今日のテーマは「五感」です。
テニスは五感を磨かなければ上達する事はできません。
逆に言えば、伸び悩んでいる時は「五感が磨かれていない」と言う事もできます。
では、テニスで「五感を磨く」とはどういう事か?
例えば、視覚。
視覚は外界を見る為の感覚です。
一口に「みる」と言っても、「見る」「視る」「観る」と違う感じがあります。
これは、「みる」為に必要な注意力の違いを表しています。
また、同時にその注意力の違いによって、「みえる」物が変わります。
つまり、「ボールが見える」と「ボールが観える」ではそのレベルは全く違うわけです。
では、あなたはどうでしょう?
「ボールが見える」のでしょうか?
それとも
「ボールが視える」のでしょうか?
それとも
「ボールが観える」のでしょうか?
ここに上達のヒントがあります。
同じような違いが聴覚にも、触覚にも存在します。
テニスの場合、嗅覚や味覚が直接関係するようには思われませんが、少なくても視覚、聴覚、触覚は非常に大切な感覚です。
例えば、音楽家の方達の聴覚は一般の人達とは全く違う物であるのは想像できると思います。
私では聞き分ける事ができない音を聞き分ける事ができるでしょうし、それに伴って、音から受ける感覚も全く違うはずです。
それだけ音からの「感受性が高い」と言えると思います。
これはテニスも全く同じ事が言えます。
テニスボールからの感受性がその人のレベルと言っても良いでしょう。
ボールを「みる」と何がみえて、何を感じるか?
打球音を「きく」と何がきこえて、何を感じるか?
ボールをインパクトするとどんな感触がして、何を感じるか?
みんなそれぞれ、全く違う物を感じているはずです。
ですが、確実に言える事はレベルの高い選手ほど、感受性が高いという事です。
逆に言えば、ボールからの感受性を高める事でレベルを上げる事ができるという事でもあります。
では、感受性を高めるにはどうしたら良いか?
最も大切な事は「考えない事」です。
「思考」と「感覚」は相反する世界です。
考えれば感じる事はできません。
つまり、感受性は磨かれないのです。
私達の脳には様々な能力が備わっています。
「思考」はその中のほんの一部です。
脳は考える為だけに存在するわけではありません。
考える能力以外の能力のほうがより大きな可能性を秘めています。
ここにテニスが上達するヒントがあります。
ところが、現代の社会においては「考える」事の重要性が必要以上にクローズアップされています。
ですからどうしても、「考える事が大切」「考える事が必要」「考えないと変わらない」と思わされてしまいます。
ですが、それは勘違いです。
「思考」は脳に備わっている能力のほんの一部です。
そのほんの一部に支配されてしまうとテニスの上達は止まります。
伸び悩みを感じている方こそ、考えるのを止めてください。
そして、五感をフルに働かせてください。
必ず、ヒントが見つかるはずです。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
コメント
初めてコメントします。このサイトの以前の投稿である、イップスについて読ませていだたきました。実は私は今大学三年生でがっつりサークルでテニスしています。去年大学の中で選抜としてオールに選ばれて、一応今年も無事選抜されました。(いずれもダブルスです。)
中高の時からダブルスが得意な方で、ボレーとスマッシュ、そしてリターン雁行でフォアハンドをクロスとストレートに結構な急速で打って前に出ることを得点パターンにしていました。この頃はバックハンドが苦手で、フォアを武器にしていたつもりでした。
大学に入って、たまたま入学した大学が結構ダブルスがつよく、前並行をしっかり作る環境に身をおきました。ボレーを得意としていたし、スピンロブ等も結構打てる方であったので、個人的にはぴったりだと思って練習に打ち込んで来ました。
実際それで強くなることができてオールになることなどの目標は達成できていますが、自分の格上に勝てていません。
その原因がフォアハンドです。雁行の時と違って相手も前並行なので、沈め玉を打たなければならないのですが、フォアハンドを打つ時、記事にあったようなまさに
・面がどこを向いてるかわからなくなる。
・ネット手前2mくらいでバウンドしてりする一方で、暴発アウトもする
・対してバックはしっかり沈められるし、コースの打ち分けも人並みにはできる。
という症状にここ1年陥っています。まずは球出しからしっかり色々と意識して試してみて、その後練習試合で試してそこまではうまくいくのですが、本番とか対外試合等でやっぱりこの症状になってフォームの見直しして球出しして、、、の繰り返しをしています。全くうまくなってる気がしません。
周りからは「○○は練習では5倍強いのに。自信持って打てばいいのに」
って言われます。これを言われてもまあ上達に繋がらないので、他の打ち方とかの話も聞いて吸収してるつもりですが、治りません。
またあらゆるサイトでこの症状について調べて「イップス」というワードを見つけて友人や先輩などに話してもあまり真摯に受け止めてもらえず、「イップスなんや笑」みたいな感じです。別に彼らに全く嫌悪感は抱いていませんが、自分もどうすればこのフォアが治るのか模索してます。
シングルスはあまりやってこなかったのですが、このフォアハンド克服のためにシングルスにもチャレンジして、結構な戦績も残せて、今年はオール決めまでいけました。シングルスでは軌道をあげて打てることや、まあ自分のプレースタイルが後ろで頑張るというよりはスライスやストローク、サーブで前を先に取りに行く(ミーシャズベレフ選手のような)プレーなのであまりフォアハンドイップスの症状は出にくく、克服の糸口がつかめませんでした。
イップスだと思うのですが、どうでしょうか
またこのような人はどのように克服手順を踏めばいいのでしょうか。
僕の場合後フォアハンドをしっかり沈められれば、かなりプレーの幅が広がり、格上に挑めるくらいになれると思います。
長文失礼しました。
なるほど、実際に見ていないので確かな事は言えませんが、イップスの兆候がある事は間違いが無いですね。
イップスはフォーム矯正では治す事ができません。
ボールへの集中力と上げ、感覚的にボールをコントロールする練習をする事が必要です。
ただ、イップスになる方は本当の「ボールへの集中」の感覚を知らない場合がほとんどです。
ですから、まずは、本当のボールへの集中とはどんな物なのかを体験する事がもっとも大切になります。
このブログでいろいろ紹介していますので、ぜひ、隅々まで読んでみてください。
きっとヒントは見つかると思います。
また、ボールへの集中力を上げる為の動画もご用意していますので、そちらをご覧いただくのも良いと思います。
焦らず、楽しみながら進んでください。
イップスは焦るとどんどん悪循環に陥ります。
気楽に楽しむ事もとても大切な事ですよ。