テニスの指導

テニスの上達の為に
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早速ですが、今日のテーマは「テニスの指導」と言う事でお話ししたいと思います。

テニスの指導と言えば、まず、フォームです。

どんな風に打てば、上手くボールを操る事が出来るか?
ほぼ全ての指導現場でこれを指導されます。

きっと、あなたも、誰かから指導される時はフォームや打ち方を習うと思います。
でも、私はこれらを指導しません。

理由は簡単です。
フォームや打ち方を指導するとテニスは上達しないからです。

フォームや打ち方を習うと頭で理解できるので、上達するような気にはなると思います。

でも、現実は上達しません。
幸運にも、その時は多少、上達しても、すぐに上達は止まります。

私は30年以上レッスンをしてきて、この事に気が付きました。

「じゃ、一体何を指導するの?」
「フォームや打ち方を教えなければ、コーチする意味がないじゃん」
と思う方がおられるかもしれません。

いいえ、そんな事はありません。
フォームや打ち方以外でお伝えしなければ、ならない事は山ほどあります。

それは、テニスの本質です。

本質とは老若男女を問わず、いつでも、どこでも、どんな状況でも必ず成り立つ普遍の事です。
これを指導する事で、それぞれ全く違う感性や感覚を持っている生徒さんであっても、誰一人、弊害が出る事無く、上達する事が出来ます。

フォームや打ち方はあくまでも方法論の一つです。
つまり、枝葉の現象であり、本質ではありません。

枝葉の現象や方法論を学ぶ事は、本質からどんどん逸れる事になります。
その為に、上達は必ず止まります。

人は必ず誰もが素晴らしい能力を備えています。
ただし、それらは皆同じ物ではありません。

それぞれが全く違う素晴らしい感性や感覚を持っているのです。
枝葉の現象や方法論を学ぶ事はその感性や感覚を殺す事になります。

その為に、方法論を指導すると上達は遅く、そして、確実に止まります。

私が、フォームや打ち方の指導をしないのはその為です。

では、テニスの本質とはどのような物か?

例えば、物理法則や人間の身体の構造などです。

テニスは地球上でテニスをする限り、必ず重力の影響を受けています。
この影響は想像以上に大きく、その影響を度外視して、起こる現象はありません。

ですから、テニスが上達するにはこの影響に従ってプレーする必要があります。

ところが、フォームや打ち方を練習するプレーヤーはこの最も大切な条件をすっ飛ばして、望むプレーを実現しようとします。
でも、残念ながら、そんな事は起こりません。

その為に、いつまでも、プレーヤーの意に反した事ばかりが起こるのです。

例えば、アウトミスが多いとしましょう。
これには必ず理由があります。

一般的には「その原因はフォームや打ち方などにある」と考えます。

「打点が悪かった」
「膝が使えていなかった」
「回転が足りなかった」
「ラケット面が上を向いていた」
・・・・

こんな感じですね。

確かにこれらが影響がない訳ではありません。
ですが、それらはあくまでも方法論の一つでしかありません。

本質はそうではありません。

では、ボールがアウトする本質は?

ボールに与えたエネルギーの大きさと打ち出し角度のバランスがその距離に合っていなかったからです。

ボールが最も遠くに飛ぶのは45度の角度で打ち出された時です。
その角度よりも狭くなっても、広くなっても、ボールの距離は短くなります。

ここで多くの人はボールを低く打って、距離を短くしようとします。
ですが、それではネットにかかってしまいます。

本来は打ち出し角度を上に上げる必要があるのです。
仮に90度で打ちあげたらボールはどうなるか?

どんなに強く打っても、その場に落ちてきます。
つまり距離はゼロです。

このようにボールは45度以上の角度で打ち上げると、距離はどんどん短くなります。
あとはボールに与えるエネルギーの大きさとバランスを取れば良いのです。

極論を言えば、フォームや打ち方はどうでも良いです。
このバランスが取れれば、ボールは確実にコートに収まります。

ところが、この練習をすると非常に面白い事が起こります。
それはフォームや打ち方がどんどん変化する事です。

「フォームや打ち方はどうでも良い」状態で練習しているにも関わらず、結果的にはフォームや打ち方がどんどん洗練されていくのです。
そして、ボールコントロールと良いフォームの両方を身に付ける事が出来るのです。

これは身体が理に適った動きをし始めるからです。
物理的に理に適った現象を起こすには、身体も理に適った動きになるんですね。

これがテニスの本質を学ぶメリットです。

もし、あなたがテニスの上達を実感できていないなら、それは枝葉の現象を練習している事が原因です。
本質を学んでください。

まずはフォームや打ち方の練習から抜け出してください。
必ず、何らかのヒントが見つかります。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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