今回のテーマは「テニスが最短で上達する覚え方」
これをテーマにお話しします。
当たり前の事ですが、テニスが上達すると言う事は「テニスに必要な情報を記憶する」と言う事です。
深く広範囲の情報を記憶した方がテニスのパフォーマンスは上がります。
では、どのように記憶すれば、効率よくテニスを覚えていく事が出来るか?
実は人間の記憶には大きく二つの種類があります。
一つは意味記憶。
そして、もう一つがエピソード記憶。
意味記憶とは「覚えようと意識して、知識を吸収した記憶」の事です。
それに対してエピソード記憶とは「体験した事を覚えている記憶」の事です。
この二つの記憶で最も違うのは「覚えよう」と言う意識が「働いているか?働いていないか?」と言う事です。
前者の意味記憶には「これを覚えよう」と言う意識が強く働いています。
ところが後者のエピソード記憶にはそれがありません。
「覚えよう等とは考えてもいない」にも関わらず、自然と覚えている記憶です。
では、この両者、どちらが深く残るか?
答はエピソード記憶。
こちらの方が圧倒的に深く残る事が分かっています。
皮肉な事に「一生懸命覚えようとして得た記憶」よりも、特に覚えようとしていない方が深く記憶するんです。
ですが、これにはちゃんと理由があります。
それは、エピソード記憶には五感が深くかかわっているからです。
人には聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚が備わっています。
体験とはこれらの感覚を活用する事でもあります。
これがエピソード記憶が深く記憶される理由です。
さて、それでは、話をテニスに戻します。
テニスの上達に適している記憶はどちらの記憶か?
もう答えはお分かりだと思います。
意味記憶ではなく、エピソード記憶で練習する事。
これがとても重要になります。
ところが、現実は意味記憶で練習されている方が圧倒的に多いのです。
「最近、伸び悩んでいるなぁ・・・」と感じている方は、間違いなく意味記憶で練習していると言って良いでしょう。
逆に言えば、エピソード記憶の練習をすれば「伸び悩みが脱却できる可能性が高い」とも言えます。
では、ここで、もう一度、二つの記憶の違いを整理しましょう。
一つは覚えようとする意識が働いているか?いないか?
そして、もう一つは五感を活用しているか?いないか?
この二つが意味記憶とエピソード記憶の違いです。
例えば。
「練習の内容を覚えようとしている」
「お手本を覚えようとしている」
「知識を増やそうとしている」
「五感に注目していない」
こういう練習は意味記憶の練習と言えます。
では、エピソード記憶の練習とはどういう物か?
「覚えようと意識しない」
「触覚、視覚、聴覚をフル活用する」
「感じるままにプレーする」
「お手本よりも、自分の感じる事を重視する」
「知識に頼らない」
一例を挙げるとこんな感じです。
エピソード記憶で最も重要な事は「覚えようと意識しない事」です。
覚えようとする意識が働くと五感の働きが鈍ります。
これがテニスの練習には非常に拙いのです。
五感(と言っても、テニスの場合は主に視覚、聴覚、触覚)をフルに活用するには「覚えようと意識しない事」
これがとても重要なんです。
少々乱暴に言えば。
覚えようと意識すれば、意味記憶。
覚えようと意識しなければ、エピソード記憶。
と言えるわけです。
ところが、一般的に、テニスの練習やレッスンでは「練習内容を覚える物」と思っているケースが非常に多いです。
確かにせっかく習った事は忘れないように覚えておきたいですよね。
そして、また、必要な事を覚えて、積み上げていかないと「上達しないような気がする」
その気持ちも分かります。
ですが、実はこれは勘違いです。
グングン上達するにはエピソード記憶を活用する方が圧倒的に有利です。
「覚える練習から、感じる練習へ」
これが非常に重要な鍵です。
ぜひ、エピソード記憶を活かした練習を上手く活用してください。
まだまだ、あなたの可能性はどんどん広がりますよ。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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