スイングの基になるイメージを変える

テクニック解説
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さて、今回のテーマは「人間の動作」です。
人の動作には必ず元になるイメージがあります。

イメージは目的と言い換えても良いと思います。
例えば、机の上におやつがありました。
「食べたい!」と思ったら体は自動的に机に向かい腕を伸ばします。

この時、体は「おやつが欲しい」と言う目的の為に動いているわけです。
まさか、何も無い机に向かって腕を伸ばす事はありません。

このように、人の動作は必ず、何らかの目的(イメージ)があって始めて動きます。
これはテニスにおいても全く同じです。

その人のテニスのフォームは必ず、何らかの目的(イメージ)に基づいて作られています。
ですから、フォームに問題がある場合は動きに問題があるわけではなく、目的(イメージ)が間違っているのです。

例えば、「ボールを打つスポーツは?」と聞かれたら何のスポーツを連想しますか?
ちょっと考えてみてください。

また、「ボールを転がすスポーツは?」と聞いたら何のスポーツを連想しますか?
やはり考えてみてください。

ただの連想ゲームですから、「正しい」「間違っている」はありませんが、多くの方はボールを打つスポーツと言うと「野球」と答えてくれます。
そして、ボールを転がすスポーツというと「ボウリング」と答えてくれます。

こんな風に人は何かの情報が入るとその情報から自然と何かを連想します。
これは過去の経験から自動的に湧いてきます。
実はこの自動的に湧いてくるイメージに問題がある場合が非常に多いのです。

先ほど、「ボールを打つ」と言うと「野球」を連想する方が多いと言いましたが、これは同時に「ボールを打つ」と聞くと「野球のように打つ」を連想することになるのはお分かりになるでしょうか?
実はこの連想がテニスの動作に弊害と与えてしまう場合が多いのです。

また、「ボールを押す」と言われるとどんな動作を連想するでしょうか?
または、「ラケットでボールを押す」と言われるとどんな動きを連想するでしょう?

ラケットを持った事がない方にとっては「ラケットでボールを押す」と言う動作は経験した事がないですよね。
その為に、その方が過去経験した動作から連想する事になります。

ここで、また、間違った動作を連想する可能性が出てきます。
その結果、テニスのテクニックに問題が出てきます。

テニスボールをコントロールする為に一番大切な事はインパクトの直前、直後のラケットの動きとボールの動きです。

ラケットがボールをコントロールする為の正しい動きをしていたらボールは必ずコントロールされます。
(もちろん、ボールとのタイミングが合っている事が前提ですが)

テークバックはインパクトでの正しい動きにどれだけのエネルギーを与えるか?
これはテークバックの役割です。

では、フォロースルーは?
これはテークバックで作ったエネルギーを開放した惰性です。
正しいインパクトをすれば、フォロースルーは自然と正しい位置に収まります。

こうしてテニスのフォームは作られます。
さて、このテニスのフォームの中でまず、一番最初に習得しなければならないのは?

それはインパクトです。
実はボールのコントロールがなかなか良くならない人はこのインパクトの仕事を知らないまま練習しているのです。

逆に言えばインパクトでどんな事をすれば良いのか?
これが明確にわかるとテニスのボールコントロールは抜群に良くなります。

ところが、先程も言ったように多くの人はインパクトでするべき仕事を過去の自分の運動経験からの連想でしてしまっているのです。

例えば、野球を連想してしまった人は野球のようなインパクトを。
卓球をイメージした人は卓球のインパクトを。
バトミントンの人もいるかもしれません。
バレーボールの人もいるかもしれません。

いずれにしても、その連想でテニスの練習をしているとテニスのインパクトとは違う可能性が非常に高いのです。

これが最近、私が感じている事です。
ちなみにテニスの正しいインパクトを体験すると驚く程簡単にボールがまっすぐ飛んでいきます。
また、当たった時の感触がとっても気持ち良いです。

ボールのコントロールがなかなか良くならない方にはぜひ、この気持ちよさを味わってほしいです。
きっと、テニスが今以上に楽しくなると思いますよ。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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