今回は指導者、コーチの方へ向けての記事です。
生徒さんにボールタッチのセンスを身につけてもらうには触覚を磨く練習を取り入れると効果的です。
ちなみに触覚とは「物に触れた時に起こる感覚」の事ですが、触覚を使い、ボールをインパクトした時に手のひらに感じる衝撃を感じるのです。
この感覚を磨く事で、微妙な力の加減や、スピンやスライスなどのボールの扱いを身につける事ができます。
一般的には
「ボールタッチのセンスは中々指導する事ができない」
「センスは持って生まれた物」
「タッチの良さは才能」
こんな風に思われがちですが、そんな事はありません。
ボールタッチのセンスはボールがラケットに触れた時の衝撃を掌で感じる練習をする事で磨く事ができます。
例えば、ドロップボレーなどの繊細なタッチを必要とするようなショットも触覚を磨くような練習をすると誰でも簡単に身につける事ができます。
「ドロップボレーはセンスがいるから指導できない」とあきらめないで、どんどん指導してあげてほしいと思います。
具体的にはインパクトの時にラケットを通して受ける衝撃を掌で感じる練習をします。
触覚は目を閉じると非常に繊細になります。
その為に生徒さんに目を閉じてもらった状態を作ると触覚の感覚が分かりやすいです。
例えば、目を閉じて、ボレーのインパクトの時のフォームを作ってもらいます。
そこにボールを3回ぶつけてあげます。
その時に3回とも違う強さでぶつけます。
それを強さが強かった順番を当ててもらいます。
または、わざとラケットのスイートスポットを外したところにボールをぶつけて、どこにボールが当たったかを当ててもらいます。
このようにインパクトの時に手のひらに感じる衝撃に注意力を向けて感じる練習をします。
そうする事で、触覚的なイメージが鮮明になります。
このイメージが繊細なボールタッチを身につける元になります。
繊細なボールタッチを身につけている、いわゆる、「センスが良い」人はこの触覚を無意識のうちに使っています。
逆に繊細なボールタッチの感覚がわからない生徒さんは触覚を使わず、フォームや打ち方だけでボールをコントロールしようとします。
その為に、微妙な力の加減や、ボールの触れ方が分からないわけです。
ですが、このような生徒さんも触覚を磨く練習をきちんとしてあげれば、ボールタッチは見違えるほど良くなります。
フォームや身体の使い方はレベルの高い技術を身につける為には非常に重要ですが、触覚はそれ以上に重要な感覚です。
インパクトの時にボールに何が伝わっているのか?
この事を感じ取る事が出来なければ、せっかくのフォームや身体の使い方も「宝の持ち腐れ」です。
ぜひ、ボールタッチの良い、センス溢れる生徒さんに育ててあげてください。
コメント
こんばんは。とーちゃんです。
今度の東京ワンデイレッスン、楽しみにしています。
さて、最近は、フィーリングテニスでも『技術論』を説明するようになりましたね。
加えて、『指導する立場の方へのアドバイス』。とーちゃんとしては、こちらの方も非常に嬉しいです。
息子が、今度、トーマスカップの全国大会の参加出場権を得ました。ただ、それより大事な大会の予選があり、勝ち抜くと重なるので、ちょっと悩みの種です(^^;;;、いや、本人ではなく、とーちゃんが)。
さて、どういう『意識』で臨むのが良いか?は、非常に役立ちます。
と言っても、意識できるのは、ひとつこと。最終的には、『無意識=無我の境地』がベストなんでしょうけど、人間、何かと拘りを持ってしまうのもので、そういうことなら、ひとつことを意識して、それを体に染み込ませて、無意識まで到達させることも有りかな、と思う今日この頃です。
人に教える場合は、その人の器=吸収力を理解して教えないと、とも思います。
我々レベルでは、『より楽しむために』の努力ですが、息子や全国のアスリートレベルでは、『より高みへ上るために』の努力だと思います。
私が息子に教えられるのは、技術やフットワークではありません。怪我のケア方法も、今のテニスクラブの方が知見、知識、経験、すべてにおいて超上級です。
ただ、彼にフィットしたその場その場での『意識の持ち方』くらいでしょうか、とーちゃんでもアドバイスできることと言ったら…。ワンポイントでね。
では、また。
こんにちは。
東京でお会いできるのを楽しみにしております。
ところで、確かに「意識の持ち方」は非常に大切ですね。
生徒さんにはいつもお話しするのですが、テニスの練習は基本的に世界中で同じような物です。
世界のトップ選手でさえ、特別な練習をする事で上達するわけではありません。
にも関わらず上達には大きな差が生まれます。
その一番は「意識の持ち方」だと思います。
その差が日々の練習の成果に違いを作ります。
息子さんの今後が楽しみですね。