今回のテーマは「トレーニング」についてです。
「体力をつけたいのですが、どんなトレーニングをしたら良いですか?」
こんな質問を時々いただきます。
ちなみに私の持論は「特別なトレーニングは必要ない」です。
厳密に言うと、トレーニングは非常に大切です。
もし、本気で選手を目指すなら?
これはとても大切です。
と言うより、必須。
ジュニアの選手やプロを目指す、実業団でプレーする・・・
こんな選手を私が指導したら?
多分、24時間中常に何らかのトレーニングを課すと思います。
このような選手はテニスに相当の時間をかける事ができますよね。
でも、一般のテニスフリークではそうはいかないと思います。
ですから、基本的には私はトレーニングは必要ないと思っています。
あくまでも、よほど余った時間の使い方やどうしてもコートが使えない時の補足。
そのように思っています。
それ以外はコートでしっかりと練習すれば一般の方であれば十分な体力を使い切るはずです。
と言うより、使い切るように練習することが大切です。
オンコートで練習できる時間が1時間もあれば、しっかりと自分でプレッシャーをかければ相当疲れるはずです。
試合に出たら1,2試合しかしないのに「筋肉痛が残る」
こんな経験をされる方は多いと思います。
でも、練習で筋肉痛が残る事ってそんなにないと思います。
ましてや1,2試合では。
これってどうしてでしょう?
もちろん、試合の方が緊張して心肺機能が低下し、それが乳酸の蓄積に繋がる。
こんな事はあります。
でも、それ以前にボールへの集中力や執着心が全く違うからです。
その結果、試合の方が普段の練習よりも体を使っている場合があるんですね。
もちろん、緊張から体が動かず、「練習よりも動けない」なんて事もありますが。
ですが、もし、ボールに集中できれば普段以上に体を酷使します。
実は私が「とりあえず特別なトレーニングは要らないよ」と言っている意味はこれです。
つまり、まず、練習でも試合以上の集中力を使い、持っている体力の全てを使い切ることです。
例えば。
「相手のアウトボールにも対応して最適な打点に移動する努力をする」
「打点はできるだけ落とさないで高い打点で捕らえるように移動する」
「深いボールは足を止めないで後ろに下がって最適な打点でヒットする」
「自分のボールの結果に関わらず、相手のボールに常に反応できる準備をする」
「ヒットし終わったらすぐに次のプレーの為のポジションに移動する」
・・・・・・・
言いだしたらキリがありません。
でも、これらをもし、本当に実践できたら??
多分、普通の方なら1時間でも相当きついです。
すぐに動けなくなると思います。
テニスってミスが減ってプレーが繋がり始めると急激に辛くなります。
プレーが途切れるから体力を使わないんですね。
途切れると息も切れませんし。
ところがボールへの集中力を上げてとにかく、反応良く、動き回ってインプレーの時間が長くなれば?
もちろん、相手のプレーのレベルにもよりますが、今持っている体力はすぐに使い切ると思います。
特別にトレーニングをして、体力を伸ばすよりも、まずはここから始める方が実戦的です。
そして、これができたら、後は休息の時間に当てた方が良いです。
トレーニングと言うより、体を癒すための時間ですね。
「ハイパフォーマンス=ハイリスク」ですから。
ちなみにこのように練習で集中力を上げて動き回っていれば当然、体力もついてきますが、それよりもテニスのパフォーマンスそのものが自動的に上がって行きます。
つまり、テニスのレベルと体力がリンクして向上していきます。
それこそが時間が限られた方のテニスのレベルアップに一番大切な事だと思います。
ですから、基本的にそれ以外のトレーニングって「まずは必要ない」
と私は思っています。
「コートで練習したいけど、できない・・・」
そんな方が少しの時間を使って縄跳びなんかをするのはとても効果的ですけどね。
ですが、優先順位を間違えるともったいないです。
実戦的ではありません。
体力を付ける為のトレーニングに時間を割いても、コート上の反応や動きが悪ければそのトレーニングの効果なんて使えませんからね。
私はそんな風に思うのですが、いかがでしょう?
もし、あなたがまだコート上の練習で持っている体力を使い切っていないなら??
それはとてももったいないことです。
私達には限られた時間しかありません。
今の体は今の物。
使い切らないと。
次回の練習はちょっとこんな練習をしてみてください。
コートでは自分が一番動き回っている状態。
こんなプレーをしてみてください。
ただし、急に動くと怪我にも繋がりますから、ウォーミングアップの時間もしっかりとってくださいね。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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