フォアストロークの打点

テクニック解説
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今日はフォアストロークの打点について解説してみたいと思います。
現代テニスのフォアストロークには大きく二つの技術があります。
一つはダブルベントと呼ばれる技術。
そして、もう一つはストレートアームと呼ばれる技術です。

錦織選手やジョコビッチ選手はダブルベントのフォアストロークを打つ代表的選手です。
それに対して、フェデラーやデルポトロ、ナダルはストレートアームのフォアストロークを打つ代表選手です。

この二つの技術はどちらが「優れている」とは中々決める事ができません。
ただ、威力と言う点ではストレートアームの技術を身につけている選手の方が優れているように思います。
今回はこのストレートアームのフォアストロークの打点について解説します。

では、まず、こちらの画像を見てください。


出典:Roger Federer in Super Slow Motion | Forehand #6 | Western & Southern Open 2014

これはフェデラーの画像ですが、インパクトでは身体が正面を向き、両腕が綺麗に前に向かって伸びています。
丁度、正面にある壁を両腕で押しているような状態になっているのが分かると思います。
ストレートアームのフォアストロークの打点は非常にシンプルで、このように腕が伸びきった状態でヒットするのが理想です。
この状態になる事ができれば、腕の骨がちょうどつっかえ棒になり相手のボールの勢いに負ける事が無くなります。
また、骨で支える事ができるので、筋力を使う必要がなくなります。
さらに、骨の位置が本来の位置に収まるので非常に再現性が高い動きが可能になります。
つまり、精度とパワーの両方を手に入れる事ができます。

ストレートアームのフォアストロークを打つ選手は皆、威力は非常に強烈でありながら、安定しているのはこの状態でボールとコンタクトする事が出来るからです。

ただ、実際にこのように両腕が綺麗に伸びた状態でボールをヒットする事は容易ではありません。
ストレートアームのフォアストロークを打とうとしてもほとんどの場合、肘が曲がった弱い状態でボールとコンタクトしてしまいます。
その一番の理由は動きの順番が違うからです。

では、次にこの画像をご覧ください。

これはテークバックから、スイングに入った直後の画像です。
ここで注目してほしいのは脇が全くしまっていない事です。
そして、その後の画像がこちらです。

既に肩はかなり前に向かって動いているにも関わらず、脇はやはりしまっていません。
そして、腕は伸びたまま、ボールに向かって行きます。

これはもう、インパクトの直前と言っても良いところですが、やはり、脇は閉まらず、腕は伸びきったまま、ボールに向かっています。

実はストレートアームのフォアストロークで最も重要なポイントは脇が閉まらずに体幹が正面に戻る動きです。
こうする事で両腕が綺麗に前に伸びた打点でボールを捕らえる事ができます。

では、どうすれば、脇を締めずに、スイングする事ができるのか?
そこで重要になるのが身体が動く順番なのです。
通常、スイングに入る場合、テークバックで準備が出来たら、まず最初に腕が動き始めます。
これが脇を締める動きです。
「腕(脇を締める)⇒体幹」と言う順番です。
ですが、この動きが入るとストレートアームのフォアストロークにはならずに必ず、ダブルベントのフォアになります。

ですが、ストレートアームで打つ為には順番を変える必要があります。
「体幹⇒腕(脇を締めない)」
この順番で動く事が出来れば、打点は自然と前に捕る事ができます。
逆に言えば、この順番を変える事が出来なければ、打点が遅れて、詰まったような状態でヒットする事になります。

アマチュアプレーヤーのほとんどの方が打点が遅れがちになりますが、その理由も同じ事が言えます。
腕から動き始めれば、打点は前に捕る事が出来ないのです。
つまり、「打点が遅れるなぁ」と感じたら、それは「腕から動き始めている」と考えて良いです。

打点が遅れてしまう方のほとんどが「本当はもっと前でボールを捕えたい」と思っています。
ですが、前で捕らえようと思っても捕らえられない理由がこの動きの順番なのです。

もし、あなたの打点が遅れてしまっているのなら、打点の事は気にせず、身体が動く順番を変える練習をしてみてください。
自然と打点は前になって、気持ち良くボールを打つ事ができます。

【参考】
⇒ 最新フォアハンドストロークの基本

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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