さて、早速ですが、今回は先日いただいたお便りについてお話したいと思います。
こちらがいただいたお便りです。
「戸村様
いつもお世話になっております。
メルマガ、楽しく読ませていただいています。
何回か前のメルマガで、フィーリングテニスが目指すもの、てありましたけど、本当にその通りだと感心しました。
頑張れば頑張るほど、定期的に心のエネルギーがなくなるんです。
それは、今の私を否定され続けてるからなんですよね。
まさに今、心のエネルギーがなくなっています。
言葉って、自分は気にしていないつもりでも、思いのほか影響してるみたいです。
心のエネルギーがなくなった時の対処法を教えていただけませんか?
なんか楽しくない(;_;)」
いかがでしょう。
とっても正直な気持ちをお伝えしていただいたと思っているのですが、実は同じような悩みをお持ちの方多いと思うんです。
楽しむはずのテニスなのに、このような状態に陥る矛盾。。。
悲しい事ですが、これが現実です。
さて、それではどうしたらこの状態から抜け出せるか?
この事について今日はお話します。
ポイントは二つです。
一つは心のエネルギーが無くなる理由を理解する。
もう一つは自分で心のエネルギーを沸かせる方法を知る。
この二つで抜け出せると思います。
では、まず、心のエネルギーが無くなる理由について。
この方も書かれてますが、今の自分を否定すると心のエネルギーは急速に低下します。
それは自分で否定しても第三者に否定されても同じです。
否定されると最初は、「頑張ろう」と思っても実はどんどんエネルギーが低下している事には違いありません。
ですから、定期的にエネルギーが無くなってしまうんです。
エネルギーを無くさないようにするには今の自分を否定しないことがポイント。
ですが、実はこれ、それほど簡単ではありません。
なぜなら、否定しているつもりがないのに実は否定している事が非常に多いからです。
あからさまに「それはダメ」「これもダメ」「それは違う」「あれも違う」と否定したり、否定されたりするとわかりやすいですよね。
でも、実際にはこんなにあからさまに否定されるわけじゃない事が多々あります。
ちなみに、もし、あからさまに否定されるような環境なら、即刻環境を変える事をおすすめします。
そんな環境では本当の自分の能力なんて絶対に開花する事はありませんから。
でも、本当に厄介なのは気づかないうちに、否定されたり否定していたりする事。
この状態が定期的にエネルギーが無くなる環境です。
では、気づかないうちに否定してしまっている状態とは?
それは、理想を求める事なんです。
「理想を求める」
これだけ聞くと何も間違ってないと思うと思います。
それどころか、向上心があって良い事のように思うかもしれません。
でも、違うんですね。
「理想=自分」ではない事が多々あります。
強いて言えば「自分を極限まで磨いた状態」が理想と言えるかもしれません。
でも、ほとんどの場合、自分ではなく、単に一般的な「理想」を追い求める事が非常に多いんです。
例えば、宝石を考えてみましょう。
ダイヤモンドは磨くと本当に魅力的な輝きを発するようになります。
では、サファイアはどうでしょう?
どのように磨けばダイヤモンドと同じような輝きを放つようになるでしょう?
これ、無理ですよね。
どんなに頑張って磨いても、またどんな方法で磨いても、サファイアはサファイア。
ダイヤモンドの輝きには絶対になれません。
またダイヤモンドの輝きを放つ必要もありません。
ですが、きちんと磨いてやればサファイアとして唯一無二の輝きを発するようになります。
実は「理想」と言う言葉の裏にはこんな危険が隠れているんですね。
「自分=サファイア」ではなく「自分=ダイヤモンド」として理想を求めるとこれは自分を否定している事になるんです。
サファイアはサファイアとして磨けば良いんです。
ルビーはルビーとして磨けば良いんです。
画一的な理想を追いかける事は実は良い事じゃないんです。
本当の自分の可能性を否定している事になるんです。
ですが、この事に気がついていないプレーヤーや指導者が非常に多いのが現実。
その為に、
「フォアハンドはこうして、ああして」
「ラケットの振り方はこうして、ああして」
「この時は体はこうして、ああして」
「腕はこうして、ああして」
・・・・・・・・・・・
こんな練習をしてしまうんですね。
これは「自分」を磨く作業ではなく、単に実体の無い「理想」を追いかけているだけです。
ですから、練習してもなかなか上達しません。
その上、しばらく練習すると心のエネルギーがなくなっていくんです。
では、どうすれば良いのか?
フィーリングテニスの練習は画一的な理想は求めません。
そうではなく、「自分と向き合う」または「ボールと向き合う」練習だけに注力します。
そうすれば、日々新しい発見があります。
「え!自分の体ってこんな反応するんだ!」
「え!ボールってこんな事が起こっているんだ!」
こんな感じ。
新しい発見や気づきが生まれるととても刺激的で楽しいです。
こんな事って理想を追いかけているうちは生まれません。
でも「自分と向き合う」「ボールと向き合う」練習をしていれば自然とこんな発見が生まれます。
ですから、いつも楽しいんです。
また、そんな練習を繰り返す事で自分の成長や進化も感じることができます。
ですから、心のエネルギーが無くなる事なんてありません。
それどころか、どんどん心のエネルギーが増幅して、テニスが楽しくなります。
それが、またテニスの進化を早めてくれます。
私がおすすめするテニスはそんなテニスです。
ぜひ、あなたも心のエネルギーが増幅するテニスをプレーしてくださいね。
これが一つ目の心のエネルギーが無くなる理由を知る大切さです。
では、次に2つ目の「自分で心のエネルギーを沸かせるには?」
残念ながら心のエネルギーが無くなってしまったらどうしたら良いか?
これは実はとても簡単です。
「感動」する事です。
人は心が動くとエネルギーを発します。
「喜び」「悲しみ」「怒り」「楽しみ」
このような感情は良い悪いは別にしてエネルギーを沸かせてくれます。
ですから、行動を起こす事ができます。
でも、できれば「喜び」や「楽しみ」のエネルギーを沸かせたほうが良いですよね。
なので、「感動」する物に触れれば良いんです。
それはテニスでなくてももちろんOK。
「感動する本」
「感動する映画」
「感動する音楽」
「感動する絵画」
・・・・・・
何でも良いんです。
自分の壺にはまる「感動アイテム」
これに触れてください。
心が何かを「感じ」「動いて」くれます。
これが心のエネルギーを沸かしてくれます。
もちろん、テニスで「褒められる」、または自分で「褒める」の最高。
誰でも褒められると「喜び」や「嬉しい」エネルギーが沸くでしょ(・∀・)b
でも、本当にエネルギーが無くなってしまったら「褒める」事も難しいと思います。
そんな時はテニスに限らずに感動アイテムを利用すると良いです。
きっと、今までと違う感覚でテニスがプレーできると思います。
良かったらぜひ、試してみてくださいね。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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