールしてくれるようになります。
ボールコントロールが苦手な人には信じられないかもしれません。
ですが、本当です。
ぜひ、試してみて欲しいと思います。
私達の身体は自分が思っている以上に素晴らしい能力を備えています。
その能力を上手く活用してください。
それが最もテニスが簡単に上達する方法です。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいてありがとうございます。
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