目に見える物に頼るとテニスは上達しない

イメージと感覚
この記事は約4分で読めます。

今日は「目」について少しお話します。

では、まず、結論です。
「目ほどいい加減な物はない」と言う事です。

目は自分が思っているほど、コントロールできるものではありません。
また、自分が思っているほど、観えているわけでもありません。

目は自分にとって都合の良い物しか見ていません。
必ずしも必要な物を見ているわけではないんです。

これはご存知だと思いますが、目は単に光の信号をキャッチしているだけです。
その光の信号は脳に送られ、脳の視覚領で映像として認識されます。

つまり、目で見ているわけではなく、脳で見ていると言っても良い訳ですね。
その為に、脳の興味のある事に改ざんされて映像化されていると言っても良いほどだと思います。

まず、この事に気づくことが大切なんです。
自分の目が観えていると思っていると目のコントロールはもちろんですが、自分自身をコントロールする事ができません。

その為に本当に大切な事が見れずになかなか上達に結びつかないんですね。

例えば、プレー中に少し「焦り」が発生したとしましょう。
すると目はもうボールを観ていません。
また同時に脳もボールを映し出す事はありません。

「焦り」に関係する物に目は奪われ、そして、脳はそれを認識します。
例えば、それが相手だったり、相手のコートだったりします。

その為に、当然、ボールをしっかりとヒットする事はできなくなります。
また、体の動きや反応も変わってしまいます。

ただ、ここで私がお伝えしたい事は「焦るな」と言うことではないんです。
人間誰でも、自分が意図していない事が起きれば多少は焦りが出ても不思議はありません。

それはある意味自然な事です。
でも、まずいのは自分自身に「焦り」が発生している事に気がついていない事です。

ここが大事なんです。
つまり、自分で自分が分かっていないと言うことです。

こうなるともう迷子になっているような物。
自分がどこにいるか分からず、パニックを起こしているのと同じ。

自分が迷子になってもパニックにならなければ、「今、自分がどこにいるのか?」を探し出す事ができます。

これとテニスの焦りも同じ。
いくら焦っても自分が焦っていることが自分で分かっていれば、それなりの対処ができるようになります。

でも、残念ながら、自分が焦っている事に気がつかない人がいます。
この状態は進歩がありません。

閉回路、つまり、「堂々巡り」をしてしまいます。
実は練習を継続しているのになかなかその効果を実感できない人達が陥っている問題もこれです。

自分では気づいていないけれど、実は堂々巡りをしている状態なのです。
その入り口が自分の「焦り」だったりするわけですね。

そして、そんな状態になれば、先ほども言ったように目はボールを観ていません。
でも、多くの方はその事に気がついていないのです。

「目はボールを観ている」と思っているわけです。
先ほども言ったようにこれでは新しい自分に進化することはできません。

まず、自分の目を疑ってみてください。
本当に自分はボールに興味を持っているのか?
そして、また本当に目はボールを追い続けているのか?

この事を疑い始めると自分の目が本当は違う物を写していた事に気がつき始めます。
こうなると突然いろんな変化がおき始めます。

今までボールに集中できなかった場面でもボールに集中できるようになります。
そうなれば当然テニスのパフォーマンスも変わると言うことです。

ちなみにこのような気づきは突然やってきます。
そして、気づいたら次の瞬間からプレーが変わります。

だからテニスの上達に時間は関係ないんです。
テニスのパフォーマンスは筋力やフォームや打ち方で決まるわけじゃないです。

もっと人間の本質的な能力で決まります。
なので、新しい事に気づくことが非常に大切なんですよ。

その一つが「目」だと言うことです。
さて、本日のお話は以上です。

何かヒントになれば幸いです。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

コメント

タイトルとURLをコピーしました