なぜ、打点が遅れてしまうのか?

テクニック解説
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今回は打点が遅れてしまう理由について少しお話ししたいと思います。
打点が遅れて、詰まってしまうミスに悩みを持っているアマチュアプレーヤーは非常に多いです。
また、この問題は「遅れないように」と意識して練習してもなかなか改善しない厄介な問題です。

実際に「振り遅れないように意識しているのに、詰まってしまう・・・」
こんな悩みを持っている方は多いと思います。

では、なぜ、打点は遅れてしまうのでしょう?
意識して練習しているのに、どうして、なかなか改善しないのでしょう?

能力?素質?才能?年齢?性別?・・・
実はそうではないんです。

理由はとても簡単で、本当の原因を改善する練習をしていないからです。
つまり、簡単に言えば、関係の無い練習を繰り返しているからです。
本当の原因を改善する練習をすれば、誰でも遅れない打点を身に着ける事は可能です。

ちなみにあなたは打点が遅れる原因は何だと思いますか?
ほとんどの方は「時間が遅れるから」だと思っています。
正直なところ、私も以前はその要素が大きいと思っていました。
つまり、「ボールとの時間を合わせる感覚が合っていないから」と。
ですから、「早く準備して、早く振り出す事ができれば打点は遅れないようになる」
こんな風に考えがちです。
実際、「早く準備して!」「早くラケットを引いて!」
こんなアドバイスを聞かれる事は非常に多いと思います。

ですが、残念ながら、これでは打点の遅れを改善する事はできません。
理由は簡単で、打点が遅れる原因が時間の問題では無いからです。
時間を遅れる事が問題で打点が遅れるなら、早く準備して、早く振り出す練習をすれば、打点の遅れはだんだん改善されていくはずです。
ですが、これでは、ほとんどの方は改善しません。
あなたはどうでしょう?
「時間が遅れないように早く準備しているつもりなのに、なかなか打点が前にならない・・」
こんな悩みを持っていませんか?
もし、そうなら、あなたの打点が遅れるのも時間の問題ではない可能性が非常に大きいです。

では、時間の問題以外にどんな原因があるのか?
それは、身体の使い方の問題です。
実は身体の使い方に問題があるとどんなに早く準備して、どんなに時間的に余裕があっても、やっぱり打点は遅れて詰まるところで打ってしまうのです。
と言うよりも、「詰まった打点で打つように時間を合わせてしまう」と言ったほうが良いかもしれません。
あるいは「詰まった打点で打つような身体の使い方をしている」と言っても良いでしょう。

このような原因で打点が詰まってしまう方は詰まらない打点で打つ身体の使い方を練習しなければ、いくら早く準備しても遅れた打点を改善する事はできないんです。

さて、では、具体的にどのように身体を使えば良いのか?
いくつか、ポイントがありますが、大きなポイントは3つあります。

1.テークバック時の拳の位置
まず、一つ目はテークバック時の拳の位置です。
拳は自分の身体の胸側にセットする事が非常に重要です。
打点が遅れる方のほとんどが拳の位置が大きく移動させるので自分の身体の外側に出てしまいます。
場合によっては背中側に移動してしまっている方も少なくありません。
これでは、体幹の動きに腕が遅れてしまいます。
その為に、どうしても手打ちになり、体幹に対して、拳の位置が遅れ、結果的に詰まった打点でしか打てなくなります。
また、ラケットヘッドの位置も重要です。
拳を大きく移動させるとそれに伴って、ラケットヘッドも背中側に引かれてしまう事がほとんどですが、これも大きな問題です。
ラケットヘッドは背中側ではなく、できれば、胸側にセットする、または大きく引いても打球方向とは真逆の方向までにとどめる必要があります。

2.体幹の動き
二つ目のポイントは体幹の動きです。
体幹の捻り戻しが使えていれば、拳の位置は自動的にネット方向に移動します。
当たり前の話ですが、腕は体幹に付いていますので、右肩がネット方向に移動すれば、それに伴って拳の位置も必ず、前に移動するのです。
ところが、体幹の動きが無ければ、いくら腕を前に振っても、拳の位置が体幹よりも前に出る事はありません。
つまり、詰まった打点でボールとコンタクトしようとします。
ですが、体幹が捻り戻しによって正面を向くまでしっかりと動けば、特に腕を前に振らなくても、拳の位置は自然と体幹よりも前に移動してくれます。

3.インパクトに向かうラケットフェースの向き
最後はインパクトに向かう時のラケットフェースの向きです。
実はテークバックから、インパクトに向かう時にラケット面がボールの方を向いてしまうより、地面に向いた状態のほうが打点が自然と前になります。
と言うのはラケット面が早くボールに向かってしまうとボールにはいつでもコンタクト出来てしまいます。
ですが、地面に向けてスイングすると体幹が正面を向き、拳の位置が前に出てこないとラケット面がボールの方を向かないのです。
その為に、自然と打点が詰まらないようなタイミングを計るようになります。

この部分は錦織圭選手のフォアハンドの打点を参考にするとよくわかると思います。

細かいポイントは他にもいくつかあるのですが、大きなポイントは以上の3点です。
これらのポイントは時間の問題ではなく、身体の使い方のポイントです。
このポイントが実践されると打点が遅れて詰まってしまう事はなくなります。
逆に言えば、「打点が遅れないようにしよう」などと意識する必要はなくなります。
ただ、ボールを観て、打てば、勝手に打点が前になっています。

ちなみに「早く準備して!」「早くラケットを引いて!」と言うアドバイスに対して、真面目に取り組む方は残念ながら、なかなか打点の遅れを治す事ができません。
理由はポイント1の問題に拍車をかけるからです。
「早く準備しよう」「早くラケットを引こう」と練習すればするほど、拳の位置が身体からはずれてしまうのです。
ですから、いくら「前でボールを打とう」と思っても結局、打点は遅れてしまうんです。

さて、以上が私が考える打点が遅れてしまう原因でした。
良かったら一度試してみてくださいね。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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