今日のテーマは「頭を支配する物」です。
今更ですが、テニスはゲームです。
ボールの打ち方や身体の使い方を競うわけではありません。
例えば、将棋や囲碁、オセロやトランプなどと同じゲームです。
今一度、この事を思い出してみてください。
ちなみに、ゲームをする時、頭の中はどんな物で支配されているでしょう?
そこには必ず、相手が存在すると思います。
「ここに打てば、相手はどうするかな?」
「こちらに動かせば、次はどうなるだろ?」
「このカードは大丈夫かな?」
こういう物が頭の中を支配していると思います。
つまり、相手の意図を予測したり、推察したりしているわけです。
ゲームとは本来こういう物です。
ところが、テニスをする時には違う物が支配している方が少なくありません。
例えば、それはラケットの振り方だったり、身体の使い方だったりします。
または、ボールの精度や威力だったりします。
確かにテニスはボールをコントロールする技術が必要です。
全くボールがコントロールできなければ、ゲームとしては成立しません。
ですが、だからと言って、頭の中を支配する物が
変わってしまってはゲームではなくなります。
ちなみにテニススクールでテニスを習うとこの傾向が強くなります。
理由はとても簡単で、最初にテニスの技術を習ってしまうからです。
本来は一番最初にゲームをするべきです。
もちろん、最初はボールがコントロールできずに中々ゲームにならないかもしれません。
ですが、それでも、最初に体験しておく必要があります。
人間の脳にとって、初めて体験する事はとても強く記憶されます。
いわゆる第一印象です。
真っ白な状態で一番最初に何を記憶するか?
この違いは後々まで強い影響を与えます。
一番最初にゲームを体験すると「テニスはゲーム」と記憶されます。
ところが、一番最初に打ち方を習うと「テニスは打ち方」と記憶されます。
その為に、頭の中はいつも打ち方に支配されがちです。
残念ながら、これではテニスは中々上手になる事はできません。
打ち方やフォームはテニスのほんの一部です。
テニスはゲームだから楽しいのです。
私は常々言っていますが、テニスの上達にあまり時間は関係がありません。
それは、頭の中を支配している物が変われば、その瞬間にテニスが変わるからです。
逆に言えば、これが変わらなければ、テニスは変わりません。
私が指導する時に一番注意している事はプレーヤーの頭の中を変える事です。
その為に必要なのがイメージだったり、興味だったり、知識だったりします。
突き詰めると、テニスコーチはプレーヤーを変える事は出来ません。
結局、成長するのはプレーヤー自身です。
プレーヤー自身が気付かなければ、成長する事は難しいです。
テニスコーチが出来る事はプレーヤーが気づくヒントを与え続ける事です。
そのヒントに気づくかどうか?
これはプレーヤーの資質です。
人の言動には必ず、何らかの意図があります。
つまり、頭の中で支配している物が原因で言動は結果と言う事です。
もちろん、テニスにも全く同じ事が言えます。
今のあなたのテニスは全て、頭の中で支配されている物によって作られた結果です。
ですから、今一度、何が頭を支配しているのか?
これと向き合ってみてください。
きっと何か新しいヒントが見つかると思います。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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