さて、今日のテーマも「タイミング」です。
テニスはボールとのタイミングが命です。
ボールのコントロールはタイミングで決まります。
タイミングよくボールを捕らえる事ができたら、必ずボールはイメージ通り飛んでいきます。
逆にタイミングがずれたら、どんなに正しいフォームで打っても、どんなにラケットの面が合っていても、また、どんなにイメージが正しくても、イメージした結果は出ません。
つまり、イメージした結果を起こすためにはタイミングを合わせる能力を磨く必要があります。
そうする事でテニスのレベルは自然と上がって行きます。
私はレッスン中、常にプレーヤーのタイミングをチェックしています。
なぜならタイミングさえ、ボールに同調することができれば自動的にミスがなくなるからです。
また、ミスだけではなく、気持ちよくボールをヒットし、そのプレーヤーがイメージしている事が現実化されるからです。
では、タイミングとはどういう物か?
また、私がどのようにタイミングをチェックしているか?
この事についてお話します。
きっとあなたにもヒントになると思います。
例えば、Aさんが家から会社まで出勤する時のタイミングを考えてみましょう。
Aさんは最寄駅「甲」駅まで歩いていき、電車に乗ります。
その後、「乙」駅で乗り換えをして「丙」駅で降り、後は徒歩で会社まで行きます。
さて、それでは、この時のタイミングです。
家⇒「甲」駅 徒歩で15分
「甲」駅⇒「乙」駅 電車で20分
「乙」駅⇒「丙」駅 電車で25分
「丙」駅⇒会社 徒歩で10分
かかる時間はこんな感じ。
さて、会社に到着するのをピッタリ9:00にするには?
逆算すれば簡単にわかりますよね。
答えは7:50です。
つまり、家を7:50分丁度に出かけるとピッタリのタイミングで会社に着くことができます。
逆に言えば、7:50分以外に家を出てしまうとタイミングは合わないと言う事でもあります。
また、こんな事も起こるかもしれません。
例えば、家から出たところに咲いている桜の花が満開でした。
Aさんはついついこの桜に「心を奪われ」5分間魅入ってしまいました。
すると?
当然、いつもの電車に乗ることができません。
その結果、会社に到着する全体のタイミングも合いませんね。
では、こんな時どうすれば、タイミングを合わせる事ができるか?
一つの方法としては徒歩で15分のところを5分費やしてしまったので、残りの10分を走って帳尻を合わせる方法があります。
ただ、この方法だと上手くいけば、丁度「徒歩15分」=「走って10分」にできるかもしれません。
ですが、速く走りすぎると、早く着きすぎるかもしれません。
また、逆にゆっくり過ぎると遅れるかもしれませんね。
どちらにしても、いつものようにちょうどのタイミングに合わせる事は非常に難しいと言う事です。
さて、それでは、話をテニスに戻します。
実はテニスでもこれと全く同じ事が起こっています。
相手のボールに対して、適切な時に準備を始め、適切なタイミングでスイングを始めれば、本来、自動的にタイミングが合った状態でボールをヒットする事ができます。
ところが、これがなかなか簡単ではありません。
理由はいくつかありますが、一つはボールが常に変化するからです。
先ほど説明した会社までの道のりには「変化」がありません。
基本的にはいつも同じ電車で同じ道のりです。
ですから、タイミングは合わせやすいです。
ところがテニスの場合は常にボールが変化します。
これがまず、一番大きな理由です。
次に、テニスの場合は「雑念」によって動きのスピードが著しく変化します。
先ほどの満開の桜に「心が奪われる」ような事が多々あるということですね。
となると、ボールとのタイミングは常に帳尻合わせになっているということです。
帳尻合わせではタイミングを合わせる事が難しいのはお分かりいただけましたよね。
ましてやテニスはラリーを続ける必要があります。
一度ずれ始めたタイミングを何度も帳尻合わせする事は非常に難しくなります。
その為に不安定なプレーになるわけです。
ですが、逆に言えば、このタイミングを合わせるコツをつかむとプレーは自動的に安定するという事です。
その為に、私はプレーヤーのタイミングを常にチェックしているんですね。
具体的には、私はプレーヤーの後ろ側から観察する事が非常に多いです。
この理由は私も相手から飛んでくるボールに集中しているからです。
相手から飛んでくるボールに集中した状態でプレーヤーを感じます。
するとプレーヤーのタイミングの取り方に違和感を感じる時があります。
例えば、「本来であれば、既にテークバックが始まっていないといけない」
ところが、そのプレーヤーはまだ準備を始めていない。。。
こんな時があります。
この時、このプレーヤーはボール以外の何かに「心を奪われている」状態です。
ですから、後ろから同じボールに集中している私とはタイミングが合わないわけですね。
ここで私はどうするか?
このプレーヤーが「何に心を奪われているか?」を尋ねます。
この答えは人によって全く違います。
例えば、自分のグリップやテークバックが気になっている事もあれば、相手の打つボールの威力や回転が気になっている事もあります。
まさに十人十色です。
ですが、ただ一つ言える事は「ボール以外の何か」に心を奪われているのです。
これが原因で素直にボールとのタイミングを合わせる事ができない。
その結果、ボールは自分のイメージしている結果が出ないわけです。
ですから、私はこのプレーヤーが心を奪われている原因を取り除きます。
ただ、それだけです。
そうすると何が起こるか?
もうお分かりいただけますよね。
雑念がなくなった状態で自然にボールに集中するようになります。
すると適切な時に動き始め、適切な時に準備を始め、適切な時にスイングを始めます。
その結果、ボールは?
気持ちよくイメージしているボールを打ち始めます。
これが私のレッスンの内容の一つです。
手前味噌で申し訳ないのですが、私のレッスンを受講していただくと「魔法」がかかるようです(笑)
いきなりテニスの調子が良くなるんですね。
それを受講生の皆さんが「魔法」と呼んでいるようです。
ところが、この「魔法」長くて1ヶ月程度しか持たないようです。
理由は今日ご紹介した内容です。
私はボールとのタイミングの取り方をチューニングするのですが、それがしばらくすると崩れてくるんですね。
それが「魔法」がとけた状態です。
さて、ちょっと話がそれましたが、タイミングの大切さはわかっていただけたでしょうか?
プレーが不安定な人は間違いなく、タイミングを合わせるコツが身についていません。
これが原因で伸び悩んでいるのです。
逆に言えばタイミングを合わせる練習をしっかりとすれば、今の壁は乗り越える事ができると言う事でもあります。
ぜひ、今日のお話を参考にしてみてください。
きっとまだまだテニスは上達しますよ(・∀・)b
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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