今日は反復練習の意味についてお話ししたいと思います。
テニスには反復練習がつきものです。
特に基礎的な技術のレベルを高めるには必ず必要です。
ですが、同じ反復練習をするにも取り組み方を間違えるとその練習効果は低くなります。
実際に同じように反復練習をしても練習効果の高い人とそうでない人がいるのはお分かりだと思います。
では、この練習効果の違いがどこから生まれて来るのか?
それは記憶と気づきの違いです。
伸び悩む方のほとんどは新しい事を覚える為に反復練習をします。
ですが、反復練習は覚える為にするのではないのです。
反復練習は新しい事に気付く為にするのです。
同じ事を繰り返す事で今まで気が付く事が出来なかった事に気づく事が出来るようになるからです。
大きな違いであれば、すぐに気づく事ができるかもしれません。
ですが、小さな違いは少々練習しても気が付く事ができません。
ですから、何度も何度も、同じ事を繰り返すのです。
同じ事を何度も繰り返し、観察するからこそ気づける事がたくさんあります。
これが上達の秘訣です。
「上達する」するとは小さな気づきの蓄積です。
ところが、反復練習を記憶する為だと勘違いしている方がいます。
残念ながら、これでは、上達は止まってしまいます。
何故なら、何かを覚えようとした時にはそれ以上に進化する事がないからです。
もちろん、覚えるまでの過程ではそのレベルに違いはあるかもしれません。
ですが、もし、覚えてしまったらどうでしょう?
それ以上進化する事はありません。
それに対して、気づきはどうでしょう?
何度も何度も繰り返し、観察する事で今まで気が付く事ができなかった事に気付く。
これには終わりがありません。
まだ、気づけていない事は無限に存在します。
つまり、無限に上達する可能性を秘めています。
また、実際に新しい事に気付く事ができるとその瞬間にテニスのレベルも変化します。
ある時、突然、「出来なかった事が出来るようになる」
そんな瞬間があるのです。
それは自転車に初めて乗れた時と非常に良く似ています。
自転車はある時、ある瞬間から乗れるようになります。
それまで、あれほど、こけてばかりだったのに関わらず、その瞬間が突然やって来るのです。
反復練習を記憶する為ではなく、気づく為に練習していると同じように突然出来る事がいろいろ増えてきます。
私はこれを上達だと考えています。
記憶するテニスは上達すればするほど、とても難しくなります。
理由は覚えなければいけない事がただひたすら増えていくからです。
ですが、気づくテニスはそうではありません。
上達すればするほど、シンプルになります。
もちろん、小さな事に気付く為の集中力や注意力、観察力や洞察力。
このような力が求められるのは間違いがありません。
ですが、気づいてしまえば、一生物です。
どんどん、テニスがシンプルになります。
そして、何より、記憶するより気づく方が楽しいのです。
考えてみてください。
テニス以外の事でも「なるほど!!」と何かを発見したり、気づいた時は何とも言えず、嬉しくなりませんか?
人は今まで気づけなかった事に気付く事ができるととても深い満足感や充実感を得る事ができます。
この気持ちはテニスをもっと楽しくしてくれます。
楽しいのでより集中し、また新しい気づきが生まれる原動力になります。
ですが、記憶はどうでしょう?
少なくても私の場合は「記憶する」とイメージすると学校の勉強を思い出してしまいます。
とっても苦しいイメージです(笑)
もちろん、私のようなイメージを持つ人ばかりではないと思います。
記憶する事が良いイメージを持っている方もおられるでしょう。
ですが、テニスの上達に必要な物は「記憶」ではありません。
「気づき」です。
その為に、最も必要な練習が反復練習なのです。
同じ事を繰り返すからこそ、気づける事がたくさんあるのです。
もし、あなたが今、反復練習を記憶する為にしているのなら。
一度、気づく為にしてみてください。
新しい発見や気づきがあると間違いなくテニスは今以上に楽しく、そして上手くなりますよ。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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