フェデラーのように打点を前にするには?

テクニック解説
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今回はストロークの打点について少しお話ししたいと思います。
打点を前でヒットするプレーヤーと言えば、フェデラーですね。
彼ほど、前でボールをヒットする事ができるプレーヤーはなかなかいません。

打点を前にする事は精度、パワー共にとても大きなアドバンテージなのです。

実際に多くの方が「打点は前で取るべき」「打点は遅れてはいけない」とアドバイスされていると思います。
あまりにも言い古されたアドバイスです。
言葉だけを聞けばとても当たり前の事で簡単な事です。

ところが、実際には打点が遅れずにヒットできているアマチュアプレーヤーはほとんどいません。
まず、間違いなくと言っても良いほどアマチュアプレーヤーは遅れた打点でヒットしています。

この打点の遅れが上達の壁を作っていると言っても良いでしょう。
では、どうして、アマチュアプレーヤーは遅れずにヒットする事ができないのでしょう?
また、どうしたら、フェデラーのように遅れずにヒットする事ができるのでしょう?

フェデラー 打点

御覧のように彼はトップ選手の中でも特に前でボールをヒットします。
また、この打点が彼のあの目の覚めるようなキレキレのボールが繰り出される理由の一つでもあります。

打点を前にする事ができれば、ボールから受ける衝撃を腕ではなく、身体全体で支える事ができます。
相手のボールの衝撃に負けないと言う事はそれだけ、精度の高いボールを打つ事ができると言う事です。

テニスのボールは約60gほどあります。
それに対してラケットの重さは約300g。
その差は約5倍です。

それに対して卓球のボールは約3g
ラケットの重さが約180g
その差は約60倍です。

これは卓球のボールに比べるとテニスはインパクト時に非常に大きな衝撃を受けると言う事を意味しています。
つまり、打点が遅れると腕に受ける衝撃は想像以上に大きく、その衝撃に負けて精度が著しく低下するわけです。
これがテニスを難しくしている理由の一つです。

ところが腕ではなく、身体全体で支えるような打点で打てるようになるとボールの衝撃に負ける事無くヒットする事ができます。
その結果、インパクト時のラケット面は安定し、精度の高いボールを打てるようになるわけです。

また、精度だけの問題だけではなく、自身が作ったエネルギーをボールに伝える時にも打点は非常に大きな影響があります。
打点が遅れている状態ではスイングでいくら大きなエネルギーを作ったとしても、インパクト時の衝撃に負けてそのエネルギーがボールに伝える事ができません。
その為に精度だけではなく、力強いボールを打つ事もできないわけです。

トップ選手たちの精度とパワーは打点によって生まれていると言っても過言ではありません。
それぐらい打点は非常に大切な物なんですね。

さて、それでは話を戻して、なぜ、トップ選手たちは前でボールをヒットできて、アマチュアプレーヤーは打点が遅れるのか?

その一番の理由は身体の使い方です。
ボールとのタイミングではありません。
つまり、時間の問題ではないのです。

打点が遅れると「もっと前で打とう!」と誰もが思うと思います。
そして、その為に「もっと早く準備して、早くボールを迎えに行こう!」とするのが一般的です。

また、ほとんどのコーチはそのように指導します。
「もっとテークバックを早く!」
こんな感じですね。

ですが、残念ながら、これでは打点の遅れを改善する事はできません。
と言うより、早くテークバックすればするほど打点は遅れます。

理由は早くテークバックしようとすることで間違った身体の使い方に拍車がかかるからです。

「早く準備して早くボールを打ちに行ってるのに一向に気持ちよく打てない・・」
こんな風に感じている方は少なくないはずです。

先ほども言ったように打点が遅れてしまう理由は時間の問題ではないのです。
ですから、いくら早く準備して早くボールを迎えに行っても絶対に打点は改善される事はありません。

ところが、特に早くテークバックしたり、早くボールを迎えに行かなくても、勝手に打点が前になる身体の使い方があるのです。
この使い方が身に着くと打点は意識しなくても自然と前になり、気持ちよくボールを飛ばす事ができます。

もちろん、力む必要なく威力のあるボールが飛んでいきます。
そして、また、特にラケット面を操作する必要もなく、精度の高いボールを打つ事ができます。

本来の打点とはこういう物です。
ただ、このような打点を身に着ける為には打球する為の動きのイメージを変える必要があります。

逆に言えば、アマチュアプレーヤーは打球する為の動きのイメージを間違っているんですね。
これが打点が遅れてしまう一番の理由です。

このイメージを変える事ができれば、アマチュアプレーヤーでもトップ選手と同じような打点を身に着ける事はできます。
何故なら、打点を前に取る事には特別な体力を必要としないからです。
また、微妙なタイミングの取り方をする必要もありません。

打点B(遅れた打点)で打つには打点Bで打つ為の身体の使い方があります。
打点A(最適な打点)で打つには打点Aで打つ為の身体の使い方があります。

打点Bで打つ為の身体の使い方をすれば、何をしても打点が遅れてしまうのと同じように、打点Aで打つ為の身体の使い方をすると何をしても最適な打点になってしまうのです。
ですから特に「前で打とう!」などと意識する必要は全くないのです。

次回はその為の身体の使い方について解説したいと思います。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

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