今回はナダルのバックハンドについて解説してみたいと思います。
ナダルはフォアハンドでは強烈なスピンをかけた非常に攻撃的なショットを打ちます。
それに対し、バックハンドはフォアハンドほど強力ではありませんが、非常に安定しているのが特徴です。
ただ安定と言っても、それはフォアに比べてと言う意味なので、カウンターでエースをねらえる事もできますし、リターンも強力です。
また、最近は回転量をコントロールして、よりフラットに近いボールを多用するように進化しています。
さて、それでは、まずは動画を観察してみましょう。
出典:Nadal Backhand HD Part 1
ナダルのバックハンドの特徴は大きく3つあります。
まず、一つ目はテークバックの時の両腕の伸びです。
ご覧のように両腕がしっかりと伸びた状態で体幹と共に準備されていきます。
錦織選手やジョコビッチなどはもう少し両肘に余裕を持たせて準備しますが、彼の場合はしっかりと伸びたままで準備します。
これは両腕をしっかりと伸ばしたインパクトをする意識がこのような準備をさせているのではないかと推測します。
そして、二つ目の特徴はラケットヘッドの高さです。
ナダルでテークバックでラケットヘッドを立てずに、移動させていきます。
最新のバックハンドはラケットヘッドを立てる事でより強いスピンをかけるような技術に変わってきていますが、彼の場合はわりとラケットヘッドが低い状態で準備を完了します。
この利点は安定度が増す事です。
回転をかけるには不向きですが、スイング軌道がシンプルになる分、ボールの安定度は増す事になります。
回転量や威力よりも精度を選択したバックハンドと言えるかもしれません。
三つめの特徴はインパクトでのしっかり伸びた両腕です。
肩と両腕が作った三角形が崩れない状態で体幹がしっかりと動く事でボールをインパクトします。
その三角形はインパクト後、フォロースルーの時も崩れる事無く振りぬかれていきます。
ナダルのバックハンドが安定している理由はここにも表れています。
腕やラケットの操作があれば、三角形は崩れてしまいますし、ボールコントロールの精度を失います。
三角形が残っているという事はそれだけ、末端を使わずに体幹を使ってスイングしていると言う事でもあるのです。
また、全体を通して言える事は非常にバランスよく、両方の足でしっかりと地面に立ってスイングしている事です。
常に体幹は両足の真ん中に位置し、自然な体重移動の中でスイングを完了します。
そういう意味ではフォア以上に基本に忠実なバックハンドと言えるかもしれません。
以上がナダルのバックハンドの特徴です。
非常にシンプルで精度を重視したバックハンドなので、ビギナーのテニスフリークがお手本にするには最適のバックハンドと言えると思います。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただき本当にありがとうございます。
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