闘わない強さ

メンタルトレーニング
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今日のテーマは「戦わない強さ」

一般的には「強さ」と聞くと戦って相手を打ち負かした状態をイメージすると思います。
また、その為に必要な物を手に入れたり、身につけたりすると思います。

でも、実はそうではないんです。

本当の強さを手に入れるには「戦わない強さ」がまず、必要になります。

では、戦わない強さとはどういう物か?
それは「受け容れる」と言う事です。

技術的にレベルが高くでも、メンタルが不安定だと勝負に勝つ事は出来ません。
強い選手は必ず、強いメンタルタフネスを身に付けています。
これは誰もがイメージできると思います。

ところが、ここで多くの人は勘違いします。
強いメンタルとは困難に打克つメンタルだと考えてしまうのです。

メンタルは「自分との闘い」と良く表現されます。

例えば。
「プレッシャーに打克つ」
「壁を乗りこえる」
「障害物を排除する」

これらは、もう一人の自分と闘った末に手に入るという考え方です。
だからこそ、「自分との闘い」と表現されるのでしょう。

でも、本当のメンタルタフネスとは自分と闘ってしまうと手に入らない物なのです。

なぜなら、人間のイメージは意思や思考ではコントロール出来ない仕組みになっているからです。

つまりこう言う事です。
自分A(イメージ)>自分B(意思や思考)

このようにいくら頑張って、もう一人の自分と闘ってもその闘いに勝つ事は出来ないように作られているんですね。

では、どうすれば、本当の強さを手に入れる事が出来るか?

そこで必要になるのが「受け容れる力」です。

自分の意図に反する事を受け容れる事は簡単ではありません。

例えば。
「プレッシャーを感じる自分」
「上手く出来ない自分」
「都合の悪い出来事」
・・・・・

こういう物と闘えば、闘うほど、メンタルは不安定になって、結局は相手との勝負に負けます。
ところが、これらを受け容れる事が出来れば、メンタルは安定します。

すると相手のメンタルが不安定になれば、結果的に勝負は自分の方に転がってきます。これが本当の強さです。

勝てるかどうかは別にして、自分の意図に沿うように闘う事は簡単です。
ただ、望む物を求めて努力するだけです。

少し極端な表現をすれば、子供が駄々をこねているのと同じです。
実はこれはとても簡単な事です。

それに対し、受け入れる事はどうか?
実はこの方が何倍も難しいです。

冷静に自分をコントロールする必要があります。
また、自分の枠を広げる必要があります。

それが出来なければ、すぐに闘ってしまいます。

ちなみにラファエル・ナダルはこんな事を言っています。

「我慢とは受け入れることだ。物事を思い通りにしようとせず、あるがままに受け入れる。」

また、こうも言っています。

「絶対にあきらめず、良いことも悪いことも、良いショットも悪いショットも、幸運も不幸も、行く手に立ちはだかる心を乱すすべてに耐えることだ。」

彼は自分にとって不都合な事を変えようとしている訳ではないんですね。
つまり、闘うのではなく「受け容れる」と言っている訳です。

何度も言いますが、不都合を受け容れる事は簡単じゃありません。

でも、だからこそ、周りとは大きな差を生み出していくわけです。

ちなみに「受け容れる」と「諦める」は全く別物です。
確かに、どちらも闘わないところは同じです。

ですが、前者は「闘わず、前に進む」
それに対し、後者は「闘わず、その場で止まる」

「闘わずに前に進む」
これこそが本当のメンタルタフネスを手に入れる為に必要な事です。

メンタル的に強くなりたい方はぜひ、「闘わない強さ」について一度考えてみてください。

きっと、何かヒントが見つかると思います。

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