今日は「肌感覚」をテーマにお話ししていきます。
もうご存知だと思いますが、肌感覚とは「肌に触れたときに受ける感じのこと」です。
日常生活では、あまりにも、当たり前に使っているので、あまり注目された事が無いかもしれません。
ですが、実は肌感覚ってとても優れた感覚です。
人間には五感が備わっていて、その感覚を使う事で外界の情報をキャッチします。
中でも、特に視覚から得る情報が多く「その8割以上を視覚で得る」と言われています。
ところが、実は視覚から得る情報は案外、いい加減です。
それに対し、肌感覚、つまり触覚は非常に敏感で、視覚では得る事が出来ない感覚をキャッチできます。
例えば、指に小さな棘が刺さったとします。
目でいくら見ても、見えない物でも、指先で感じると、棘を見つける事が出来ます。
これは目よりも肌の方が繊細な物を感じる事が出来ると言う事を示しています。
もちろん、優劣を言っているわけでは無いんです。
適材適所、それぞれにはその特徴があると言う事です。
さて、話をテニスに戻します。
実はテニスでも、肌感覚がとても重要です。
テニスをすると、当然、ボールをラケットで打つ事になります。
この時、ラケットを通して、手は何らかの振動、衝撃を感じるはずです。
これがテニスに必要な肌感覚です。
テニスの場合、肌感覚と言う言葉は適切ではないかもしれませんが、敢えて、肌感覚と表現しています。
それぐらい、繊細な感覚を使ってほしいからです。
先ほどもお話ししたように肌感覚は目で見ても、感じる事が出来ない繊細な事も感じる事が出来ます。
この感覚をボールとのインパクトの時に活用します。
少々、極端に言えば。
「肌感覚でボールをコントロールする」わけです。
もちろん、テニスのインパクトは小さな棘ほど繊細ではありません。
また、棘を探すように、ゆっくりした動きでもありません。
ですが、肌から感じる振動や衝撃を最大限に感じる事は非常に重要です。
インパクトで触覚に注目する事で、飛んで行くボールの距離や回転、速度など、様々な情報を感じる事が出来るからです。
そして、その感覚を使い、ボールを操る事が出来るからです。
優れたプレーヤーほど、ボールとラケットがコンタクトした時の「感触」を大切にします。
もちろん、全身の使い方やボールの打ち方も重要です。
ですが、打ち方はとてもざっくりとした大まかな物です。
肌触りほど、繊細ではありません。
いくら打ち方が良くても、ボールとラケットがコンタクトした時の感触がズレると、ボールはイメージ通りに飛んで行きません。
逆に、多少、打ち方が崩れても、コンタクトした時の感触がイメージに近い物であれば、イメージに近いボールが飛んで行きます。
その為に、肌感覚でボールを感じ、その感覚を磨く事はフォームを練習する以上に重要です。
ところが、案外、肌感覚に注目し、練習する方は少ないです。
どうしても、打ち方、振り方に注目する事が多いからです。
もちろん、触覚だけ磨けば、「打ち方はどうでも良い」と言っている訳ではありません。
適材適所、どちらも必要です。
ただ「触覚への注目度が低い」と伸び悩む事は間違いありません。
逆に、触覚を磨く事で、急成長する可能性がある事も事実です。
ぜひ、次回の練習では、肌感覚でボールを感じてみてください。
インパクトの瞬間の振動や衝撃を感じるんです。
そうすると、一球、一球、全く違う感触がする事に気付くはずです。
もちろん「心地良い」と感じる事もあるでしょうし、逆に「心地悪い」と感じる事もあるでしょう。
ですが、どちらも大切な経験です。
感覚は経験でしか、磨かれません。
良い事も、悪い事も。
どちらの経験も感覚を磨いてくれます。
そして、その経験が近い将来の上達に繋がります。
ぜひ、肌感覚も使って、テニスしてくださいね。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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